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心震える小豆島の秋祭り

小豆島日記
vol.028

posted:2013.10.21   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer's profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/

自分たちが主役のお祭り。

秋祭りが終わり、一気に冷え込んだ小豆島。
いろんな人から「お祭りが終わったら寒くなるよ」と聞いていたけど、
びっくりするくらいその通り。
ストーブ出さねば……、寒い。

私たちは去年の10月末に小豆島に引越してきたので、秋祭りは初めての経験。
10月に入り、公民館などで子どもたちの太鼓の練習が始まり、
役場には大きな太鼓台が飾られ、
幼稚園でも太鼓台めぐり(小さな太鼓台を押しながら地元をまわる行事)が行われ、
島全体がお祭りムードに。
そして今年はたくちゃん(夫)も太鼓の舁き(かき)手として参加することに。

肥土山離宮八幡神社で秋祭りの準備。肥土山の神輿を担ぐ方々の法被。

田んぼの中を太鼓台が進んでいきます。

そもそも、太鼓台って何? 太鼓を舁く(かく)ってどういう意味?
いままでお祭りにほとんど興味がなく、
地元の花火大会くらいにしか行ったことがない私としては、想像できないことだらけ。

祭りが終わってようやく少しずつわかってきたので、簡単に説明すると、
「小豆島秋祭り太鼓台奉納」は、豊作を感謝する秋のお祭り。
小豆島にある各八幡神社で行われ、各地区ごとに重さ1トンほどもある
太鼓台と呼ばれる山車を約100人ほどで担ぐ。
太鼓台の真ん中には太鼓があって、
乗り子として選ばれた子どもたちがそこで太鼓を叩く。
どうやらこのスタイルのお祭りは、瀬戸内海沿岸を中心に西日本一帯で見られるそうな。

祭りは数日にかけて行われます。
私たちの暮らす肥土山(ひとやま)では、
太鼓台を押して地元をまわる宵祭りがまずあり、その翌日が本番。

宵祭りの日は、暑いくらいの秋晴れ。
肥土山の集落の中を太鼓台がめぐり、皆家から出てきて、その姿を楽しみます。

乗り子の女の子たち。子どもの数が減り、女の子も太鼓を叩くようになったそう。

秋空に映えわたる赤いふとん太鼓。

宵祭り。肥土山の集落の中を巡ります。

「えいしゃーしゃーげ」の掛け声にあわせて、乗り子さんたちが太鼓を叩く。

祭り当日は、台風の影響であいにくの雨。
雨の中、村の男衆たちが富丘八幡神社まで太鼓台を押して行きます。

富丘八幡神社の鳥居を太鼓台が次々と通っていきます。

富丘八幡神社ののぼり。のぼりが立つと一気にテンションが上がる。

1年に1度この日のための石垣造りの桟敷。簡易の小屋を建てて、お弁当を食べながら太鼓を見物。

そしていよいよ祭りスタート。
各地区の太鼓台が順番に登場します。
大きな太鼓台を「えいしゃーしゃーげー」と舁く男の人たち、
その上で一生懸命太鼓を叩く子ども。
間近でその姿を見ていて、ほんとに涙がでてきそうになりました。
「祭り」ってこういうものなんだなと。

そしてとにかくかっこ良かった。
男の人の男らしい姿というのは、こうもカッコイイものなんだなぁと。

とにかくすごい迫力で、すごいカッコイイ。

太鼓台の丸太を持ち上げる力強い手。

子どもたちも大人と同じ法被を着て。数年後には一緒に太鼓を舁くのかな。

自分が暮らしている場所のお祭り。
自分がよく知ってる人たちが主役のお祭り。
自分たちで準備し、楽しむお祭り。

だからこそ、こんなふうに感動し、嬉しくもあるんだろうなと思う。
きっとこれくらいの規模のお祭りがちょうどいいんだと思う。

富岡八幡神社に集まった各地区の太鼓台。

地元肥土山地区の太鼓台。やっぱり自分のとこが一番かっこいい! と思うわけで(笑)。

約1トンの太鼓台を100人近くで持ち上げる。すごいパワーだ。

こんな素晴らしいお祭りがある小豆島。
ここで暮らせることは幸せであり、誇りだなと感じた秋祭りでした。

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