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連載

目の前の川で釣り糸を垂れ、
せせらぎを聞きながら一杯飲む。
那珂川での川のある暮らし

わが家が楽しすぎる! BESS × colocal
vol.011

posted:2021.9.29   from:福岡県那珂川市  genre:暮らしと移住

sponsored by BESS

〈 この連載・企画は… 〉  ライフスタイルの基本は、やはり「家」。
ログハウスなど木の家を得意とする住宅ブランド〈BESS〉とともに、
わが家に好きなものをつめこんで、
最大限に暮らしをおもしろがっている人たちをご紹介します。

writer profile

Wataru Sato

佐藤渉

さとう・わたる●編集ライター。千葉県生まれ。横浜国立大学卒業後、都内制作会社に勤務。企業広報を中心に年間100件の取材・ライティングを行う。2010年にフリーランス、2011年に東京を出て福岡に着地。以後、福岡を拠点に、企業CIやコンセプト作成、SNS展開などで課題解決を図っている。雑誌での執筆分野は、音楽、酒、旅。

photographer profile

Yuki Katsumura

勝村祐紀

かつむら・ゆうき ●フォトグラファー。山口県出身。東京都内レンタルスタジオにてアシスタント勤務、2011年上野山裕二氏に師事。2013年福岡市に移住、勝村写真事務所設立。福岡を中心とし九州全域、山口、広島にて雑誌、広告、WEB垣根なく精力的に活動中。
勝村写真事務所

コンパクトシティ・福岡ならではの暮らし方

福岡の移住先として人気なのは、糸島半島エリア。
福岡市内から西に30分もドライブすれば、
ビーチリゾートのようなのんびりとした環境が広がっている。

では、山側となると、どこだろうか。
最近、俄然注目を集めているのが、今回紹介する那珂川市だ。

きっかけは、2011年に九州新幹線が開通したこと。
那珂川市にある博多南駅と博多駅間が8分で結ばれ、
福岡市内に通勤する人たちのベッドタウンとして選ばれるようになった。
実際に那珂川市の南端にあたる南畑地区は、その環境の良さに若い移住者が増加中。
手つかずの自然がありながら、都心へも車で40分程度。
個性的なショップやカフェもでき、新たな賑わいをみせている。

今回ご紹介する2家族も、
ここ1年のうちに南畑にBESSの家を建てた30代のファミリー。
目の前を清流が流れ、家にいても川のせせらぎが聞こえる環境のなか、
新しい暮らしを心底楽しんでいた。

那珂川市南畑地区の上空から。眼前には棚田が広がる。

那珂川市南畑地区の上空から。眼前には棚田が広がる。

きっかけは、デートで行ったログハウス

福岡市から車で南下していくと、住宅地から徐々に田畑の広がる風景へと変わっていく。
水遊びスポットとして人気のある中之島公園を抜けて、山あいに差しかかる頃には、
深呼吸したくなるような大自然。
佐賀県へと抜ける県道から一本逸れると、今回の2家族の住む宅地があった。

到着してまず最初に私たちを出迎えてくれたのは、
坂田真一さん、望友(みゆ)さん、真悠(まはる)くん一家。
BESSのログハウス、ホワイトグレーの「G-LOG」が、夏の空に映える。

木造りの温かみと、洗練されたデザインの両立が人気のG-LOG。

木造りの温かみと、洗練されたデザインの両立が人気のG-LOG。

真一さんは福岡市内の出身。市街地で生まれ育ったが、母の実家は佐賀県武雄市。
子どもの頃は、里帰りするたびに、大自然に包まれる環境にワクワクしたという。

「家族を持ったら、田舎暮らしがしたい」

そう思いながらも、勤務地が福岡市内のため、なかなか決断できずにいた。

そんな折、妻の望友さんと一緒に、熊本・小国のあるカフェを訪れた。
そこは、オーナーがセルフビルドしたログハウスのカフェで、ふたりは一目惚れ。
男の子が誕生したこともあって、家探しは一気に加速した。
BESSのLOGWAY(ログウェイ・展示場)に見学に行き、
担当が那珂川の土地を見つけてきてくれて、「ここだ」と即決。

「背後には脊振山、家の目の前は筑紫耶馬渓。こんなすばらしい環境、なかなかない。
子どもの頃に好きだった武雄に似た雰囲気も感じて、迷いなく決めました」

デートで行ったログハウスが忘れられなかったという坂田さん夫妻。ついに念願の我が家を手に入れた。

デートで行ったログハウスが忘れられなかったという坂田さん夫妻。ついに念願の我が家を手に入れた。

一方、望友さんには不安要素が残っていた。
なんせ、宅地といえど当時はまだ畑を切り開いたばかりの土地。
近所に息子と近い世代の子がいるとも思えない。
通学はどうする? いざというときの病院は? 
望友さんは、事前に入念なシミュレーションをすることにした。

