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連載

長瀞・岩畳の景色と
味噌香る地元グルメをアテにする
あなたのまちの焼酎ハイボール
アテ探し旅

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
vol.023(Season5)

posted:2025.10.31   from:埼玉県秩父郡  genre:食・グルメ

PR 宝酒造

〈 この連載・企画は… 〉  各地のライターが、全国のまちで思わずその場で缶を空けたくなるほど魅力的な「焼酎ハイボールのお供」を見つけます。
“お供”とはご当地グルメに限らず、風光明媚な景色や地域の方々との対話なども立派な酒のアテ!
焼酎ハイボールを通してそのまちの多面的な魅力を発信していきます。

和酒を楽しもうプロジェクトとは?

宝酒造とcolocalが取り組んでいる、新提案です。和酒とは、日本の文化に根づいた、人と人をつなげるお酒。日本酒、焼酎だけではなく、大衆文化とつながりのある焼酎ハイボールや、調味料としての本みりんも含まれます。そんな、生活に根づいた和酒をもっと気軽に楽しもうというプロジェクトなのです。

タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉350ml

きょうの和酒

タカラ「焼酎ハイボール」
〈ドライ〉350ml

writer profile

Daiji Iwase

岩瀬大二

いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆。

credit

photo:黒川ひろみ

味噌グルメと雄大な景色をアテに一杯

今回のお楽しみは、自然に癒されながらの時間。
お出かけ先は、埼玉の景勝地・長瀞。
酷と名がつくような夏が長くなって、
秋との境目がなんだかわかりにくくなったけれど、
自然の中に身を置けば、ようやく五感で季節を感じられるはずだ。

川底が深く、流れが静かなところを「瀞(とろ)」といい、荒川上流のこのあたりが美しい瀞であるところから、「長瀞」と名づけられたという。隆起した岩が畳を敷き詰めたように広がる「岩畳」と、古代からの地層の重なりを目の当たりにできる「秩父赤壁」がこの地の見どころで、舟下りも人気だ.

川底が深く、流れが静かなところを「瀞(とろ)」といい、荒川上流のこのあたりが美しい瀞であるところから、「長瀞」と名づけられたという。隆起した岩が畳を敷き詰めたように広がる「岩畳」と、古代からの地層の重なりを目の当たりにできる「秩父赤壁」がこの地の見どころで、舟下りも人気だ。

今日は勇まず、のんびりいこう。
検索アプリを使えば都内から最短ルートはあるけれど、ちょっと回り道。
熊谷駅で乗り換え、秩父鉄道のSLパレオエクスプレスに乗っていく。

1988年に登場したパレオエクスプレス。牽引するのは、C58363(シゴハチ サンロクサン)。1972年に引退。県内の小学校の校庭で“余生”を過ごし、現役復活した。車両は2012年にリニューアルされ快適。2025年は、12月7日までの土休日を中心に運行している。

1988年に登場したパレオエクスプレス。牽引するのは、C58363(シゴハチ サンロクサン)。1972年に引退。県内の小学校の校庭で“余生”を過ごし、現役復活した。車両は2012年にリニューアルされ快適。2025年は、12月7日までの土休日を中心に運行している。

エクスプレスと名はついているが、実際はのんびり。
なぜなら蒸気機関車だから。
熊谷から長瀞は通常の各駅停車で約50分、SLは約1時間15分。
音と蒸気が旅心をくすぐる。

もちろん僕はリアルタイムで乗っていたわけではないので、
懐かしさよりもむしろ新鮮に感じているうちに、
SLは警笛を鳴らしながら、
ゆっくりと長瀞駅に入線していく。

長瀞駅

1911(明治44)年開業。1997(平成9)年には、「開業当時のままで残され、歴史を物語る木造建築の駅」として「関東の駅百選」に選定された。ICカードが使えたりインバウンド対応も進んでいるが、歴史の香りを存分に味わえる駅舎だ。

1911(明治44)年開業。1997(平成9)年には、「開業当時のままで残され、歴史を物語る木造建築の駅」として「関東の駅百選」に選定された。ICカードが使えたりインバウンド対応も進んでいるが、歴史の香りを存分に味わえる駅舎だ。

