連載
posted:2013.11.11 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/
3月から始まり、春、夏、秋と108日間開催された
瀬戸内国際芸術祭2013(以下、瀬戸芸)が先週閉幕しました。
私たちが暮らす肥土山(ひとやま)地区にも作品が展示されており、
普段は誰もいないバス停や田んぼのあぜ道にたくさんの人がいました。
瀬戸芸全体の来場者数は約107万人、小豆島には約19万人の方がみえたそうです。
私たちはというと、ここ数週間ずっとカフェオープンの準備をしながら
畑作業・野菜出荷といった感じ。
瀬戸芸も、結局小豆島以外の島には足を運べず、
島内の作品も半分くらいしか見れてない……。
本当はもう少し時間を作るべきだったのかもしれないけど、
いまは自分たちの暮らしを作っていくことで手一杯、
そしてそれが楽しくもあるので、そういう時期なのかなと。
というわけで、私たちは小豆島の肥土山という田舎でカフェを開きます。
少し書き方を変えると、自宅の一部をカフェとして開きます。
小豆島に移住する前から、こっちに来たら
自宅を改修してカフェをやろうと決めていました。
美味しいコーヒーが飲めて、ゆっくり本が読める。
Wi-Fiを使えて、パソコンやiPadなどで仕事ができる。
子どももお絵描きをしたり、庭や畑で遊んだり、大人と一緒に過ごせる。
そんな場所を作りたいなと。
そして、その場所で、自分たちが育てた野菜を使った料理をお出ししたい。
ついでに、採れたてのお野菜たちや自分たちで作った商品も販売できれば。
とにかく人が集える場所を作りたいと思った。
だから、カフェをやりたいというより、
カフェはその結果としてのかたちなのかもしれない。
アサダワタルさんの『住み開き:家から始めるコミュニティ』という本に、
自宅の一部を、カフェだったり、図書館だったり、
ママたちの習いごとの場だったり、何かのワークショップをする場だったり、
そんなふうにして、人が集まる場として外に開くこと。
完全にパブリックな場とも違った、小さな公共。
とあるのですが、まさに私たちがやろうとしていることは
この「住み開き」なのかもしれません。
自宅の一部をカフェとして住み開く。
そこに美味しいものと、心地良い時間がある感じ。
そしてここで、地域のおっちゃんたちとWebの勉強会をしたり、
旅行者と写真のワークショップをしたり、
友人たちといろいろな話をしたりして、
さまざまなコトが起きるといいなと思っています。
大工工事は終わり、厨房もやっと始動。
正式オープンはもう少し先になりそうですが、
クリスマス前には皆さまをお迎えできるかたちがなんとかできそうです。
小豆島ひとやまの農家カフェ「HOMEMAKERS」で、皆さまをお待ちしております。
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