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ポップな海苔ブランドを
手がける漁師
スケートランプがある家

わが家が楽しすぎる! BESS × colocal
vol.017

posted:2022.10.25   from:三重県四日市市  genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築

sponsored by BESS

〈 この連載・企画は… 〉  ライフスタイルの基本は、やはり「家」。
ログハウスなど木の家を得意とする住宅ブランド〈BESS〉とともに、
わが家に好きなものをつめこんで、
最大限に暮らしをおもしろがっている人たちをご紹介します。

writer profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

photographer

Daisuke Ishizaka

石阪大輔(HATOS)

暮らしの真ん中に、階段

三重県四日市市に、〈BESS〉の「ワンダーデバイス」モデルを
10年前に建てた矢田さん一家。新一郎さん、美保子さん、
そしてふたりのお子さんと暮らしている。
家の前まで行くと、
駐車場にはカスタムされた古い〈NISSAN〉テラノと〈ルノー〉カングーが並び、
その横には小さなスケートボードのセクションが鎮座。
どうやらモノにこだわりがあり、暮らしを楽しんでいる様子が窺える。

リラックスできるソファでくつろぐ新一郎さんと美保子さん。

リラックスできるソファでくつろぐ新一郎さんと美保子さん。

家を建てるとき、BESSのワンダーデバイスをすぐに気に入ったという新一郎さん。
その理由は
「1階の部屋の真ん中に階段があり、区切られていないユニークなつくり」だという。
(※現行モデルでは階段の位置は異なります)

「部屋の真ん中にあると頭もぶつけるし、邪魔でもありますが、
なんとなく仕切られているのがいいですね」

部屋の真ん中にある階段が「ゆるい」仕切りとなる。

部屋の真ん中にある階段が「ゆるい」仕切りとなる。

この「なんとなく」が、実は重要。
矢田家では、ダイニングキッチンとリビングのようにふわっと分かれている。
壁などできっちりと部屋に分けられていると狭く感じ、一方で何もないと落ち着かない。
ゆるりとしたつながりをもたせている。

「2階に子供部屋があるので、自分の部屋に上がるときに必ずここを通ることになります。
そこで顔を合わせます」

生活動線を家の中心に置くと、家族の様子がよくわかる。
お互いの息遣いを感じられる家だ。

2階の子供部屋は、ひと部屋を上部が開いている間仕切りで分けた。

2階の子供部屋は、ひと部屋を上部が開いている間仕切りで分けた。

引越し当初、子どもたちに木で囲われたBESSの家は好評だった。
それは自分の子どもたちだけではないようで……。

「息子の友だちが毎日のように遊びにきていたんですよ。
それも階段の周りを走り回る。そして元気にウッドデッキに飛び出していく。
鬼ごっこ系がやばかったですね(笑)」

これもひらけた空間があるからこそ。
自分たちのリラックスする居場所がなくなってしまったが、
「楽しんでもらえている」と受け入れていた。
子どもの居心地はよかったということである。

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自作のスケートランプとは?

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好きなものであふれる暮らし

新一郎さんは自分の趣味でもある、スケートボードのセクションを自作した。
本人は「テーブルとか必需品は失敗したらイヤだけど、
あんなのは自分でつくってみる」というが、直線的なテーブルをつくるより、
スケートランプの曲線をつくるほうがよほど難しいだろう。

学生の頃からやっているというスケートボードは、息子さんと共通の趣味。

学生の頃からやっているというスケートボードは、息子さんと共通の趣味。

「何年か前に息子がスケートボードをやり始めて、
これがあれば上手になるかなと思ってつくり始めたんですけど、
だんだんつくること自体が楽しくなってきてしまって。
つくっているときは、すごく集中していて、楽しかったんですよね。
最初は普通のジャンプランプだけだったんですが、
今年はコンクリートを使うなどどんどん進化させています」

自身も滑ることはあるが、
今は「息子が滑っているのを、
ベンチに座ってビールを飲みながら見ているのがいちばん幸せな時間」だとか。

小屋の左側の屋根部分は、新一郎さんがDIYで増設。

小屋の左側の屋根部分は、新一郎さんがDIYで増設。

家の前にある小さな小屋は、大工さんに建ててもらったものだが、
あとから使い勝手がいいように、自分で屋根を拡張した。
ここは完全に“男の趣味部屋”状態だ。

「子どもが大きくなるにつれて、僕の趣味の荷物が行き場を失って……。
しょうがなく小屋を建ててしまいました」

置いてあるのはスケートボード、漫画、CD、自転車、キャンプギア、
スニーカー(多くが〈VANS〉)に、〈ファイヤーキング〉のコレクションなど。
新一郎さんの好きなものが詰まっている。

