連載
posted:2021.8.31 from:福岡県糸島市 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
田舎へ移住を考えている人、すでに移住した人。
そんな方の、暮らしの参考やアイデアになるはずです。農業、狩猟、人とのつながり、四季のこと。
福岡県糸島で自給自足生活を営む〈いとしまシェアハウス〉の暮らしをお届けします。
writer profile
CHIHARU HATAKEYAMA
畠山千春
はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。
ブログ:ちはるの森
こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。
この数年、我が家では自然災害による避難が増えています。
初めて避難したのは、以前コロカルの記事に書いた2018年。
それまで避難なんてしたことがなかったのに、
そこからは毎年、年によっては2回も避難しなければならないときもありました。
地球温暖化による気候変動、といってもピンとくる人は少ないかもしれませんが、
里山に住んでいると、暮らしのすぐそばに迫る異常気象の影響を肌で感じます。
この3~4年、糸島でも異常な雨や台風が続いています。
過去最大級といわれた2020年の台風10号は、九州全体が暴風域になると予想され、
普通の家でも「屋根が吹き飛ぶほどの威力」と報道されていました。
我が家も、築80年以上の古民家に残るのは命が危ないと判断し、福岡市内のホテルまで避難。
翌朝ハラハラしながら帰宅し、
なんとか無事な姿で残ってくれている我が家にひと安心したのでした。
そして今年8月のお盆は、まるで梅雨のように毎日、雨、雨、雨。
外が真っ白になるほどの大雨に、古民家の我が家はついに雨漏りが始まりました。
そして、やはり今年も避難指示が発令。
雨漏り対策として家のあちこちにタライやバケツを設置し、
カビ対策のために扇風機をマックスにしてから避難しました。
無事に帰ってはこれたのですが、山の土砂が川に流れ出すので、田んぼが心配です。
田んぼに砂が入ると稲に栄養が送られなくなり、お米の育ちに影響するからです。
ちなみに、昨年の7月は月間降水量が平均比の222%と、
観測史上最高値になったといわれています。
この長雨の影響で、米の収穫量は普段の半分になってしまいました。
我が家だけではありません。集落のみんなが同じような状況です。
今年は、なんとか耐えてくれるだろうか……。
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気象庁によると、日本は極端な大雨が増大する傾向にあり、
雨量は過去30年で約10%増加しているといわれています。
これら大雨の原因のひとつといわれるのが、CO2排出量の増加による地球温暖化です。
気温上昇の影響で海水が蒸発し、大気中の水蒸気が増加。
それが降水量の増加につながり、近年の豪雨を引き起こすのではと予測されています。
最近「50年に一度といわれる大雨、多すぎない⁉」と思っていたのですが、
実は温暖化の影響で「50年に一度規模の大雨」の発生確率が
今では約1.5〜3.3倍まで上昇しているそうです(国立環境研究所のシミュレーションより)。
これらのデータを見てみても、ここ数年の私の実感としても、
環境破壊によって起こる災害は、もはや遠い国の出来事ではありません。
私たちのすぐ近くで起こっていることです。
「地球温暖化」というと、とても大きな問題のように見えますが、
ひとりひとりが行動を変えれば、大きな変化につながっていくはず。
この集落や今の暮らしを守るためにも、環境に負荷をかけない暮らしを
もっと広めていきたいと強く思いました。
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7~10月は台風や豪雨のシーズン。
防災対策として、エコ活動として、小さな「おうち発電」を始めてみませんか。
我が家では、アウトドアでも使える“発電系”の防災グッズを普段から活用しています。
というのも、家庭におけるCO2排出量の約半分は「電力」といわれているからです。
自家発電はCO2排出量削減・地球温暖化防止につながり、
さらに防災対策もできて一石二鳥なアプローチなのです。
まずは自分のスマホのエネルギー自給からでも、始めるきっかけになったらうれしいです。
それでは、我が家の発電&防災グッズを紹介しますね。
1日太陽光に当てていれば、スマホの充電はばっちり。
私のは5年くらい前に買ったものですが、最新式は
スマホを3台同時に充電できるパネルでも10000円前後とお手頃かつ、
以前より軽くなって高効率。すごいなー!
我が家の太陽光発電からもスムーズに充電できる、防水対応のUSB充電式ヘッドライト。
LEDライトなら少量のエネルギーでかなり明るい光になります。
両手が空くので作業にもぴったり。日頃から愛用しています。価格は2500円程。
電話、メール、インターネット、カメラ、ラジオ、ライト……
さまざまな機能がひとつにまとまったスマホ。
非常用にあれこれ用意するよりも、スマホ1台きちんと使える状態にしておくと安心です。
雨に濡れても大丈夫な防水ケースは必需品。
水に浮く防水ケースなら、水中に落とすことがあっても安心。価格は2000円程度。
日頃から愛用している防水ケースがこちら。価格は2000円程度。
手に持つとちょっとゴツいので、多少の使いづらさはありますが、もうこれなしでは田舎暮らしできない!
空気を入れて膨らませるので、収納は省スペース。
ライトとしてもなかなかおしゃれなので、庭でのバーベキューや、
ピザパーティーのときなどに活用しています。
太陽光発電のみのランタンは軽くて丈夫だけど充電に時間がかかるので、
すぐに使いたい人はUSB充電が一緒になっているもののほうが便利かも。
価格は両方とも3000円前後といったところ。
充電コード、ソーラーパネル、LEDライトつきで、最大4台同時に充電可能。
ワイヤレス充電にも対応しており、価格帯は3000~4000円強。
バッテリー容量もたっぷりで、iPhoneなら7〜12回ほど充電できます。
搭載されているソーラーパネルでの充電もできるけど、あくまで非常用かな? という感じです。
LEDライトもついて、防塵防水。非常時のモバイルバッテリーとしてはかなり優秀!
我が家では日中太陽光で自家発電した電気をこちらにため、スマホやPCの充電に充てています。
使ってみると、スマホを置くだけのワイヤレス充電が手軽ですっごく便利!
軽くて持ち運びも簡単だし、LEDライトもついているので非常用にもばっちり。
お値段も30000円内と、ほかのメーカーに比べて安いので、おすすめです。
ひとつひとつ揃えるのが大変! という方に便利なのが、
防災士が監修した、防災グッズ33点入りのリュック。お家にひとつあると安心です。
価格帯は4000円弱といったところ。
今回新たに調べてみると、今使っているものよりも
多機能なアイテムがたくさん出ていて驚きました。
防災グッズも、発電グッズも、日々進化しているので、
我が家でもあらためて防災アイテムのアップデートをしていこうと思います。
そして、この記事を書いている最中も、糸島はまだまだ雨が続いています。
土砂災害は、雨がたっぷり降ったあとに発生することもあるので、まだまだ気が抜けません。
今年はもう、避難したくないぞーーーー!!!
無事に切り抜けられますように。
みなさまもどうかお気をつけてお過ごしくださいね。
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