木村英昭さん

窯元18代目が、世界へ発信する備前。

「歴史をつなぐためには、新しいことをしていかなければいけない」
と、備前市伊部に窯を構えて18代目となる、木村英昭さんは言う。
文献が残り、確実に遡ることができるのは桃山時代だそう。
窯が家庭の中心に据えられ、代々続いていく「備前焼」の歴史。
木村さんにとっては、家に窯があるのも、18代目になり、
備前の歴史をつないでいくことも「当たり前のこと」だと言う。
その「当たり前」を続けるために木村さんは、大学卒業後、バルセロナに留学。
「技術的には備前で修業するのが一番だとは思います。
でも、新しいデザインや色彩感覚を得るためには、
一度離れる必要があったんです。
スペインには土の文化もありますしね」
アパートからサグラダファミリアが見える生活を経て、
木村さんのオリジナルなものがつくりたい、という想いは強くなっていく。
そして、新しい世界観をつくっていかなければ、
備前の歴史をつなげていくことはできないと確信するに至る。
「桃山時代に日常雑器として使われていた備前が、
千利休の『茶の湯』の世界観で高まった。
もう一度、備前の価値を高めることが、
次の世代につなげていくために必要だと思うんです」
だからこそ木村さんは、片足を商品としての器づくりに、
もう片足を現代美術としてのオブジェ制作に置いている。
「ウエ坊」と名付けた小さな壷のような生物のような陶器を無数に並べ、
インスタレーションで備前焼の世界観を表現している。
木村さんが使う土は、祖父が掘り出したもの。
2代寝かすと「いい感じ」にこなれるらしい。
代々続く歴史に、18代目の痕跡を刻む木村さんの挑戦は続く。

先代、木村さん、お弟子さんの3人で使っているアトリエ。穏やかな光の中、黙々と轆轤を回し、お店で販売するための器も製作している。

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