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田舎でカフェを開く

小豆島日記
vol.031

posted:2013.11.11   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer's profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/

自宅の一部を、人が集まる場に。

3月から始まり、春、夏、秋と108日間開催された
瀬戸内国際芸術祭2013(以下、瀬戸芸)が先週閉幕しました。
私たちが暮らす肥土山(ひとやま)地区にも作品が展示されており、
普段は誰もいないバス停や田んぼのあぜ道にたくさんの人がいました。
瀬戸芸全体の来場者数は約107万人、小豆島には約19万人の方がみえたそうです。

私たちはというと、ここ数週間ずっとカフェオープンの準備をしながら
畑作業・野菜出荷といった感じ。
瀬戸芸も、結局小豆島以外の島には足を運べず、
島内の作品も半分くらいしか見れてない……。
本当はもう少し時間を作るべきだったのかもしれないけど、
いまは自分たちの暮らしを作っていくことで手一杯、
そしてそれが楽しくもあるので、そういう時期なのかなと。

カフェのエントランスから差し込む朝陽が毎日ほんとに美しい。

できたてのカウンター。カウンターの側板には、2階で使っていた床板を使用。

というわけで、私たちは小豆島の肥土山という田舎でカフェを開きます。
少し書き方を変えると、自宅の一部をカフェとして開きます。

小豆島に移住する前から、こっちに来たら
自宅を改修してカフェをやろうと決めていました。
美味しいコーヒーが飲めて、ゆっくり本が読める。
Wi-Fiを使えて、パソコンやiPadなどで仕事ができる。
子どももお絵描きをしたり、庭や畑で遊んだり、大人と一緒に過ごせる。
そんな場所を作りたいなと。

塗装完了した本棚。ここに建築や住まいに関する本、移住に関する本などを並べていきます。マンガも!

自宅のすぐ隣にある畑。ここでお野菜を収穫することもできます。

縁側に面する庭。季節のいい時期は、ここにテーブルを出して景色を楽しみながらお茶できるようにしたい。

カフェのエントランスからの風景。手前に柿の木、奥に肥土山の集落を眺めることができます。

そして、その場所で、自分たちが育てた野菜を使った料理をお出ししたい。
ついでに、採れたてのお野菜たちや自分たちで作った商品も販売できれば。

自分たちが育てた野菜で作った「自給率100%サラダ」2013秋バージョン。

爽やかで飲みやすい小豆島オリジナルブレンドコーヒーを名古屋郊外の「松本珈琲工房」さんと作りました。

とにかく人が集える場所を作りたいと思った。
だから、カフェをやりたいというより、
カフェはその結果としてのかたちなのかもしれない。

アサダワタルさんの『住み開き:家から始めるコミュニティ』という本に、

自宅の一部を、カフェだったり、図書館だったり、
ママたちの習いごとの場だったり、何かのワークショップをする場だったり、
そんなふうにして、人が集まる場として外に開くこと。
完全にパブリックな場とも違った、小さな公共。

とあるのですが、まさに私たちがやろうとしていることは
この「住み開き」なのかもしれません。
自宅の一部をカフェとして住み開く。
そこに美味しいものと、心地良い時間がある感じ。

厨房のすぐ隣が自宅リビング。子どもと近い距離で働きたい。

「かまど」は壊さずに残しました。ここでご飯を炊いたりできるかな。

厨房の設置には思ったより時間がかかりました。まだこれから棚などを取り付けます。

そしてここで、地域のおっちゃんたちとWebの勉強会をしたり、
旅行者と写真のワークショップをしたり、
友人たちといろいろな話をしたりして、
さまざまなコトが起きるといいなと思っています。

大工工事は終わり、厨房もやっと始動。
正式オープンはもう少し先になりそうですが、
クリスマス前には皆さまをお迎えできるかたちがなんとかできそうです。
小豆島ひとやまの農家カフェ「HOMEMAKERS」で、皆さまをお待ちしております。

柿の木の下を歩いて、石垣の手前を右に入ると「HOMEMAKERS」があります。

自宅前の道沿いは、みかんやイチジク、柿、サクランボなど果樹が豊か。

肥土山地区では11月23日(土)まで「わらアート」や「小豆島の顔」を展示しています。HOMEMAKERSから肥土山の集落をのんびり歩いて15分です。

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