一時は世界遺産登録の声まであがった「四国霊場88か所巡礼」。
白い衣装に身を包んだお遍路さんが、
空海こと弘法大師さまにちなんだ四国の霊場88か所を
渡り歩く姿を四国のあちこちで見かけます。
今では観光バスや車でまわるお遍路さんが大半ですが、
交通手段や道路が整っていない江戸時代は歩いて回っていました。
当時の巡礼ルートのなかでもひときわ長く険しい道が、
徳島県の南、海部郡海陽町一帯にありました。
そこに建つ「鯖大師本坊」は、
四国別格霊場 第4番札所の「鯖大師本坊」です。
四国別格霊場とは、弘法大師さまゆかりの地であり、
なおかつ四国霊場88か所には含まれていない霊場。
20か所のお寺が四国内に点在します。
四国霊場88か所を巡ったあとで四国別格霊場を回れば、
弘法大師さまゆかりの地を全部で108か所を巡ったことになります。
108は、人間の煩悩の数ともいわれていますね。

「鯖大師本坊」には、片手に鯖を一本持った弘法大師さまがいます。
かつて弘法大師さまが、この地で塩鯖を運んでいた
欲張りな馬子(今でいう運送屋)の心を改めさせるために
鯖を生き返らせたそうです。その伝説にちなんで、
鯖を持った弘法大師さまは「鯖大師」と呼ばれてきました。
ちなみに、鯖を3年間絶って祈念すると
願い事が叶うという言い伝えもあります。ぜひお試しを。