連載
〈 この連載・企画は… 〉
パリの大学院で学ぶルイスさんが日本へ帰ってきました。
ゲストを迎えて出かけるのは、1泊2日の小さな旅。
地元の人との出会い、友人との語らいを通して、各地に息づく暮らしや風景に触れていきます。

writer profile
Sho Kasahara
夏休みに日本へやってきたパリの大学院生ルイスさん。今回は、InstagramやTikTokで活躍するジェセさんを旅の相棒に、1泊2日で長崎の離島、壱岐島へ!
Day2
09:00 平山旅館
10:00 辰ノ島
13:00 双六古墳
14:00 壱岐市立一支国博物館
15:00 原の辻遺跡
朝は、和の朝食でスタート。まず目を引くのは、色鮮やかに盛り付けられたサラダ。自家農園で朝摘みされた旬の野菜は、甘みが強く、朝からたっぷりいただけます。ボリューム満点の朝食には、壱州豆腐や壱岐納豆、干物、など島の恵みがふんだんに使われています。昨夜の会食同様、量が多めなのは「お腹いっぱい食べてほしい」という女将・真希子さんの優しさから。
実は前日のディナー中に、「残ったお刺身は、朝食で漬け丼にできますよ」とそっと教えてもらっていた2人。朝からこんな贅沢なひとときを楽しめるなんて、と楽しんでいました。

朝からこのボリューム!平山旅館の心づくしのサービスに元気が湧きます。朝採り卵と特製の燻製醤油で、卵かけご飯に。

壱岐名物「壱州豆腐」。大豆の使用量が多く、濃厚で自然な甘みが特徴。平山旅館自家製の甘い「壱岐ゆべし」と一緒にどうぞ。

前夜の刺身が漬け丼に変身。女将の心遣いがうれしい、島ならではの朝のごちそう。
information
奥壱岐の千年湯 平山旅館
住所:長崎県壱岐市勝本町立石西触77番地
TEL:0920-43-0016
朝食を終えた2人が向かったのは、勝本港から船で約10分の無人島「辰ノ島」。国定公園にも指定される自然豊かな島で、上陸すると目の前に広がるのは、宝石のように透き通ったエメラルドグリーンの海。
北へ進むと、高さ約60mの断崖絶壁「蛇ケ谷」や、神秘的な洞窟「羽奈毛崎」「鬼の足跡」など、探検気分を味わえるスポットも。
実は、長崎県全体の約6割にあたる280基以上の古墳が点在している壱岐島。中でも前方後円墳として島内最大級の「双六古墳」へ。
標高100mほどの丘陵に築かれた巨大古墳は、全長91m、後円部の直径43m、高さ10m。石室からは当時の副葬品も発見されており、古代から大陸との交流があったことを物語っています。

国の重要文化財・考古資料に指定されている「双六古墳」。
続いて2人が訪れたのは、壱岐の歴史を深く知ることができる「壱岐市立一支国(いきこく)博物館」です。壱岐は弥生時代、「一支国」と呼ばれ、中国の歴史書『魏志倭人伝』にも登場する重要な地。長崎県内で確認された遺跡のうち、約13%が壱岐から発見されているといいます。
館内では、古代の交易や生活、神話や祭りなど、島の文化を多角的に紹介。「なりきりコーナー」では、弥生時代の衣装を体験でき、ルイスさんとジェセさんも実際に着用。2人ともすっかりなりきって楽しんでいました。

古代の衣装を身にまとい、すっかり弥生人になりきる2人。
旅の最後に訪れたのは、「原の辻遺跡(はるのつじいせき)」。ここは弥生時代の国「一支国」の王都とされ、国の特別史跡にも指定される重要な遺跡です。
広大な敷地に高床式の建物が復元され、まるで2,000年前の時代へタイムスリップしたような気分に。
「原の辻遺跡」は、古代の人々の生活や文化を肌で感じられる貴重なスポット。ルイスさんとジェセさんにとっても、壱岐の歴史を体感する旅の締めくくりにふさわしい場所となりました。

弥生時代〜古墳時代の初めにかけて形成された多重環濠集落。約1km四方に広がっている。
information
原の辻遺跡
住所:長崎県壱岐市芦辺町深江鶴亀触1092−1
TEL:0920-45-2065
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