レトロな駅舎の改札を抜けてまずは深呼吸。
小雨があがった駅前の空気は確かに秋の気配。
岩畳へはここから歩いて10分ほど。
その間にアテを手に入れよう。

まずは駅に併設される形で営業している
〈ながとろ蕎麦 ちちてつ長瀞駅そば店〉へ。
ここでの目的のアテは「石炭みそポテト」。

改札を出てすぐ。窓から駅舎の風景が見られるのも楽しみの一つ。特にSLは10分ほど停車するので、これを見ながら食するのもいい。店内では「長瀞流しそうめん」も人気。ちなみに石炭みそポテトはSL内でも販売。

改札を出てすぐ。窓から駅舎の風景が見られるのも楽しみの一つ。特にSLは10分ほど停車するので、これを見ながら食するのもいい。店内では「長瀞流しそうめん」も人気。ちなみに石炭みそポテトはSL内でも販売。

みそポテトは秩父の名物B級グルメ。
「昔からなじみのある、伝統的なおやつですね」とスタッフさん。
サイズ感、口触り、歯ごたえ、使用する味噌の種類など、
その店ならではのバリエーションがある。

もともとこちらでも定番のみそポテトがあったが、
ここに加わったのが、ビジュアル的にもネーミング的にも、
インパクト大の石炭みそポテトだ。

まさに真っ黒。見た瞬間は本当に食べられるのかと頭に「?」が浮かぶが……「石炭みそポテト」300円(税込)(1カップ5個入り)

まさに真っ黒。見た瞬間は本当に食べられるのかと頭に「?」が浮かぶが……「石炭みそポテト」300円(税込)(1カップ5個入り)

「SLの運行にあわせて何かできないかと思い販売されました。
SLの燃料である石炭をイメージしています」。
まさに石炭を連想する漆黒は、
衣と味噌だれに食用の竹炭を練りこんだもの。
さて、お味は? 楽しみにしておこう。

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アテを求めて岩畳商店街を散策

駅前から岩畳までの約400m、細くて少し曲がった通りに、土産物屋、食事処、カフェなど約30軒が連なる。細く、少し曲がっていく道は、先が遠くまで見通せない分、迷宮に誘われるようなワクワク感もある。

駅前から岩畳までの約400m、細くて少し曲がった通りに、土産物屋、食事処、カフェなど約30軒が連なる。細く、少し曲がっていく道は、先が遠くまで見通せない分、迷宮に誘われるようなワクワク感もある。

駅から岩畳へと向かう道は〈長瀞岩畳通り商店街〉。

ほどなく昭和レトロな食堂が左手に見える。
昭和8年開業の〈喜久家食堂〉。

創業は昭和8年。店内では秩父名物の味噌カツなどをアテに飲める。全国の銘酒もそろっており、「昼から吞まれてる人もいらっしゃいますよ(笑)」と真生さん。頼もしい。

創業は昭和8年。店内では秩父名物の味噌カツなどをアテに飲める。全国の銘酒もそろっており、「昼から吞まれてる人もいらっしゃいますよ(笑)」と真生さん。頼もしい。

昭和レトロな店構えの店頭に、
これまた昭和の家庭でよく見た白地に花柄の鍋。
覗き込めば、串に刺したこんにゃくがいい具合に温まっている。
昔からの名物だという、みそおでんだ。

懐かしさたっぷりの店構えの軒先に味噌おでん

懐かしさたっぷりの店構えの軒先に味噌おでん。「冬はもちろんですが、夏の暑い時期でも結構出ますね」と4代目の真生さん。「味噌おでんも、昔からなじみのある伝統的なおやつです」。店内ではみそポテトもあり。また、この味噌をアレンジしたみそかつ丼も名物。

懐かしさたっぷりの店構えの軒先に味噌おでん。「冬はもちろんですが、夏の暑い時期でも結構出ますね」と4代目の真生さん。「味噌おでんも、昔からなじみのある伝統的なおやつです」。店内ではみそポテトもあり。また、この味噌をアレンジしたみそかつ丼も名物。

ここでも味噌のアテ。そう、秩父の名物といえば味噌。
山間の厳しい環境の中で、保存食であり、
栄養面でも優れた味噌は大切な食材であり食文化。

「テイクアウトもできますよ」
声をかけてくれたのは、
「4代目……候補ですかね(笑)」という堀口真生さん。
「味噌ダレには白味噌を使うところが多いんですが、
うちは2代目である祖母が昔から使っていた赤味噌。
ちょっと高いんですけれど、ずーっと使っています」。
そのエピソードだけでもそそられる。

