連載
posted:2013.9.2 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/
8月末の雨によって、嘘みたいに気候が変わってしまった。
暑くて暑くてひぃひぃ言っていた夏がどこかに行ってしまい、
小豆島はすっかり秋の気配。
あちこちの田んぼで稲刈りが行われています。
先週末で、瀬戸内国際芸術祭2013(以下、瀬戸芸)の夏会期も終わりました。
ほっとひと息かと思いきや、すでに10月5日からの秋会期の準備が始まっています。
肥土山(ひとやま)では、秋会期から武蔵野美術大学わらアートチームによる
巨大な「わらアート」が登場。
収穫の終わった稲わらを素材に、巨大オブジェが制作され、
刈り入れ後の田んぼに展示されます。
肥土山の美しい風景の中に展示される、とても楽しみな作品のひとつです。
そして、私たちもこの秋に向けて「小豆島の顔」というプロジェクトを進行中。
「小豆島の顔」は、小豆島で暮らすおっちゃん、おばちゃんたちのお顔の写真を撮影し、
その写真を小豆島の風景の中に展示するプロジェクト。
写真家のMOTOKOさん、「小豆島カタチラボ」というプロジェクトを展開している
大阪のgraf(グラフ)さん、島の友人たちと一緒に進めています。
MOTOKOさんのことは、ある雑誌の記事で知りました。
ただ写真を撮るだけじゃなく、写真を通して社会的な活動をしている写真家。
すごくカッコイイなと思い、Facebookで友だち申請。
そしてそのMOTOKOさんが瀬戸芸の関連で小豆島に来ることを知り、
これは会いたい! と連絡をとったのが始まりで、いろんなことが動き始めました。
実はこのコロカルでの連載も、MOTOKOさんがつながりを作ってくださったもの。
そんなご縁で始まった「小豆島の顔」プロジェクト。
今年に入ってから何度か打ち合わせを行い、7月から本格的に撮影スタート。
醤油蔵が建ち並ぶ馬木(うまき)地区と、田園が広がる肥土山地区を拠点に、
両地区で暮らす合計225人のおっちゃん、おばちゃんのお顔を撮影しました。
肥土山では、事前に日時を決めておいて、公民館や集会所などに集まっていただき撮影。
お茶を飲みながら、ちょっとしたサロンみたいな雰囲気で。
わいわいといろんな話をする中で、
「この写真を遺影にするわー(笑)」
と、半分本気で話すおばちゃんもいるほど。
地元の人と一緒に何かをする。
そうやって簡単に書いてしまえるけど、
実はそれはいくつもの段階を経てやっと実現できるもの。
今回も、何度も自治会長さんなどと打ち合わせを重ね、
なんとか225人の撮影をすることができました。
10月からの展示に向けて、ここから1か月間は展示の準備。
展示場所の視察に行ったり、具体的な展示方法をgrafの服部滋樹さんと相談したりして、
少しずつかたちが見えてきました。
「小豆島の顔」は、2013年10月5日~11月4日までの30日間、
馬木・肥土山の両地区で展示予定です。
瀬戸芸秋会期と合わせて、小豆島に遊びに来ていただけると嬉しいです。
information
小豆島の顔
2013年10月5日〜11月4日
馬木・肥土山地区にて展示
https://www.facebook.com/shodoshimakao
http://shodoshima-kao.tumblr.com/
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