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宇都宮〈魚田酒場〉
オリオン通りの大衆酒場で、
抜群のマグロ刺と緑茶ハイに誘われ

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
Vol.19(Season3)

posted:2020.6.15   from:栃木県宇都宮市  genre:食・グルメ

sponsored by 宝酒造

〈 この連載・企画は… 〉  「和酒を楽しもうプロジェクト」もいよいよ7年目へ。
舞台をイエノミからソトノミに移し、“酒場推薦人”の方々が、日本各地の魅力的な「ローカル酒場」をご紹介します。

和酒を楽しもうプロジェクトとは?

宝酒造とcolocalが取り組んでいる、新提案です。和酒とは、日本の文化に根づいた、人と人をつなげるお酒。日本酒、焼酎だけではなく、大衆文化とつながりのある焼酎ハイボールや、調味料としての本みりんも含まれます。そんな、生活に根づいた和酒をもっと気軽に楽しもうというプロジェクトなのです。

〈宝焼酎 25度 1.8L〉

きょうの和酒

宝焼酎 25度 1.8L

writer profile

Daiji Iwase

岩瀬大二

いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆

credit

撮影:池ノ谷侑花(ゆかい)

旅の醍醐味はローカル酒場!
全国おすすめ酒場探訪記 宇都宮編
大人になったからわかるこのまちの魅力

今回のローカル酒場は、栃木県は宇都宮にご案内。
宇都宮といえば餃子がすぐに浮かびますが、
実はおもしろいカルチャーに溢れたまちでもあります。

例えば自転車。
ツール・ド・フランスなどにもつながる、サイクル・ロードレースの日本での聖地で
トップチームも本拠地を構えます。

そして、フェスでも盛り上がるジャズのまちでもあり、
酒好きには〈宇都宮カクテル〉を展開するバーのまち、
さらに、以前は北関東有数のファッションのまちでもありました。

酒場文化、スポーツ文化、音楽文化、服飾文化。
その中心となったのが「オリオン通り」。

シャッター商店街に活気が戻ってきたオリオン通り。これもここで商売をするみなさんの思いがしっかり行動や活動につながったから。魚田酒場もその担い手のひとつです。

シャッター商店街に活気が戻ってきたオリオン通り。これもここで商売をするみなさんの思いがしっかり行動や活動につながったから。魚田酒場もその担い手のひとつです。

オリオン通りは戦後間もない1948(昭和23)年に生まれ、
1967(昭和42)年には全長280メートルにおよぶアーケードが完成。
以降、文化と商業の担い手となりましたが、
時代の波の中でいわゆるシャッター通りになりつつありました。
しかし、そこから、全国から視察が来るほどの通りに復活。

そのアイコンのひとつが、今回ご案内する〈魚田酒場〉です。
旬の魚を出すうまい店であるだけではなく、
オリオン通りにあるからこその魅力があります。

オリオン通りに向かって思いっきり開放的な店構え。つい立ち寄りたくなる……のはしかたがない。

オリオン通りに向かって思いっきり開放的な店構え。つい立ち寄りたくなる……のはしかたがない。

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その理由はのちほどとして、今回の案内人を紹介しましょう。
タウン情報誌『TonTon(トントン)』の編集長として
宇都宮の情報、カルチャーを紹介している小森裕子さんです。
もともと栃木県の出身ですが、
「死ぬほど東京が好きで(笑)」
ということで大学は東京へ、そして出版社に就職。
編集者としてバリバリ仕事をしていましたが転機が。
それがこのタウン情報誌。

「ちょうどよいタイミングだったんでしょうね。
すごく東京が好きだったので、いつかまた東京に戻りたいと、
最初は、正直、都落ちの気持ちで帰ってきました」

ところが帰ってきて仕事をし、暮らしてみると……
「東京だと取材しても基本は一期一会。
それが宇都宮だとそこからいいおつき合いが始まるんです」
お互いが情報の発信源であり媒介者。
飲食関連、ギャラリーのオーナーとスタッフ、クリエイターにイベントの主催者。
いいお店を共有したり、ムーブメントを支えあったり。
それらを通じてあの頃はわからなかったまちの魅力にも気づきます。