味噌おでん 3本300円

味噌おでん 3本300円

こんにゃくを取り出し、トレーに乗せ、
目の前でその味噌をかけてくれる。
「甘じょっぱさが特徴です。何を入れているかですか?
砂糖を入れているので甘さもしっかりあります」
レシピは企業秘密じゃないんですか?と冗談っぽく聞けば、
「いえいえ、もう食べればわかりますので(笑)」
旅先、軒先での軽やかな会話は、早く呑みたくなる誘い水。

商店街をさらに進むと、
創業 1949年というお土産物屋〈万寿庵〉がある。
その一角に併設されているのが、〈長瀞とガレ〉。

〈長瀞とガレ〉

アテにもいい「しゃくし菜のたまり漬け」といった郷土の名物や、地酒、自慢のみそ豚の腸詰などがズラリと並ぶ<万寿庵>。その一角に併設されている<長瀞とガレ>は、「長瀞で岩畳が多くの文化を育んだように、小さなガレ(フランス語で小石を意味)となって長瀞の新しい文化を育んでいきたい」との思いで名付けられた。

アテにもいい「しゃくし菜のたまり漬け」といった郷土の名物や、地酒、自慢のみそ豚の腸詰などがズラリと並ぶ<万寿庵>。その一角に併設されている<長瀞とガレ>は、「長瀞で岩畳が多くの文化を育んだように、小さなガレ(フランス語で小石を意味)となって長瀞の新しい文化を育んでいきたい」との思いで名付けられた。

ここは万寿庵の3代目である井上裕羽也さんが、
地域の魅力を伝えたいという思いで立ち上げた、
ガレットをスペシャリティにした店だ。
お目当ては「みそ豚ガレドッグ」。

井上裕羽也さん

開店は2013年。井上さんは、東京で会社員経験があるが「育った場所でもあり、愛着もある」好きな長瀞に帰ってきた。「キュッとした中に自然も街もある。感覚的にもクローズではなくオープン。この店を通して長瀞の魅力をもっと伝えていきたいです」。

開店は2013年。井上さんは、東京で会社員経験があるが「育った場所でもあり、愛着もある」好きな長瀞に帰ってきた。「キュッとした中に自然も街もある。感覚的にもクローズではなくオープン。この店を通して長瀞の魅力をもっと伝えていきたいです」。

そもそも万寿庵では2階の工房で豚肉の味噌漬けを製造。
もっと美味しい食べ方があるんじゃないかと、
何年も試行錯誤した末に生み出されたのが、みそ豚の腸詰。
「みそ豚は味噌の中で豚肉を低温熟成するのですが、
その工程でせっかくの肉汁が出てしまう。
それをしっかり閉じ込めたかったんです」
噛みしめて溢れる肉汁を想像しただけで喉が鳴る。

「みそ豚ガレドッグ」はそんなみそ豚の腸詰を、
ガレットでラッピングしたわけだが、ここにも秩父・長瀞らしさがある。

「みそ豚ガレドッグ」は、注文を受けてから店頭で調理。

「みそ豚ガレドッグ」は、注文を受けてから店頭で調理。小麦粉をブレンドした生地は、まるでホットケーキのような質感だが、次第にきれいな円を描き、ほどよい厚みに整っていく。すると腸詰の焼けていく香りも……。これを見ながらでも一杯いけそう。

「みそ豚ガレドッグ」は、注文を受けてから店頭で調理。小麦粉をブレンドした生地は、まるでホットケーキのような質感だが、次第にきれいな円を描き、ほどよい厚みに整っていく。すると腸詰の焼けていく香りも……。これを見ながらでも一杯いけそう。

ガレットというと、日本においても、
フランス・ブルターニュのそば粉を使ったものが一般的だが、
こちらは地産の小麦粉をメインにした、オリジナルブレンドの生地。
「秩父は米があまりとれなかった分、
小麦、雑穀はいろいろな種類があり発展してきました。
そば粉もなかったので、小麦のうどん文化だったんです」。

