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連載

高久智基さん

PEOPLE
vol.002

posted:2012.1.11  from:北海道虻田郡ニセコ町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  ローカルにはさまざまな人がいます。地域でユニークな活動をしている人。
地元の人気者。新しい働きかたや暮らしかたを編み出した人。そんな人々に会いにいきます。

writer profile

Satoko Nakano
仲野聡子

なかの・さとこ●ライター。鳥取県生まれ。東京在住。「日常」を構成する人・コト・モノに興味を持ち、それにまつわるインタビューを主に生業としている。

credit

撮影:渡邊有紀

自然環境と自分の生活が結びつく場所・ニセコへ移住。

生まれ育った神奈川県藤沢市から、北海道ニセコ町へ移り住んだ
プロスノーボーダーの高久智基さん。
モンゴル最高峰の登頂滑降をはじめ、シベリアやアラスカなど
海外のビッグマウンテンを経験してきた彼が、たどり着いたのがニセコだった。
「世界的に見てもニセコのパウダースノーの質はかなり高い。
ヨーロッパやアラスカのように急な斜面は少ないですが、その分山麓部まで深い雪があるので
スノーボードを日々楽しむ上ではとてもいい場所なんです」
今でもシーズンになると海外で滑ったり、
国内各地の山でイベントや冬山ガイドの仕事をしたりと、
多忙を極める高久さんだが、ニセコを拠点にしてよかったと話す。
「ニセコのシーズンは、11月の終わりから4月の終わりくらいまで。
その間は、冬山ガイドの仕事をしています。ニセコの自然環境や観光資源は素晴らしい。
その地の利を活かして、冬だけではなく夏もアクティビティを楽しんでもらえるよう
自転車コースを製作中です。
スノーボードも自転車も自然からの恩恵を受けて遊ぶもの。
だから、喜びとともに怪我などのリスクも各自が受け入れる自己責任の意識が広まればと」

「POWDER COMPANY」事務所。敷地内に自転車コースを設けている。

2012年以降、300mほどの自転車コースを無料開放する予定。

高久さんは冬山ガイドとして、ユーザーが安全に雪山を楽しむための活動をしている。
そのときに伝えているのは「ルールを守る」ことと「自分の身は自分で守る」こと。
「スキー場のリフトで登ってしまえば、ゲレンデからたいがいのバックカントリーに行けます。
でも、スキー場内のルールは守らなければなりません」
なぜなら、スキー場はエキスパートだけの場所ではなく、
日々多くの「初めての人」が訪れるパブリックな施設ですから。
例えば、経験の少ない人が真似をしないよう、立ち入り禁止のロープをくぐらない。
そして、管理されていないところで起こる立ち木への激突などは自身で気をつける。

「その認識は、みんなで作り上げることが大切。これだけの人が何を目的にニセコを訪れ、
そこに伴うリスクは何なのかということを、事業者にもユーザーにも落とし込みたいんです」
シーズンになると朝7時半前から、前日と当日の雪山のコンディションを照らし合わせる。
そして高久さんの所感とガイド全員の所感、天気予報も交えてその日の予測を立てる。
「今日はこういう範囲で行こう」という判断も、ガイドの大切な仕事だ。
「シーズン中はほとんどフィールドにいます。
アンヌプリスキー場内の事務所にもたくさん人が来ますしね。
もちろん自分も滑りを楽しみながらの仕事ですから、四六時中ウェアは着たままです(笑)」
ニセコに訪れる人が、ニセコのアウトドアを楽しみ、この地を好きになってくれたらうれしい。
道外から移り住むほどニセコを愛した高久さんだからこそ、その思いは深いのである。

ペンション&喫茶店だった物件を買い、自宅に。冬の間は友人が飲食店を開く。

高久さんのスノーボード写真の手前に、ニセコのバックカントリーマップ。

Profile

TOMOKI TAKAKU 
高久智基

1972年生まれ。バックカントリーを中心に活躍するプロスノーボーダー。海外ビックマウンテンでの滑走経験多数。アラスカ急斜面や、氷河キャンプなどにて撮影を行い数多くの映像を発表する。ニセコ町の冬山ガイド集団「POWDER COMPANY」代表。ライディングクリニックやツアーを通じ、ゲストのスキル向上を図るとともに、安全で楽しいスノーボードを提唱している。http://www.powcom.net/

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