colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧
記事のカテゴリー

連載

相沢猛志さん

PEOPLE
vol.005

posted:2012.7.9  from:茨城県日立市  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  ローカルにはさまざまな人がいます。地域でユニークな活動をしている人。
地元の人気者。新しい働きかたや暮らしかたを編み出した人。そんな人々に会いにいきます。

editor

Colocal

コロカル編集部

credit

collaborated with
「フォトいばらき」

サーフィンから始まる茨城の海の復興

「波の上に立っている時の他にたとえようのない浮遊感と、波との一体感。
自然の偉大さを感じることができ、自然に癒される瞬間でもあるんです」
サーフィンの魅力をこう語ってくれるのは
茨城県日立市でサーフショップ CLUB-Jのオーナーであり、
県内のサーフショップ、サーフィン関連メーカーなどで構成され、
サーフィンの普及、発展を目的に結成された
「茨城サーフィンユニオン」の会長でもある相沢猛志さん。

16歳の時に、知り合いに誘われて初めてサーフィンを体験した瞬間から、
波と一体となるサーフィンの魅力ににとりつかれてしまった相沢さんは
以後「波に乗ることが一番の目的」となる生活が始まる。
22歳の時には、サーフィン修行のためオーストラリアに渡る。
「まったく英語もできないのに辞書をポケットに入れシドニー空港に到着し途方に暮れていると、
日本人のおじさんが声をかけてくれ、
無事目的地サーファーズパラダイスに行くことができました。
オーストラリアでは、昼はサーフィン、夜はジャパニーズレストランで働く日々でした」
無謀ともいえる行動も、とにかくサーフィンがしたいという強い思いに突き動かされてのこと。
その後も、フィリピンのカタンドアネス島、インドネシアのバリ島にロンボク島、
フィジーのタバルア島、モルジブ、ハワイと、
サーフィン通の人たちに最高の波を味わえる場所として知られる各地を訪れている。

そんな相沢さんも、生まれ故郷であり初めてサーフィンの魅力を教えてくれた
茨城の海には特別な愛着を持っていた。
きれいな海と変化に富んだ海岸線を持ち、輝く茨城の海。
この地で、多くの人にサーフィンの魅力を知ってもらいたいとショップをオープンし
「茨城サーフィンユニオン」の会長としての役職をこなしながら、
サーフィンの普及に力を注いでいる。
「より多くの人にサーフィンの楽しさを知ってもらいたい、という思いがあります。
そしてレベルにかかわらず、サーフィン好きな人が集まるお店にしたいと思います」

しかし、東日本大震災が発生した2011年3月11日から
相沢さんと海を取り巻く状況は一変してしまう。
海に近づく人たちは減少し、海の輝きも失われてしまった。
「もうサーフィンはできないかも」。こんな思いさえ頭に浮かんだという。
だが、茨城の海とサーフィンを愛する
相沢さんと中心とする「茨城サーフィンユニオン」の人たちは、すぐに行動を起こした。
「いま何かをしなければならない。海とサーフィンを愛する我々だからできる何かがあるはずだ」
と、海の復興と被災地救援チャリティーを開催。多くのサーファーから義援金を預かった。
そして、放射線測定器を購入し波打ち際の砂浜の放射線濃度を測定。
ホームページで測定値を公開し、海の安全性を告知している。

東日本大震災から1年以上が過ぎた現在、少しずつではあるが海には人が戻ってきている。
しかし、さまざまな風評によって以前の輝きを完全に取り戻すことはできていない。
「茨城県と大洗町からの要請もあって、7月に
『復興祈念特別大会 元気いばらき! サーフィンフェスティバル in 大洗』を開催します。
この大会を行うことによって、茨城の海のきれいさ、サーファーの元気さをアピールし、
海の復興につなげていこうと思います」
昨年は一部中止となった「茨城サーフィンユニオン」が主催するサーフィン大会も
今年は全シリーズを開催予定。
海の復興という新たな使命感を胸に秘めながら、サーフィン大会の開催にも力が入っている。

「茨城サーフィンユニオン」の会長となって3年。
「これからも、個性の強いサーフショップオーナーさんたちの
いろいろな意見を聞きながら団結していきたいです。
そして、茨城サーフィンユニオン設立当時からの目的である、サーフィンを通じての地域活性化、
自然環境保護と改善、サーフィン選手の育成を進めて行こうと考えています。
また、私たちは8年前からジュニアサーフィンスクールも開催していますが、
第1回目のスクールに参加した生徒が去年プロになりました。さすがにこれはうれしかったです」

相沢さんと「茨城サーフィンユニオン」の海を愛する想いと行動は
一時は輝きを失った茨城の海と人々の心の中に、新たな輝きを取り戻そうとしている。

profile

TAKESHI AIZAWA
相沢猛志

1961年生まれ。茨城サーフィンユニオン会長として、茨城県内のサーフショップ等関連団体のまとめ役を務め、サーフィンの普及活動に携わる。自らもサーフショップ CLUB-Jのオーナーとして、サーフィンスクール開催など、多くの人たちにサーフィンを身近に感じ、楽しんでもらうための取り組みを行っている。
サーフショップ CLUB-J
http://www.geocities.jp/clubjsurfsnow/
茨城サーフィンユニオン
http://www.isurf.jp/

Feature  これまでの注目&特集記事

    Tags  この記事のタグ