味噌も小麦も、長瀞・秩父エリアが大切に育んできた食文化。
これも井上さんが伝えたかった地域の魅力。
手渡されたアツアツのガレドックからは、
なんだか静かな熱気まで伝わってくるようだった。

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岩畳を歩き、秩父赤壁と静かな流れを眺めながら、
見晴らしのいい東屋に到着。

見晴らしのいい東屋に到着

まずは、冷やしておいた焼酎ハイボールをぐっとひと飲み。
自然に癒され、少しずつ蘇ってきたような五感に、
ガツンと刺激が加わり、しばし目を閉じれば、
さらに五感が覚醒されるような感覚だ。

岩畳と赤壁の借景

目を開ければまた岩畳と赤壁の借景。
まだ元気な夏っぽい日差しと、わずかだが秋の訪れの涼風が、
焼酎ハイボールを、もうひと飲みとすすませる。

「みそ豚ガレドッグ」

まだ熱気が伝わる「みそ豚ガレドッグ」からいこう。
小ぶりながら重量感もたっぷり。
かぶりつけば、生地はもっちり。

ブレンド小麦の生地そのものの味わいを感じながら、
みそ豚の腸詰を噛みしめる。
パリッという音の後、肉汁の甘味と旨味がじわり。
そこに味噌の風味も絡んできて、うれしい混然一体となる。
焼酎ハイボールが加われば、
爽快なキレ味でさらに混然一体が進み、
口の中が幸せに包まれていく。

「味噌おでん」

「味噌おでん」は少し冷めても、
むしろ夏の和スイーツを思わせるようで、
これはこれでアリ、というか、これも気に入った。
「うちの甘めの味噌は焼酎ハイボールに合うと思いますよ。
店でも酒のアテにされる方も多いんです」
という真生さんの言う通り。
味噌だれの風味がまったり絡む感じがたまらない。
こんにゃくの弾力と強炭酸がリズムを刻んでくれる。

「石炭みそポテト」は、ほくほく感もあるけれど、
ポテトの食感はしっかりしていて、意外と食べ応えがしっかりある。
色は黒いが、見た目に反して味噌だれはさっぱりめ。
甘じょっぱさもしつこくなく、飽きずに食べられる。
そもそも今までのアテ探しの経験から、
味噌のコクと甘みは焼酎ハイボールと合うことは予想していたが、
ソーセージやこんにゃく、ポテトといった素材との組み合わせは、
新たな発見に導いてくれた。

古くから、この地の名所である宝登山神社の参拝客が、この岩畳で月を愛でながら宴会を催したという

そして、この素晴らしい風景の中で味わうという要素。
実は古くから、この地の名所である宝登山神社の参拝客が、
この岩畳で月を愛でながら宴会を催したという話を聞いた。

それはきっと、酒に乗じて興に乗りすぎた宴会ではなく、
酒と自然と五感が一体となる、
神秘的な儀式の一つだったのかもしれない……。
そんな物思いにふけっていると、
川遊びをする学生さんたちの元気な声が聞こえてきて、ふと現実に戻る。
なんだかそれさえも心地よいBGMだ。

Page 4

ガツンとくる辛口ドライチューハイ!

ガツンとくる辛口ドライチューハイ!
昭和20年代後半の東京・下町の大衆酒場で生まれた
元祖“焼酎ハイボール”の味わいを追求。
ベースアルコールに伝統の宝焼酎を使用することで実現した、飲みごたえと
キレのある辛口な味わいに加え、糖質ゼロ※1、プリン体ゼロ※2、甘味料ゼロ※3
といった機能面もうれしいひと缶です。
※1 食品表示基準に基づき、100ml当たり糖質0.5g未満を糖質ゼロと表示。
※2 100ml当たりプリン体0.5㎎未満をプリン体ゼロと表示。
※3 食品添加物としての甘味料は使用していません。

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information

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ながとろ蕎麦 ちちてつ長瀞駅そば店

住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞528-2

TEL:0494-66-3331

営業時間:10:00〜15:30

定休日:火曜、水曜

information

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喜久家食堂

住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞455

TEL:0494-660-638

営業時間:11:30〜16:00

定休日:不定

information

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長瀞とガレ(万寿庵)

住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞447

TEL:0494-660-637

営業時間:10:00〜16:30

定休日:不定

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