高校まで普通に歩いていたオリオン通りは、
大人として、そして編集者として新たな魅力がありました。
今日は「飲み仲間」という旦那さんと楽しい話をしながらここで注文。

お互い「一番の飲み友だち」と言う小森さん夫婦。小森さんが宇都宮に帰ってから出会って結婚。仕事だけではなくいろいろな変化がありました。

お互い「一番の飲み友だち」と言う小森さん夫婦。小森さんが宇都宮に帰ってから出会って結婚。仕事だけではなくいろいろな変化がありました。

今日の乾杯は〈宝焼酎〉をベースにした緑茶ハイです。
もちろん肴は魚。
中央卸売市場から毎朝仕入れるという魚を堪能しましょう。
刺身、名物のなめろうからスタート。

小森さんが「緑茶ハイは日本料理や居酒屋メニューに合うね」と言えば、「脂の多い魚と合わせるとその味わいの邪魔にならないね」と返ってくる。普段から酒場での時間を楽しまれていることが伝わってきます。

小森さんが「緑茶ハイは日本料理や居酒屋メニューに合うね」と言えば、「脂の多い魚と合わせるとその味わいの邪魔にならないね」と返ってくる。普段から酒場での時間を楽しまれていることが伝わってきます。

「この本マグロの中トロ、見た目はA5のお肉みたいですね。
それからアジのなめろうはすごくクリーミー。
こういうものでしたっけ? とてもおいしい!」

と続くうれしい言葉に店長の歌川陽行さんもにっこり。
「特別なことはしてないんですが、できるだけ喜んでいただけるようにと考えています。
ぜひ、アナゴの天ぷらは召し上がってください。
ここで捌いているんです」

開店から店長を務める歌川陽行さん。「ありきたりではない旬の魚を出していきたいんです」と語ります。

開店から店長を務める歌川陽行さん。「ありきたりではない旬の魚を出していきたいんです」と語ります。

〈本マグロの中トロ〉(680円)は高級鉄板焼の和牛のような趣。かみしめると弾力から豊かな旨みが広がる。奥の〈コハダ〉(右・390円)はさりげなく丁寧な仕事が施され、鯛の稚魚〈カスゴ〉(左・450円)は、春を先取り。

〈本マグロの中トロ〉(680円)は高級鉄板焼の和牛のような趣。かみしめると弾力から豊かな旨みが広がる。奥の〈コハダ〉(右・390円)はさりげなく丁寧な仕事が施され、鯛の稚魚〈カスゴ〉(左・450円)も鎮座。

小森さんが「クリーミー! なめろうってこういうものでした?」と驚いた〈アジのなめろう〉(350円)は歌川店長自慢の一品。

小森さんが「クリーミー! なめろうってこういうものでした?」と驚いた〈アジのなめろう〉(350円)は歌川店長自慢の一品。

市場で仕入れて店で捌く〈アナゴの天ぷら〉(450円)。鮮度と目利きゆえに、もちもちとぷりぷりが同時に楽しめます。

市場で仕入れて店で捌く〈アナゴの天ぷら〉(450円)。鮮度と目利きゆえに、もちもちとぷりぷりが同時に楽しめます。

店長をはじめとするスタッフさんの工夫や努力。歌川さんは、
「海なし県なので、だからこそ、旬のものをお出ししたい。
ですので市場が休みの日などはお出しできないものもあって。
それは少し心苦しいのですが……」
と言いますが、今日来る意味、今日だからこその体験。
ローカル酒場はそれこそが楽しい。

