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渡船に乗って、沖ノ島で親子自然観察会

小豆島日記
vol.059

posted:2014.6.9   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer's profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/

近くの島の自然に触れる。

小豆島、この場所自体が「島」なのですが、
この島のまわりにも小さな島がいくつかあります。
島から島へ船で渡る。
というわけで、先日小豆島の南西にある
沖ノ島(おきのしま)という小さな島に行ってきました。

沖ノ島は、約80人が暮らす小さな島。
多くの人は漁業に携わり、また島のあちこちには当たり前のように畑がある。
いわゆるお店や学校はなくて、何か用があるときは船に乗って小豆島本島へ出かける。
そんなふうにしてここでは暮らしが営まれています。

小豆島本島から見た沖ノ島。島同士をつなぐ渡船。

漁業を営むご夫婦。イカをさばいていました。

堤防に干された玉ねぎ。島のあちこちに畑が。

小豆島で暮らしていても、なかなかこの沖ノ島に行く機会はない。
なんだけど、最近雑誌やWebの記事で沖ノ島をよく見かけて、気になっていた場所。
そんなときに「春の親子自然観察会 渡船に乗って、沖ノ島の自然を観察しよう!」
という絶好の機会。
これは行くしかない! と思い、友人家族も誘って皆で沖ノ島へ。

沖ノ島へは、小豆島本島の小江(おえ)という地区にある
渡船のりばから10人程度が乗れる船に乗って渡ります。
船に乗って海を渡って降りて、全部で3分くらいなんじゃないかという距離。
たったこれだけの距離を移動しただけなのに、
島というのは不思議で、なんとなく雰囲気が違う。
陸がつながっていないのはやっぱり大きくて、
独特の暮らし方だったり文化が残ってるんだろうなと思う。

小江(おえ)にある渡船のりば。

渡船の時刻表。噂では、港に誰か来たら時刻表と関係なく運航してくれるとか。

屋根付きの小さな船は乗るのもワクワクします。

てくてくと歩きながら、普段見過ごしてしまっているものを
丁寧にひとつずつ見たり触ったり。
ところてんをつくるために干してあるテングサ。
畑の肥料にするために干してあるヒトデ。
海岸に流れ着いた銃みたいな形の流木。
浜辺に咲くハマヒルガオやハマダイコン。
望遠鏡の先に見えるカワウ。

堤防に干されたテングサ。これでところてんを手づくりします。

乾燥させたヒトデ。畑の肥料になるそう。

流木っていろんな形があって面白い。ついつい持って帰りたくなる。

浜辺に咲くハマヒルガオ。小さな花がいくつも咲いていました。

望遠鏡の先にはカワウが見えます。思ったよりずっと大きく見える。

今回この企画をしてくださったのは「小豆島自然観察会」の皆さん。
小豆島の自然の中で自然観察しながら、
親子でふれ合う「親子自然観察会」を春夏秋冬の年4回開催しています。
沖ノ島も小豆島本島も、本当に自然が豊かなんだけど、
なかなか深くじっくり入り込めない。
それは私たちが自然との接し方をあまりよく知らないから。
だから、自然への入り方や、自然の楽しみ方を教えてくれる
こういうイベントはとても大切で素敵だと思う。

岩場で貝を探したり。磯にはいろんな生き物がいる。

この日のおやつはサクランボ。大人にも子どもにも大人気。

お母さんと手をつないで堤防散歩。

豊かな自然がある。
それを楽しむ方法を教えてくれる人たちがいる。
沖ノ島も小豆島もそんな場所であり続けてほしいなと思います。

information

map

HOMEMAKERS

住所 香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間 金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)
http://homemakers.jp/

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