連載
posted:2016.2.4 from:愛媛県 genre:食・グルメ / 活性化と創生
sponsored by 愛媛県
〈 この連載・企画は… 〉
愛媛のフルーツ、おいしいのは柑橘だけではないんです!
イチゴ、柿、栗、キウイなども実は愛媛の銘産です。
愛媛県産フルーツの生産者さんたちを訪ね、愛情をたっぷり注がれて育つフルーツを見てきました。
さらに、秋から冬にかけてぐっとおいしくなる愛媛県産フルーツを使った、
松山市と東京のスイーツ店もご紹介します。
editor’s profile
Miki Hayashi
林 みき
はやし・みき●フリーランスのライター/エディター。東京都生まれ、幼年期をアメリカで過ごす。女性向けファッション・カルチャー誌の編集を創刊から7年間手掛けた後、フリーランスに。生粋の食いしん坊のせいか、飲料メーカーや食に関連した仕事を受けることが多い。『コロカル商店』では主に甘いものを担当。
credit
撮影:小川 聡
supported by 愛媛県
愛媛県産のフルーツを素材に取り入れたスイーツを
都内の飲食店約16店舗で楽しめるイベント〈えひめスイーツコレクション2015〉。
昨年11月にスタートしたイベントですが、
2月末までの期間中に味わえるえひめスイーツはまだまだあります。
今回は2月16日まで〈パティスリー キハチ〉にて発売中の、
愛媛県産フルーツを使ったレイヤーケーキをご紹介します。
〈パティスリー キハチ〉を代表するスイーツのひとつが、
ふわふわのスポンジで5種類のフルーツを巻き込んだ〈キハチトライフルロール®〉。
このロールケーキをはじめ、さまざまな季節の果物を素材としたスイーツを
つくり続けてきた〈パティスリー キハチ〉によるえひめスイーツは、
〈紅い雫〉〈紅まどんな〉〈はれひめ〉などの愛媛県産フルーツやクリーム、
スポンジ生地などが層(レイヤー)を織りなす
美しさとおいしさを同時に楽しめる3種類のレイヤーケーキです。
このレイヤーケーキをつくるにあたり、愛媛県を実際に訪れて果物をセレクトしたのが
パティシエの外薗栄敏さん。
「以前から自分たちで産地を回り、生産者さんにお会いする機会はあったのですが、
2014年9月から後輩のパティシエと一緒に定期的に産地を回っています。
それこそ北は山形から、南は熊本まで」
〈紅い雫〉〈紅まどんな〉〈はれひめ〉をセレクトした理由を訊ねると
「それはおいしかったから、それだけです(笑)」と実に明快な答えが。
おいしい愛媛県フルーツとの出会いによって生まれた3種類のレイヤーケーキのうち、
一番人気があるというのが〈苺のティラミス 紅い雫〉。
この連載でもご紹介した愛媛県オリジナル品種のイチゴ〈紅い雫〉、
コーヒーを染み込ませたチョコレート生地、マスカルポーネムース、ビスコッティ、
生クリームを層にしてティラミス仕立てにしたスイーツです。
ひとくちいただくと、コーヒーとチョコレートの風味にベリーの味わいが負けておらず、
〈紅い雫〉のみずみずしさも楽しめるおいしさ。
「中に入っているイチゴとラズベリーのジュレも効いていますからね。
メインはフルーツなので、フルーツに合うように
生クリームは脂肪分が高いものを使っています。
大体7〜8種類の脂肪分のパーセンテージが異なる生クリームを
フルーツによって使い分けているんですよ」
そして驚いたのがクリームやムースに負けていないイチゴの甘さ。
コンポートされているのかと思いきや
「乾燥しないように艶だしはしていますが、何もしてないんですよ。
他のふたつのレイヤーケーキに使っている柑橘もカットしたものを、
そのまま使っているだけです」
糖度が高いことで定評のある愛媛県産フルーツですが、
その甘い味わいをあらためて実感させられました。
続いていただいたのが〈紅まどんな〉、フロマージュブランのムース、
柑橘の果汁を染み込ませたスポンジ生地、生クリームを層にした
〈ズッパイングレーゼ 紅まどんな〉。
