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目指せコーヒー・フリーク

マチスタ・ラプソディー
vol.045

posted:2013.6.24  from:岡山県岡山市  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  東京での編集者生活を経て、倉敷市から世界に発信する
伝説のフリーペーパー『Krash japan』編集長をつとめた赤星 豊が、
ひょんなことから岡山市で喫茶店を営むことに!? 
カフェ「マチスタ・コーヒー」で始まる、あるローカルビジネスのストーリー。

writer's profile

Yutaka Akahoshi

赤星 豊

あかほし・ゆたか●広島県福山市生まれ。現在、倉敷在住。アジアンビーハイブ代表。フリーマガジン『Krash japan』『風と海とジーンズ。』編集長。

岡山の「コーヒー・フリーク」が集まって。

<「コーヒーの街」として全国的に認知されるには何かが足りない>
昨年の秋に出た『BRUTUS』のコーヒー特集。
そのなかで岡山のコーヒー事情を書かせてもらって、
ひとつ課題をこう提起した。岡山はコーヒー関連の店が多く、
個々の店のレベルもかなり高いと思う。
でも、京都や福岡のように全国に広く知られているとは言いがたい。
これから岡山を「コーヒーの街」として認知してもらうためにはどうすればいいか。
記事の最後をこう締めくくった。
<福岡で見たエリアの連携は有効である気がする————
今後、岡山で連携が可能かどうかを探ってみようと思う>
いい加減な締めだと感じた人がいるかもしれない。
地域の連携を探るとか、「そんな面倒、絶対しないよ」と。
たしかに、同業者の連携なんて簡単なことじゃないし、
自慢じゃないが面倒は人一倍嫌いだ。
でも、こと今回に限っては有言実行の人であった。
というのも、マチスタをやると決めたときから、ぼくにはある野望があった。
「岡山のコーヒー屋はヤバい!」と外資系コーヒーチェーンSが
岡山からの撤退を考えるぐらいの、
そんなコーヒーのムーブメントが岡山で起こせないものかと本気で考えていたのである。
開店してみたら自分の店を維持するのが精一杯で、
そんな野望は頭の隅っこに追いやられていたわけだが。

雑誌の発行後まもなく声かけをして、
年内に岡山コーヒーのミーティングが実現した。
出席者は以下の5名(敬称略)。<内山下珈琲焙煎所カエル>の猿川裕介、
アロマコーヒーロースタリー>の渡辺一也、
ONSAYA(オンサヤ)>の東宏明、<CoMA coffee(コマ・コーヒー)>の長岡浩範、
それに<マチスタ・コーヒー>のぼく。
この記念すべき第1回は初顔合わせということもあって、
まあ予想通りというか、ただの飲み会に終わった。
そして今年3月にあった第2回のミーティングには、
BESSO COFFEE BEANS>の別曽拓也、
笠岡市<辻珈琲>の辻修太郎•優子夫妻、
瀬戸内市邑久町で<キノシタショウテン>を、
岡山駅西口で<THE COFFEE BAR>を展開する木下尚之の3組が加わった。
こうして俄然スケールアップした第2回であったが、
しかし今後の会の活動や展望を話し合うことは一切なく、
またしてもただの飲み会に終わったのだった。
第1回で会長に選出された渡辺クンが(ぼくが勝手におしつけました)、
とうにろれつが回らなくなった舌で閉会の挨拶をした。
「ええ……今夜も、ああ……何も決まりませんでした……すいませんでした!」

これまで2回あった集まりを「ただの飲み会」と記したが、
しかしその実際は恐るべきものだった。
ともに、顔を合わせた瞬間から話題はコーヒー。
そして顔をつきあわせていた3時間だか4時間もの間、
ただひたすらコーヒーについて語るのだ。全員が全員、
高純度の「コーヒー・フリーク」である
(ぼくはまだ「コーヒー・パーソン」の域を脱していない)。
はたしてこの会の発足によって今後岡山で何かが生まれるのかどうか、
現在は正直まだよくわからない。
でも、ほぼ全員が30歳代という若さ、
なにより彼らのコーヒーに対する熱のようなものに少なからず可能性を感じている。
ひとり年齢的に頭抜けているぼくは、
発起人として役割は果たしたと感じているんだけど、
これからも何らかのカタチで会の活動に携わっていけたらと願っている。
今後さらにコーヒーについて深く勉強したいとも思っている。
コーヒーバカでなにが悪い、目指せコーヒー・フリークだ!

身近にコーヒー・フリークがもうひとり。
ぼくのパートナーのタカコさんである。
長く書きそびれてしまった。実は彼女、岡山市京橋にあった
伝説的な自家焙煎の喫茶店「カーフェカーネス」(2008年に閉店)で6年ほど働いていた。
そのキャリアが多分に影響していると思う。
かねてから自家焙煎の喫茶店をやりたいと夢見ていた。
「ふーん、そうなの」と興味なさげに聞き流していたぼくが
唐突にコーヒーの世界に足を突っ込んでしまったものだから、
元来が亥年の猪突猛進型、もういてもたってもいられなくなった。
昨年の秋あたりからは、「焙煎やりたい、店やりたい!」という
凶暴なまでの気を発するようになり、
しかし、年が明けてもなかなか適当なサイズの中古焙煎機に巡り会えず、
鬱憤は暴発寸前、まさにそんなときだった。
前出の<キノシタショウテン>の木下クンから
1キロの焙煎機を貸してもらえるという奇跡のような幸運が訪れた。
早速、児島の事務所に焙煎機を設置。
設置直後にタカコさんは一時体調を崩したものの、5月に入って完全復活。
以来、毎日のように児島の事務所にやって来て、嬉々としてテストの焙煎を重ねている。

本人はまったく口にしないが、焙煎には相当な苦労をしたことと思う。
しかし、甲斐あって最近は焙煎が安定してきた。
はっきり言って、結構味がいい。
毎日いろんな豆を試飲させられている事務所のスタッフの評判も悪くない。
事務所の大家さんなんかはいっぺんにファンになり、
すでに何度か豆を買っている。
そして、実はここが彼女の一番スゴいところ。
無謀にも見える独自の営業で、
早々と地元早島のJAでの販売をとりつけてきたのである(目のつけどころもシブいですね)。
販売初日の7月1日(月)には試飲会を開催することも決まっている。
ぼくはこの試飲会でコーヒーを淹れることになっているんだけど、
これは出張マチスタではなく、完全に一個人としてのサポート。
というのも、彼女の活動はマチスタともアジアンビーハイブとも無関係なのだ。
屋号も「元浜倉庫焙煎所」。
個性豊かな人材が集まる岡山のコーヒー業界にあって、
またひとりクセのあるフリークが誕生した。
今後の岡山のコーヒー、ちょっと面白くなりそうだ。

オフィスの一画にコーヒー豆の焙煎コーナーが。焙煎機は富士珈機の「フジローヤル」。見た目は小さな機関車みたいでカッコいい。デザイン事務所と焙煎という取り合わせ、あると思います!

2014.08.08編集部追記 コロカル商店元浜倉庫焙煎所の珈琲「コロカルオリジナルセット」の取り扱いが始まりました。

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マチスタ・コーヒー

住所 岡山県岡山市北区中山下1-7-1
TEL なし
営業時間 火〜金 9:00 ~ 19:00 土・日 11:00 〜 18:00(月曜定休)

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