odekake
posted:2015.3.30 from:島根県 genre:旅行
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
editor’s profile
Kaori Ezawa
江澤香織
えざわ・かおり●神奈川生まれ、東京在住。フリーライター。友人に誘われふらっと訪ねた鳥取の旅で、 その良さに感動し、以後、山陰と深く関わることに。「山陰旅行 クラフト+食めぐり」(マイナビ)著者。 食、旅、クラフト等を通じて、日本文化とものづくりを応援。
credit
撮影:川瀬一絵(ゆかい)
工房では轟々と炎が燃え、職人さんたちは手際良くリズミカルに、
まるで生き物を扱うように、鉄と向き合っています。
「鉄は熱いうちに打て」の言葉通り、素早く作業しなければなりません。
熱々に熱した鉄を、丁度良いタイミングでカンカンカンと叩くと、
みるみるうちに形ができあがっていきます。
流れるように自然で見事な、職人さんの手さばきには見入ってしまいます。
出雲地方東部は、昔から鉄の産地として有名な地域で、
鍛冶職人の技術が向上したといわれています。
安来港は、江戸時代より鉄や鉄製品の積荷港として栄えました。
安来市には和鋼博物館や鉄の神様・金屋子神社もあります。
鍛冶工房 弘光は、江戸時代より鍛冶業を営み、
打刃物や小農器具などを作るとともに、
刀剣鍛練によって日本刀などを作っていました。
工房の中に、ずらりと並んでいるさまざまなかたちの鉄の工具は、
自分たちで使い勝手が良いように、
先祖代々からそれぞれ作るものに合わせて、全て手作りされたものだそうです。
現在は、あかりを中心とした工芸品、インテリア用品などをメインに作っており、
受け継がれてきた匠の技は、それらの作品の中に存分に活かされています。
例えばここで作られた「燭台」は、無駄を省いた清々しいフォルムで、
いつまでも眺めていたいほど、うっとりするような美しさです。
さりげない、シンプルなデザインですが、
細部に職人ならではの細やかな気配りが伺えます。
火を灯すと、花や星の模様がふわりと映し出される燭台は、
女性職人である柘植由貴さんの作品。
繊細で、優しく穏やかな雰囲気にほっと心が和まされます。
Information
鍛冶工房 弘光
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