「ここでの暮らしが楽しみだったからこそ、
引っ越してから失望しないように準備しようと思って。
病院まで何分、スーパーまではこう行く、幼稚園はここなら良さそう。
そうやって、細かく情報収集していきましたね」

九州は近年、夏の豪雨による水害が増えていることから、川の氾濫なども気になる要素。
だが、実際どうなのかは、インターネットで調べてもなかなかわからない。
望友さんは、現地の人に聞き込みをして確認。
自分のなかで安心材料をひとつずつ集めていった。

市街地から田舎への移住は、生活スタイルの変化を余儀なくされる。
そのため、家族のなかで優先順位をはっきりさせることが大事だ。
坂田さん一家にとっては、まず環境が第一。かといって便利さも、諦めたくはない。
那珂川の環境は、このバランスがちょうど良かったようだ。

こうして、2020年の6月に転居。コロナ禍での新生活が始まった。

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国勢調査員からのうれしかったひと言とは

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住んで初めて実感した、大自然の美しさ

もともとキャンプやアウトドアの遊びが好きだった真一さん。
引っ越してからは、家族で周辺を散策するだけでも楽しいという。
川が運び込む新鮮な空気に深呼吸し、知らない草花の名を知る。
「密」とは無縁の、のびのびと自由を満喫できる暮らしだ。

「例えば、車の音がほとんどしなくて、代わりに川の音が聞こえるとか。
子どもが大声を出してドンドン走り回っても、気にしなくていいとか。
冬の澄んだ空気に心を打たれるとか。
そんな、都心部にいては気づくことさえできなかった生活の豊かさを、実感しています」
と望友さん。

那珂川での川遊びは中之島公園が有名だが、こちらは地元の人しか知らないスポット。川底が浅いため、子どもも安心。

那珂川での川遊びは中之島公園が有名だが、こちらは地元の人しか知らないスポット。川底が浅いため、子どもも安心。

そして、自然環境だけでなく、那珂川は人がいいと、真一さん。

「親切でやさしい人が多い気がします。
移住してきてすぐに、近くの人たちが困ったことはないかと気にかけてくださったり。
自然と交流が生まれるようになりました」

例えば、こんなことがあったという。

「国勢調査でうちに来た方が、煙突を見て『お宅にも薪ストーブがあるんやね』と。
薪に困っているなら、手配してくれるとまで言ってくれて、
その親切心には感動しましたね」

ちなみに坂田家にとって、薪ストーブはログハウス暮らしの必需品。
ひと冬を越して、そのありがたさを実感したとか。

真一さんの背中側に見えるのが、自慢の薪ストーブ。冬は薪ストーブの前に家族が自然と集まってくる。

真一さんの背中側に見えるのが、自慢の薪ストーブ。冬は薪ストーブの前に家族が自然と集まってくる。

「去年の冬は、このあたりも雪が積もって、一面銀世界になったんです。
それはそれは、美しくて。家に入れば薪ストーブのおかげで部屋はぽかぽか。
嫌いだった冬が、大好きになりました」

自慢のログハウスを前に、雪の積もる庭で撮った写真は、今でも家族の宝物だという。

実際に真一さんが撮った「雪化粧のわが家」。。

実際に真一さんが撮った「雪化粧のわが家」。

そしてこの家での生活は、自分たちの望みを叶えてくれただけでなく、
暮らしの価値観そのものを変えてくれると真一さんは言う。

「今はコロナ禍で会社の飲み会もありませんが、もともとお酒を飲むのは好き。
だから、今後また飲み会が再開すると、公共交通で会社まで行かないといけなくて、
それが唯一の不満点。
でも、この暮らしに慣れてくると、会社の飲み会に参加する回数自体が減るのかも。
心地よい環境の家で家族と過ごすことのほうが、
今の自分にとっては重要なことだと思えますから」

日が暮れる頃には家に帰り、家族とその日を振り返る。
川のせせらぎを感じながら、好きなお酒をゆっくり嗜む。
ここに住み始めたからこそ、そんな豊かさに気づくことができたのだ。

2歳の真悠くんも、すっかりここでの暮らしが気に入った様子。

2歳の真悠くんも、すっかりここでの暮らしが気に入った様子。

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国勢調査員からのうれしかったひと言とは

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平日は市街地、週末はログハウスの2拠点生活

さて、そんな坂田家の隣には、色違いのオレンジ色のG-LOGが建っている。
この家に暮らすのは、佐賀県出身の会社経営者・吉原康正さん一家。
現在は太宰府市に本宅を構えながら、春日市にある本社と、
佐賀県内の工場を行き来する生活を送っている。

本社から工場に向かう途中に通過するのが、那珂川の南畑エリア。
「自然の中でのびのびと住むなら、このあたりがいいな」と常々思っていたのだという。
4歳の息子の幼稚園の関係で、太宰府市での暮らしはすぐには変えられないが、
小学校に上がるタイミングには、移住したいと考えていた。

