お醤油は生きている。ここへ来て、それを強く実感しました。
今では数少なくなってしまった、天然醸造の醤油を造っています。
秋から冬の間に仕込み、2〜3年熟成させて造ります。全て杉の木桶仕込みです。
100本ある木桶のうち、常時80本くらいを使っているそうです。
明治初頭、1875年の創業で、その頃からもう100年以上使っている木桶もあるのだとか。
2階へ上がってみると、ずらりとたくさんの木桶が並んでいて、その光景は圧巻です。
発酵したお醤油の匂いが、辺りに立ちこめています。
桶の中を覗いてみると、ひとつひとつがそれぞれ違った様子で生きていて、
ぶくぶく元気に泡立っているものや、
もうすっかり落ち着いて滑らかな静けさのもの、
これからがんばろうという息吹を感じるものなど、
全てに表情があり、その様子が神秘的で、見ていて全く飽きません。
夏の暑い時期を越えることで、酵母が活発になり、とても美味しくなるんだそうです。
年季の入った昔のままの建物にも味わいがあり、
元気な酵母たちがたくさん棲んでいる気配を感じます。


カネモリ醤油のある地域は、昔からきれいな地下水が流れていた場所で、
かつてはあちこちに井戸がいっぱいあったそうです。
すぐ近くには豆腐屋さんや酒蔵が今もあり、
水がきれいな証拠のひとつといえます。
蔵見学の最後には、ここで造った色々な醤油を味見させてもらえます。
ぐぐっと旨味が乗っていて、コクの深い、風味豊かな醤油です。
再仕込み醤油や、7年熟成もあります。
醤油の搾りの時期は、蔵の人が逐一味をみて確認するのだそうです。
一番確実なのはベロメーター、と蔵の人は笑いながら言っていました。
一緒に見学に来ていた小さな子どもが、醤油を一度味見したら止められなくなって、
ずっとぺろぺろ舐めていたこともありました。
ここの醤油で作った、「手造りかきもち」も密かにおすすめです。
時間をかけて天日干しし、乾燥した生地をひとつひとつ揚げた丁寧な手づくりのかきもち。
これが本当に止められなくて、ひとりでこっそり食べ尽してしまいそうな美味しさです。

Information
森山勇助商店
