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藤田 祥さん

ものづくりの現場
vol.004

posted:2012.2.24  from:岡山県和気郡和気町  genre:ものづくり

〈 この連載・企画は… 〉  伝統の技術と美しいデザインによる日本のものづくり。
若手プロダクト作家や地域の産業を支える作り手たちの現場とフィロソフィー。

editor's profile

Toshiya Muraoka

村岡俊也

むらおか・としや/神奈川県鎌倉市生まれ、茅ヶ崎市在住。カルチャー誌を中心に、旅、本、写真などをテーマに活動中。

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撮影:平野太呂

自由に大胆に、備前の「本当」を追う。

藤田祥さんは、研究熱心だ。
土を探し、練り、成型し、焼く。
すべての過程を自分でこなさなければならない若手作家にとって、
プロセスを楽しむことができなければ、その作業は苦行でしかない。
もちろん修業時代は、「いかだで遭難したときのように」ただひたすら
手を動かして菊練りを繰り返し、「土を見るだけで気持ち悪くなるほど」だった。
だが、教えられるよりも「体で覚えながら、自分で考える」ことで、
備前焼の奥深さにのめり込んでいった。
「備前焼の歴史を調べていくと、
いかに昔の人が自由勝手につくっていたかが分かるんです(笑)。
“こうでなくちゃいけない”っていうルールは、
実は結構最近の人がつくり出したものにすぎない。
備前地方の土を使い、釉薬を使わずに、備前の窯で焼く。
備前焼のルールは、本当はそれだけだと思うんです」
その言葉通り、藤田さんの作品は、地層をそのまま再現したかのように、
ゆるやかにグラデーションしている壷や黒く美しく光る花器など、
一般的にイメージされる“茶色”の備前焼とは違う。
だが、そこには脈々と流れる備前の1200年の歴史を受け継いだものがある。
「研究することがたくさんあるんです。
黒備前は、土中の鉄分を5%まで上げて、
1200℃で焼く必要があるんですが、それも試行錯誤の結果分かってきたこと。
知れば知るほど、世界は広がっていく感覚が面白い」
一生かけて研究する題材が僕にとっては備前焼なんです、と藤田さんは言う。
若手作家には、その進化を見守る楽しみもある。

地層をそのまま再現したような壷(左)と、黒備前の花器(右)。日常使いにこそ「カッコいいものを」が、テーマのひとつである。

「できるだけ周りに他の作家がいない環境」を求めて、山奥にアトリエを構えている。すぐ脇には小川の流れる、閑静な環境。

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SHO FUJITA
藤田 祥

備前作家として登録されている唯一の和歌山出身者。「チャ・ノヘヤ」と題し、「茶の湯」を表現した展示を開催。陶慶堂(下記URL)で購入可。
http://www.10-keido.com/

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