棚田が美しい中山という農村
風景を継承していくということ。
私たちが暮らしているのは、小豆島の真ん中あたりにある
肥土山(ひとやま)という集落。
山々に囲まれた盆地にある農村で、現在約250世帯、700人弱が暮らしています。
そしてその東隣りに、中山(なかやま)という農村があります。
肥土山とは車で5分ほどの距離。
こちらは肥土山の半分くらいの人たちが暮らしている集落で、
「日本の棚田百選」や「美しい日本の歴史的風土100選」などに選ばれるなど、
棚田がとても美しい、日本らしい風景が残っている場所です。

5月。田んぼに水が入り、これから田植えが始まります。

7月。稲が成長し、本当に緑が美しい季節。

1月。少し寂しい季節。静かな冬の農村です。
肥土山と中山はお隣の集落ですが、肥土山は土庄町、
中山は小豆島町と属している自治体が異なり、
また地形も平地が比較的多い肥土山、少ない中山と、似ているようで違う集落です。
住んでいる人たちの考え方も少し違うのかなと個人的には思っています。
そんなふたつの集落。
実は、現在は島内でこのふたつの集落だけが、
毎年農村歌舞伎を奉納し、虫送りという行事をしています。
それぞれの集落の美しさがあり、両方とも訪れてほしい場所です。

中山の農村歌舞伎舞台。

中山は毎年10月に農村歌舞伎が開催されます。

普段から大事に手入れされている建物は古くてもきれいで現役。
いつも肥土山のことばかり書いているので、今回は中山のことを。
中山には、本当に美しい棚田があります。
「中山千枚田」と呼ばれ、南北朝時代から江戸時代中期にかけてつくられたもの。
そしていまも、地元の農家の方々が手入れをされて、おいしいお米をつくっています。

中山のお米でつくったおにぎりが食べられる「こまめ食堂」さん。中山にあります。

でっかいでっかいおにぎりをいただきます。
急斜面にある狭い棚田には、大きな機械が入らないので、
小さな機械を使ったり、ときには手作業で。
私たちも農業をし始めてわかったことは、
機械を使わずに作業するということは本当に大変です。
重労働だし、何より時間がかかる。
朝から晩まで作業して、今日はやっとここまで進んだかという感じ。

小さな耕運機で田んぼを耕す。

手作業で田植えの準備。こうして美しい棚田が維持されています。
そして、この中山という農村も、御多分に漏れず高齢化が進んでいます。
これは肥土山も同じ。
このまま何も変わらず10年経つと、中山や肥土山はどうなるのかなぁとよく考えます。
いま農業現役世代の50〜60代がひとまわり歳をとると、
どれくらいの田畑が荒れていってしまうのか。
この農村の風景を守り続けるには、元気に動ける人、田畑で作業する人が
そこにいることがとても大事なんじゃないかと思います。
現在、中山では、棚田のオーナー制度の募集を行っています(3月10日まで)。
農家の高齢化などで景観の継承が危ぶまれている棚田の耕作に、
全国から募った会員に参加してもらうしくみだそうです。
また同時に、中山の棚田を元気にする地域おこし協力隊員も募集されているようです。
中山も肥土山も、その風景や文化を、少しでも長く維持していきたいと感じる場所。
まずはぜひ一度訪れてみてください。