こうしたものを捨てられずに、困っているという人も多いことだろう。
断捨離だけが正義ではない。
無理して捨てずに、暮らしを工夫して好きなものに囲まれることも、
新一郎さんにとっては楽しく過ごす術なのだ。

植物は多肉やサボテンが多め。

植物は多肉やサボテンが多め。

小売業から漁師へ転職。働き方を変える。

こうしてさまざまなDIYをしていく理由を、
「日のある時間がもったいないから」という。
実は漁師をしていて、朝は早いが、昼頃には仕事が終わってしまう。

新一郎さんは隣の鈴鹿市出身で、家業は漁業を営んでいる。
自身はずっと家を継いでおらず、ほかの仕事をしていたが、
5年前、漁師になった。

「僕は若い頃、海より山が好きでしたね。
漁師を継ぎたいと思ったことはなくて、
早くまちから出たいという気持ちのほうが強かったです。
そんな自分がまさかこんなことになるなんて思ってもいなかった。不思議ですね」

船に乗る新一郎さん。

船に乗る新一郎さん。

現在は新一郎さん、父、親戚などで漁業を営んでいる。
漁師になろうと思った理由は、働き方にあった。

「以前の仕事が忙しくて、転勤や単身赴任も多く、あまり家にいませんでした。
しかしせっかく家も建てたわけだし、
家にいて腰を据えてできる仕事をしてみたいと思ったんです」

かつては小売業の会社にいた。店頭で販売することもあった。
物の流れの、出口から入口へ。

「人が仕入れたものばかり売っているより、
1次産業で、自分で獲る・つくるという仕事もいいなと」

おもに5〜7月はアサリ、8〜11月はイワシ、12月から海苔の漁だという。
年間を通して、いろいろな種類をとっているので、
どれかがハズれてもなんとか成り立つという。

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かわいい海苔ブランドを味わいたい

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オリジナルの海苔ブランド〈帆もり〉発足

もともと海苔の加工は会社としても行っていた。
生の海苔をかためて平らにするところまでは機械で行う。
当初はそれを問屋さんに卸すだけだったが、
自分たちでブランディングして売り出すことを考えた。
それが〈帆もり〉だ。

海苔の養殖は、海の中に網を設置して海苔の菌を植えつける。
そこから伸びてきたものを刈り取っていく。
大体3か月くらいは刈り取ることができる。
帆もりでは、その一番最初に刈りとった「初摘み海苔」だけを使用。
柔らかく、風味や甘みがあり、あまり市場に出回らないものだという。

ヤキノリ(500円)、アジノリ(500円)、アオサ(350円)などをラインナップ。

ヤキノリ(500円)、アジノリ(500円)、アオサ(350円)などをラインナップ。

主な販路は、知り合いのお店などに卸しているほか、
イベントやマルシェ出店での直接の手売り。月数回は出店しているという。

「僕も、妻も小売業で販売もしていたので、
お客さんと直接やりとりしているのが楽しいんです」

仕入れたものではなく、自分たちでつくったものだから、より愛着もある。
セールストークの熱意も変わってくるだろう。

主に販売を担当しているのは奥さんの美保子さん。
ほかのお店を見たり、隣の出店者と仲良くなったり。そんなやりとりが楽しいという。

「売れた分、ほかのものを買ったり食べたりして、結局売り上げゼロで帰ってきたり。
そんなことが多いです(笑)」(美保子さん)

「もちろん最低限の売り上げは必要ですが、
それよりも自分たちが楽しくやることが重要」と新一郎さんも続ける。

イメージキャラクターとなっているイラストは、美保子さんの友人に描いてもらった。
デザインは、新一郎さんがイラストレーターを駆使して仕上げたものだ。
顔の見える関係ででき上がっている帆もりの海苔。追求するのは収益より楽しさ。
本業のなかに楽しめる可能性を見出した働き方は参考になる。

家も、趣味も、仕事も、どれも義務的にならず、自分たちが楽しめることは何か? 
矢田家は、暮らし全体を楽しんでいる。

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