煮つけは800円~1300円。今日は〈クロソイの煮付け〉。頬の部分の肉のボリュームもたっぷり。しつこすぎず、でもしっかりした味つけで緑茶ハイが進みます。

煮つけは800円~1300円。今日は〈クロソイの煮付け〉。頬の部分の肉のボリュームもたっぷり。しつこすぎず、でもしっかりした味つけで緑茶ハイが進みます。

カウンター前でおいしい湯気を立てる〈あら汁〉(150円)はメニューというよりはおもてなしの心を表すサービス的な一品。冬場はアンコウ鍋に変わることも。

カウンター前でおいしい湯気を立てる〈あら汁〉(150円)はメニューというよりはおもてなしの心を表すサービス的な一品。冬場はアンコウ鍋に変わることも。

お代別にまとめられたメニューはわかりやすいだけではなく、ゾーンごとに攻略したいなんていう楽しい気持ちにもさせてくれます。

お代別にまとめられたメニューはわかりやすいだけではなく、ゾーンごとに攻略したいなんていう楽しい気持ちにもさせてくれます。

「店の前を通るといつも混んでいて入れないんです。
その理由がわかりますね」と小森さん。
そして斜め向かいの店を指さします。
「それであちらの店に行くんです。そちらもいつも混んでいるんですけどね」
オリオン通りに向かって開放的な店〈みそだれやきとり かんちゃん〉。
実はそこは、魚田酒場の代表・神田直樹さんが2017年に出した1号店なのです。

はじまりはオリオン通りの近くにある「宇都宮屋台横丁」。
ここは、手狭な6席ほどの店が立ち並ぶ場所で
夢ある人がここで商売を立ち上げ、
軌道に乗ったら卒業していくといういわば登竜門的な飲み屋街。

神田さんは、そこから努力を重ね〈みそだれやきとり かんちゃん〉が誕生し、
順調に成長。もう1軒出すといった際に
「オリオン通りをもっと活性化させたい」という思いで、
斜め向かいの空き地だった場所に目をつけ
地権者の方に思いをぶつけ、魚田酒場を開店。

だから、メニューやおいしさだけではなく
オリオン通りのためにできることはなんでもやる。
例えば、あえて低層にして空が抜ける設計にしたのも
アーケードの中にあって開放感を味わってほしいから。

さらに通りにせり出したテーブル。
全国でも珍しく、公道ながら、
店先3メートルまでは出してよいとの取り決めがされています。

市や警察、事業者の協力で進められたこの取り決めが
オリオン通りを活性化し、
シャッター通りからの復活のひとつの象徴となっています。

かんちゃんにいれば通りをはさんで魚田酒場の賑わいが見える。
魚田酒場にいれば通りをはさんでかんちゃんの煙が見える。
オリオン通りは元気だな。この前を通れば感じられるのです。
ちなみにやきとりと魚、ずいぶんと変えた理由を神田さんに聞けば、
「同じものをやっても飽きちゃう(笑)」
と屈託のない笑顔。

そういえば、と小森さんが教えてくれたのが
『オリオン通り』という曲。
斉藤和義さんと浜崎貴司さん、
ともにこのオリオン通りで青春を過ごしたふたりのアーティストの作品。

そこには当時の活気にかけるせつないオリオン通りが描かれ、
海へと向かいたいという、ここではないどこかへの
若気の静かな叫びが歌われています。
小森さんが東京に向かったのも同じ理由だったのでしょうか。

でもやっぱりこの場所はかけがえのない場所。
この曲と小森さんの物語を聞くと、
歌詞に出てくるカレー屋さんだけではなく
オリオン通りで見かけた2軒の楽器屋さんが、不思議と
ローカル酒場への旅心をくすぐってくれます。

取材先の方と仲良くなり輪が広がる。そして飲み友だちに。
酒場は情報交換の場でもあり、このまちを知ることができる場。
うまい酒、うまい肴、そして楽しい話し相手。
高校生まではわからなかった地元の魅力。
そしてその裏にある物語。
大人になって帰ってきたからこそわかること。
大人になって訪れたからこそわかること。
ローカル酒場には、再発見と新発見があります。

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きょうのローカル酒場の酒 「宝焼酎 25度」 長年の蒸留・ブレンド技術から生まれるピュアさと味わい

原料にサトウキビ糖蜜を使用。何度も繰り返して蒸留。
不純物を取り除いてつくられる限りなくピュアな焼酎に、
長年、宝酒造が革新を重ね磨き続けてきた蒸留技術が、ふんだんに生かされ、
ピュアでクセのないすっきりとした味わいを実現しました。
今回のように緑茶割りにしたときも、
お茶の苦みや風味を生かしながらも、焼酎の味をしっかりと感じられます。
風味と使いやすさを両立する、これぞ宝という焼酎です。

※取材撮影は2020年2月。メニューも当時のものです。

information

map

魚田酒場

住所:栃木県宇都宮市曲師町2-12

TEL:090-8845-3536

休業日:月曜

営業時間:16:00〜22:00

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