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種から作ったジンジャーエール

小豆島日記
vol.035

posted:2013.12.9   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer's profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/

自分たちの手で作る楽しさ。

移住して1年、農業を始めて1年。
いよいよ2シーズン目の植え付けが始まりました。
少し遅くなってしまいましたが、いまは玉ねぎの苗をひたすら植えています。
2000本くらいの小さな玉ねぎの苗を地道に1本1本。

いろは(娘)も玉ねぎの植え付けの準備を手伝い。

1本1本地道に玉ねぎの苗を定植。春の収穫をイメージしながら。

去年の秋から1年かけて何種類かの野菜を作ってきました。
四葉きゅうりや赤オクラ、そら豆、じゃがいも、ベニー人参、いんげん豆、生姜……。
うまく収穫できたもの、虫にやられて全滅してしまったもの、
水不足で枯れてしまったもの、どの野菜にもストーリーがあって、
たった1年なのに写真を見返すとすでに懐かしい(笑)。

そんな野菜の中でも手間をかけて育ててきたのが「生姜」。
寒い冬、体の中から温めてくれる生姜。
これを自分たちの手で作りたいなと思い、とにかく作ってみよう! と栽培。
そもそも生姜ってどんなふうに育つのか何も知らない状態からのスタート。

生姜を植える畑の土作りから。
4月、冬の間に作っておいた堆肥を混ぜ込み、その後、畝立て。
マルチをかけて、種生姜約400個を植え付けていきました。

そして6月に入ってようやく芽が出てきました。
喜んだのもつかの間、今年はほんとに空梅雨だったので、夏の間は毎日水やり。
そして雨は降らなくとも雑草はもりもり育つので、草抜き。
ほんとはもっともっと手入れしてあげなきゃいけなかったんだろうけど、
できるところまで手入れ。

今年6月。やっと生姜の芽がでたけど、雨が全然降らず早朝水やりが日課でした。

今年9月。生姜の葉っぱです。暑さも落ち着きもうすぐ収穫。

この茎の下に生姜が埋まってます。

9月中旬、試し掘り。まだまだ小さかった。もう少し待つことに。

暑さも落ち着いた9月中旬、試し掘り。
できてる! できてる!
もう少し大きくなるまで待って、本格的な収穫は11月に入ってから。
大きいの小さいの、さまざまでしたが、収穫まではなんとか終了。

そしていま、そうやって自分たちの手で種から育てた生姜を使って、
ジンジャーシロップ作りをしています。
ジンジャーシロップを炭酸で割ればジンジャーエール、
紅茶に入れればジンジャーティー。
そもそもジンジャーエールが生姜でできてるってことを知ったのも数年前。
完成品しか知らず、何でできているのか、どうやって作るのかなんて
昔はあまり考えなかったのに、ここ最近は自分で作ることが楽しいし、
なるべくそうしている。

収穫した生姜。いい香りがします。

小さいサイズを使ってジンジャーシロップ作り。きれいに洗ってこれからスライス。

きび砂糖をまぶして、生姜から水分を出します。

シナモンやカルダモンなどのスパイスと一緒にぐつぐつ煮る。

ジンジャーシロップの完成。何度か作ってHOMEMAKERSの味を作りたい。

炭酸で割ってレモンと生姜のスライスを入れれば、オリジナルのジンジャーエール。

手間もかかるし、生姜については保管をどうするかという大きな課題もある。
ただ、こうやってひとつずつ自分たちの手で生み出し、
ゆくゆくは商品として販売したいなという野望もある(笑)。
まだまだ挑戦の日々です。

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