「旧徳島城表御殿庭園」 わずか50円で楽しめる、 豪壮なお殿さまの庭園

徳島城趾には天守閣はないけれど、とっても魅力的な庭園があります。
「石の使い方が超カッコイイ!」
“庭”にも“石”にもまったく詳しくない一般徳島市民である私ですが、
数年前に初めて訪れた時にそう感じたのです。
それ以来、足を運んでいるのが、ここ「旧徳島城表御殿庭園」です。

豪快な“石”というより“岩”が連なったこの風景をご覧ください。
なんと、この石の上を渡って向こう岸に行くことができるんです。
「落ちたら池にドボン!」な、
安定の悪い岩場の上を歩くのはなんともハラハラドキドキ。

他にも築山に登ったり、枯山水に架かる石の橋を渡ったり、
石にある穴に入ったり。
日本庭園は“静かに鑑賞するもの”だとばかり思っていたので、
大人がこんなに無邪気に遊べる庭園が、とても新鮮に感じました。

この岩の穴に入って耳を寄せるとゴゴーっという音が。パンフレットには“地獄の釜のたぎる音”との記載が。穴のあいてる岩は子宮を、そびえたってる岩は男根を表してるそう! 子孫繁栄を願う祈願石です。

難しいことがわからなくても楽しめるのですが、“うんちく”がわかるともっと楽しい!
ここからはボランティアガイドの讃野さんに教わった話を交えながらご紹介します。

まずこの庭園の大きな特徴は、
お殿様の住居である御殿の目の前にある庭園だったということ。
これは全国的にもとても珍しい形式なのだそう。
確かに兼六園、後楽園、そして同じ四国にある栗林公園なんかは、
お城から離れた所にありますもんね。

「当時のお殿様の気分になって眺めたり、庭園の中を歩くとおもしろいですよ」と説明してくださったのはガイド歴8年になるという讃野さん。

また「枯山水」と「築山泉水庭」という、
ふたつの形式で構成されているのも、この庭園の特徴。
安土桃山時代の後半に茶人武将であった、
上田宗箇の手によってつくられたというこの庭は、
桃山時代の豪壮な気風を反映していると言われています。

入り口の門をくぐってまず目の前に現れるのが「枯山水」の庭。
飛び石に沿って歩いていくと、長さが10.58mもあるという青石の橋が!
徳島は古くから良質の「青石」を産出していたけれども、
これほど大きなものは珍しく、世界一長い青石なのだとか。

青石の橋も松の木もとにかく立派!

ところどころに印象的に植えられている蘇鉄の木は、
当時はとても高価なものだったので“権力の象徴”として
大名庭園によく植えられてそうです。 
そんな貴重なものがこの庭園が17本もあります。

時間によって刻々と変化する 枯山水に写る蘇鉄の木のシルエット。

大きな花崗岩の橋。枯山水の白い小石は大海を、青い小石は浅瀬を表しているそう。

枯山水の庭を進んでいくとあおあおとした池の水が印象的な「築山泉水庭」へ。
「ほら、こっから見て左側が亀の頭に見えるやろ。手前が鶴を表してるんよ」
と、讃野さん。。さっきはゴツゴツした岩の集合体にしか見えなかったものが、
確かに言われてみればそう見える!

左の方が亀の頭で、手前の松のあたりが鶴を表しているそう。何ごとも先達がいると深く楽しめます!

そして、借景となっている城山に目を向けるとアオサギの群れが木に止まって鈴なりに。
あちこちから野鳥のさえずりが聞こえてくるので、とっても清々しい気分に。

訪れた時はちょうどアオサギの恋の季節とのことでつがいになった鳥たちが。

JR徳島駅から徒歩5分という立地。
そしてなんと入場料はたったの50円!
庭園や歴史好きの方にはぜひ訪れて欲しいし、
そうではない方にも徳島駅前でひょこっと時間が空いた時に、
ふらっと訪れてみてほしい。
個性的な魅力が溢れる庭園です。

入場券のイラストがなんだかとっても可愛い。

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