これまでさまざまなフルーツを取り扱ってきた外薗さんも
「本当にゼリーみたいですよね。この不思議な食感はすごいです」
と話す〈紅まどんな〉を使ったレイヤーケーキ。
ムースと一緒に果実が舌の上でとろける食感と甘い味わいに、
初めて〈紅まどんな〉を口にする人はきっと驚いてしまうはず。
「〈紅まどんな〉の旬が終わってからは〈甘平〉に変わるので、
レシピの配合もちょっと変えると思います。
最近の愛媛県の柑橘は糖度が高いのですが、この〈甘平〉もそうで、
全体のバランスを考えて、あえてフロマージュブランのムースで
酸味を足すくらいに甘いんですよ」と外薗さん。
プチプチとした大粒の果肉と強い甘みが特徴の〈甘平〉が使われるズッパイングレーゼは、
〈紅まどんな〉のものとはまた違ったおいしさになりそうなので、
こちらもあわせて楽しみたいところです。
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3つめのレイヤーケーキは、完成までに一番時間がかかったという
〈ショコラオランジュ はれひめ〉。
みかんとオレンジをかけ合わせて誕生した、
さわやかなオレンジの風味とみかんのとはまた違う甘さを持つジューシーな柑橘〈はれひめ〉。
この〈はれひめ〉のジュレとオレンジチョコムース、
アーモンド生地を層にして、周りをスライスした果実で飾った見た目も華やかなスイーツ。
チョコレートとオレンジは洋菓子では定番の組み合わせとも言えますが、
みかんのような食べやすさが特徴の〈はれひめ〉では
チョコレートに風味が負けてしまうのでは……と思いきや、
ほど良い甘さのチョコレートとさわやかな〈はれひめ〉の風味が
お互いの味わいを引き立て合い、これまでにないおいしさが口の中に広がります。
「〈はれひめ〉のやさしい甘さや香りを損ないたくないので、
チョコレートの配合を変えたり、クリームを軽くしてバランスをとりました」と外薗さん。
「最初はこれも層にしていたんですけど“果実を見せた方がきれいだよね?”となって。
カップの外側にスライスしたものを敷きつめて、
あらかじめセルクル(底のない円形の枠)でつくったものを中に入れるようにしたんです。
外側のスライスも大きさを合わせないといけないので
〈はれひめ〉の中央部分だけを使い、切り落とした部分は搾って、
果汁をジュレとオレンジチョコムースに使っています」
手間ひまをかけてつくられる芸術品のような〈ショコラオランジュ〉。
このレイヤーケーキひとつには、約1個分もの〈はれひめ〉が贅沢に使用されているのだそう。
「愛媛のフルーツをたっぷり使っておいしいスイーツをつくりたい、
お客様にお届けしたいという気持ちが強く、はれひめをふんだんに使いました」
そのまま食べてもおいしい愛媛県産のフルーツをスイーツの素材に使うことについて
「よりおいしくしなければというプレッシャーはないですが、
素材を生かしたいという気持ちはありますね。
おいしくするのはそれなりにできますけど、
素材を生かしきれるかどうかとはまた違うので」と話されていた外薗さん。
そんな想いのもと生まれた、
愛媛県産フルーツのおいしさを引き立てる〈パティスリー キハチ〉のレイヤーケーキ。
スイーツやフルーツ好きな方はもちろん、
この連載を読んで〈紅い雫〉や〈紅まどんな〉に興味を持ってくださった方にも
味わっていただきたい、特別なおいしさがつまったスイーツです。
information
パティスリー キハチ 東大島
住所:東京都江東区大島8-42-14
TEL:03-5626-3910
営業時間:10:00~19:30
定休日:年末年始
http://www.kihachi.jp/
パティスリー キハチ Facebook
http://www.facebook.com/patisserieKIHACHI/
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