連載
posted:2013.8.12 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer's profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が異様に強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HomeMakers」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、カフェ、民宿をオープンすべく築120年の農村民家を改装中。
http://homemakers.jp/
先週水曜の朝、島の友人から、
「今日の夜すごい人たちが来るらしいから、坂手に行かない?」
と電話がかかってきた。
何やら、森美術館の館長さんなどが来るらしい。
調べてみると、わぉ! ほんとにすごい。
「小豆島で、海とアートとテクノロジーについて語る」
と題した飲み会&トークイベント。
Creator In Residence「ei」で滞在制作している
クリエイティブユニット「ovaqe」の松倉早星さんと、
「醤の郷+坂手港プロジェクト」の一環「未来の学校」プロジェクトを展開する
「ロフトワーク」の林 千晶さんが企画。
そして、スペシャルゲストがほんとにスペシャル!
伊藤穰一さん(MITメディアラボ所長)
南條史生さん(森美術館館長)
松山大耕さん(妙心寺退蔵院副住職)
理屈抜きで行ってみたいと思い、参加することに。
小豆島に引越してきて約10か月。
今年は瀬戸内国際芸術祭2013(以下、瀬戸芸)ということもあり、
本当にいろんな人々に出会います。
瀬戸芸に参加しているアーティスト。
島に取材に来ているライターやカメラマン。
瀬戸芸を見に来ているトラベラー。
とにかく、いままで出会わなかったような人たちに出会う機会がとても多い。
そして、何より距離が近い。
遠くから見たじゃなくて、お話をしたり、一緒にご飯を食べたり、
しっかり時間を共有できる。
この日も、とてもゲストとの距離が近かった。
その近さの中で聞けた刺激的なお話。
今回のトークイベントはテーマの幅が広かったので、
皆さんが自由にお話してくださった。
禅について、アーティストとデザイナーの違いについて、
ゲスト同士の繋がりについてなど。
小豆島で暮らしていて、こんな場に参加できるとは思ってもいなかった。
きっとそのまま名古屋で暮らしていたら、一生出会うことがなかったであろう人たち。
ほんとにワクワクする時間だった。
島は狭く、体験できることも限られている。
外に出なければ、ここでの文化、働き方しか知らずに生きていくことになる。
でも、いまの小豆島はとにかく刺激的で、面白い人たちが外からやって来てくれる。
小豆島にいながら世界に触れることができる。
そういう機会があふれている。
そしてまたとても楽しそうなイベントがあります。
その名も「小豆島建築ミーティング」。
国内の建築家10人ほどが集まって、それぞれの作品やアイディアをプレゼンし、
建築のこれからを考えるイベント。
馬木地区にある瀬戸芸作品「Umaki Camp」で行われます。
地方で暮らしながら、外の文化に触れ、考える機会があること。
島の人と外の人との出会い。
出会うことによって、そのままでは消えてしまうかもしれない
集落や文化、風景が残り続けるかもしれない。
動き出した地方、小豆島はいまこんな感じです。
瀬戸芸の期間も折り返しとなり、残り約50日。
まだまだ盛り上がりそうです。
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