連載
posted:2013.10.14 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/
秋です!
小豆島で暮らしていると、柿や栗、ザクロなどの果実や、
コスモス、彼岸花などの花が季節をよく感じさせてくれる。
10月に入り秋の気配が一層深まるかと思いきや、まだ少し暑い日が続いています。
瀬戸内国際芸術祭2013(以下、瀬戸芸)の秋会期が始まり、
ここ肥土山(ひとやま)地区には新しいアートが加わりました。
武蔵野美術大学わらアートチームによる「わらアート」です。
高さ3メートルの恐竜「トリケラトプス」と、高さ4.3メートルの「マウンテンゴリラ」。
いずれも収穫後の稲わらを使って制作された巨大なオブジェ。
私は、周辺の田園風景も含めた「わらアート」という作品が大好きです。
この作品は、肥土山の苗手(のうて)地区という場所にあります。
実は、島内で一番広い田園。
広いと行っても、小豆島を出ればこれくらいの広さの田んぼは山ほどあるだろうけど。
この山間にある田園の風景は本当に美しい。
瀬戸芸の駐車場に車を停めて、東のほうに歩いて行くと、
前方、両サイドを山に囲まれ、目の前には田んぼが広がる。
そしてその向こうに、肥土山農村歌舞伎舞台の建物が見える。
歩いていくと、ふたつのわらアートがぽこっとぽこっと順番に見えてきて、
わぁという気持ちになる。
そして、その途中で地元の顔見知りのおっちゃんたちが店を開いていたりする。
小豆島肥土山産のお素麺や、焼き芋、ポン菓子、蜂蜜などを販売。
謎の「おもしろスイッチ」なんかもあって、思わず笑ってしまった。
もう少しいまっぽい感じにすれば、もっと売れるような気がするんだけど、
あえてこういう地元っぽい雰囲気のほうがいいのかなと思いながら。
ちなみに商品ポップの制作を依頼されたので、現在製作中です。
肥土山にお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただければと思います(笑)。
駐車場から10分も歩けば、肥土山農村歌舞伎の舞台に到着。
瀬戸芸のわらアートを見に来たついでにぜひ寄って欲しい場所。
舞台に向かってなだらかな桟敷があり、ちょっと座って休憩など。
実は、前回の記事でご紹介した「小豆島の顔」の肥土山会場はここです。
ここから折り返し。
夕陽に向かって西に歩いて帰る。
これまた美しい景色。
ここは、360度すべての景色が美しいんだなぁとしみじみ。
夕暮れの田園を、自転車に乗った娘と犬を連れて散歩。
(毎日こんな優雅な散歩をしてるわけじゃないです、笑)
あえて時間を作って、自分の暮らす場所を味わうことも大事だなと感じた日でした。
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