ちょうどその頃、BESSのLOGWAYに行く機会があり、G-LOGに惚れ込んだ康正さん。
さらに南畑エリアに建てられる土地があるとわかり、思い切って先行購入。
2020年10月から、平日は太宰府の家、週末は那珂川でのログハウスと、
2拠点生活を始めたのだ。

隣の坂田家がグレーなため、違う色をと選んだオレンジ。芝生とのコントラストも抜群。

隣の坂田家がグレーなため、違う色をと選んだオレンジ。芝生とのコントラストも抜群。

毎週土曜日の昼過ぎに、那珂川の家へと向かう。
ダイニングやウッドデッキで食事をしたり、
2階の広々としたセカンドリビングでくつろいだり。
大きなサッシュを全開にすると、
軒下べランダ「NIDO(ニド)」までひと続きの大空間となり、家族の憩いのスペースだ。

「庭のシンボルツリーは銀杏で、春には川岸に桜が咲きます。
季節の移り変わりを実感できる生活ですね」と康正さん。

NIDOから夏の空を望む。時を忘れて過ごせる、とっておきの空間。

NIDOから夏の空を望む。時を忘れて過ごせる、とっておきの空間。

吉原さん夫妻。花瓶に生けられているのは、この日の朝に、家の前の川べりで摘んできた彼岸花。

吉原さん夫妻。花瓶に生けられているのは、この日の朝に、家の前の川べりで摘んできた彼岸花。

妻の知穂さんは、もともとDIYを趣味にしていたが、
ここに来るようになって製作に熱が入っているという。
ハンドミシンを使った絨毯や、金属加工をしてつくった額縁など、
プロ顔負けの仕上がりだ。

「もともとは、育児中に何か集中できる手仕事をしたいと思って始めました。
ここに来ると、作業により没頭できるんです。今は、家の裏庭に小さな小屋をつくって、
そこをアトリエにしようと計画しているんですよ」

まちなかの暮らしはさまざまな誘惑があるが、
ここでなら自分と向き合い、好きなことに集中できる。
自分たちが暮らしに何を求めているのか、よく理解している人ほど、
満足度を高められるのだろう。

外遊びも、家での作業も、両方好きだという知穂さん。

外遊びも、家での作業も、両方好きだという知穂さん。

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「便利」より大切なものがある

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隣人とのゆるやかなつながりが心地いい

康正さんの趣味も、これから充実させていきたいという。
今はバイクに夢中なため、庭にガレージを建ててバイクいじりをするのが夢。
また、4歳の正陽(まさはる)くんと一緒に、釣りを楽しみたいという。

「活発な子なので、自然の中で遊び回れるのが本当に楽しそうで。
仕事で疲れていても、週末に家族が楽しく過ごせると、癒されます」

そして、知穂さんは実感を込めて言う。

「ここに毎日住めるようになる日が、本当に待ち遠しくて。
近くに幼稚園が新しくできるので、転入して予定を繰り上げて、
こっちに移り住むことも考えています」

庭の先に広がる、筑紫耶馬渓。この澄んだ小川まで徒歩10秒!

庭の先に広がる、筑紫耶馬渓。この澄んだ小川まで徒歩10秒!

あっという間にカワムツを数匹釣り上げて、この表情の正陽くん。

あっという間にカワムツを数匹釣り上げて、この表情の正陽くん。

ふた家族はお隣どうしで、家も偶然、BESSのG-LOG。
同じログハウスを選ぶ家族だから、価値観も近く、
打ち解けるのにも時間はかからなかった。
歳が近い子どもがいたのも大きい。
この1年で、ほかにも数家族がこの地域に移り住み、
山あいの土地に賑わいが見え始めている。

移住してくるのを待ってますよと、坂田さん一家から吉原さん一家へ。長いつき合いになりそうだ。

移住してくるのを待ってますよと、坂田さん一家から吉原さん一家へ。長いつき合いになりそうだ。

住む場所を選ぶにあたり、
多くの人は通勤利便性や商業施設・病院の有無など、条件面をまず考えてしまう。
しかし、坂田家や吉原家の暮らしぶりを見ていると、
「便利な暮らしを享受できる条件」よりも
「これから先、何を大切に暮らしていきたいか」を一番に考え、
それを叶える場所を選ぶことで、より豊かな暮らしが実現できるのだとわかる。
未来を見据え、自分たちの手で暮らしをつくろうと決めた移住者と、
彼らを快く迎える地域住民の関係性。
那珂川のエリアが注目されている理由は、この場所を訪れたら感じられるはずだ。

information

BESS 

https://www.bess.jp/

BESSのクラシガエ

「どこで のまえに どう 暮らす。」をテーマにしたBESSの新しい提案

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