上五島を代表するレンガ造りのクラシックな教会。
奈摩湾を望む小高い丘に立つ青砂ヶ浦天主堂は、
頭ヶ島天主堂とともに国指定重要文化財。
澄み切った空とレンガ色のコントラスト、
そして正面上部に刻まれた「天主堂」の文字を、
立ち止まってうっとりと見上げること数分。
中に入ると、さらに素敵な空間が広がっていました。
ちょうど西日の差し込む時間帯で、
ステンドグラスの光が内部を鮮やかに彩っていたのです。

こうもり天井と呼ばれるドーム型の天井は空間に広がりを持たせ、
柱などにも細かな彫刻が施されています。
もともと小さな集会所のあったこの地に、教会が建てられたのは1910年(明治43年)。
福江島の堂崎教会や上五島の頭ヶ島天主堂と同様、
青砂ヶ浦天主堂を設計施工したのは、鉄川与助という人物でした。

現在の新上五島町に1879年(明治12年)に生まれた鉄川与助は、
大工の棟梁だった父の下で修業に励み、20歳のとき教会の建築に初めて参加します。
専門的に西洋建築を学んでいなかった鉄川は、各地の神父と本を頼りに、
長崎県を中心に九州各県で数々の教会を手がけ、やがて教会建築の第一人者と称されるように。
青砂ヶ浦天主堂も鉄川の功績が大きいのはもちろんですが、
外国から原書を取り寄せて教会の建築に尽力した神父の存在も無視することはできません。
そして建築に参加した信者の存在も。この教会を造るために、
レンガは佐世保から、石は頭ヶ島から船で運ばれ、
信者たちの手によって海岸から丘まで運ばれました。
建立から100年の時を超えた今も、大勢の人の思いの詰まった教会であることが、
凛としたたたずまいから感じられます。