連載
posted:2013.10.21 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/
秋祭りが終わり、一気に冷え込んだ小豆島。
いろんな人から「お祭りが終わったら寒くなるよ」と聞いていたけど、
びっくりするくらいその通り。
ストーブ出さねば……、寒い。
私たちは去年の10月末に小豆島に引越してきたので、秋祭りは初めての経験。
10月に入り、公民館などで子どもたちの太鼓の練習が始まり、
役場には大きな太鼓台が飾られ、
幼稚園でも太鼓台めぐり(小さな太鼓台を押しながら地元をまわる行事)が行われ、
島全体がお祭りムードに。
そして今年はたくちゃん(夫)も太鼓の舁き(かき)手として参加することに。
そもそも、太鼓台って何? 太鼓を舁く(かく)ってどういう意味?
いままでお祭りにほとんど興味がなく、
地元の花火大会くらいにしか行ったことがない私としては、想像できないことだらけ。
祭りが終わってようやく少しずつわかってきたので、簡単に説明すると、
「小豆島秋祭り太鼓台奉納」は、豊作を感謝する秋のお祭り。
小豆島にある各八幡神社で行われ、各地区ごとに重さ1トンほどもある
太鼓台と呼ばれる山車を約100人ほどで担ぐ。
太鼓台の真ん中には太鼓があって、
乗り子として選ばれた子どもたちがそこで太鼓を叩く。
どうやらこのスタイルのお祭りは、瀬戸内海沿岸を中心に西日本一帯で見られるそうな。
祭りは数日にかけて行われます。
私たちの暮らす肥土山(ひとやま)では、
太鼓台を押して地元をまわる宵祭りがまずあり、その翌日が本番。
宵祭りの日は、暑いくらいの秋晴れ。
肥土山の集落の中を太鼓台がめぐり、皆家から出てきて、その姿を楽しみます。
祭り当日は、台風の影響であいにくの雨。
雨の中、村の男衆たちが富丘八幡神社まで太鼓台を押して行きます。
そしていよいよ祭りスタート。
各地区の太鼓台が順番に登場します。
大きな太鼓台を「えいしゃーしゃーげー」と舁く男の人たち、
その上で一生懸命太鼓を叩く子ども。
間近でその姿を見ていて、ほんとに涙がでてきそうになりました。
「祭り」ってこういうものなんだなと。
そしてとにかくかっこ良かった。
男の人の男らしい姿というのは、こうもカッコイイものなんだなぁと。
自分が暮らしている場所のお祭り。
自分がよく知ってる人たちが主役のお祭り。
自分たちで準備し、楽しむお祭り。
だからこそ、こんなふうに感動し、嬉しくもあるんだろうなと思う。
きっとこれくらいの規模のお祭りがちょうどいいんだと思う。
こんな素晴らしいお祭りがある小豆島。
ここで暮らせることは幸せであり、誇りだなと感じた秋祭りでした。
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