odekake
posted:2014.3.31 from:徳島県徳島市 genre:旅行
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
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Shikoku tairiku
ウエブマガジン四国大陸
「ウエブマガジン四国大陸」は、食、暮らし、自然、風景、仕事、歴史など、四国の密やかな魅力を発信中。四国に住む、デザイナー。編集者、イラストレーターなど、20~40代の他業種のメンバーで運営している。
http://459magazine.jp/
JR徳島駅の北側、こんもりとした城山の麓にある緑豊か案公園を通り抜け、歩くこと約10分。
公園を抜けたところに、趣き深い数寄屋造りの庵があります。
この地で和菓子を作り続けて34年になる「菓游 茜庵(かゆう あかねあん)」。
入り口にあるつくばいにはいつも時節の花がたおやかに飾られています。
暖簾をくぐると、障子越しにやわらかな光が射し込む凛とした空間に、
季節の和菓子やわらび餅、焼菓子などがゆったりと並んでいます。
「徳島は和菓子作りには欠かせない清らかな水と、
たっぷりと太陽を浴びて育ったふくよかな果実や野菜が自慢の地です。
そんな美食の宝庫、四国徳島生まれの菓子屋として、
良い材料を使うことを、とにかく大切にしています。
毎年素材の生産地を訪れ、生産者さんと直に話をしながら、お菓子をつくっています」
と、庵主の西川佳男さんは話してくださいました。
創業時から人気の商品であり、茜庵を代表するお菓子が「淡柚(あわゆう)」。
赤ちゃんのほっぺたのようにやわらかな羽二重生地に、すっきりとした柚子の香り。
弾力があるのに口に入れた瞬間すっきりと溶けていくような軽やかな食感が特長です。
天然のくちなしで美しい翡翠色に色づけされた餡は、
皮を取り除いたなめらかな小豆を柚子の皮で風味付けし、
隠し味の白味噌で華やかな深みを添えて。
そして、餡をくるむ羽二重生地は熟練の職人の手によってきめ細かくふわふわに。
シンプルだけれども他では味わうことができない絶妙な味のハーモニーは、
最良の素材を大切に生かしきる手間を惜しまない、
茜庵の菓子づくりに対する信条をあらわしている逸品だからこそ。
そして、徳島の手土産として人気の一品が、有機栽培のすだちを使った「和のじゅうす」。
日本で初めてJAS認定を受けた徳島のすだち農園で育った果実だけを使って仕立てています。
「実は独特の酸味が特徴のすだち、菓子に仕立てるのは難しい食材なんですよ。
でも有機で大切に育てられたこのすだちは、まろやかで角の立たない優しい酸味。
すだちの果汁と阿波讃岐の和三盆糖を合わせ、
上品な酸味と甘みのあるじゅうすに仕立てることができました」
と、西川さん。
きりりと粋な和のじゅうすは、夏はクラッシャー氷で、冬はお湯で割って飲むのがおすすめ。
手ごろな価格と小粋なパッケージで、ちょっとした手土産にも使いやすく、うれしい商品です。
また、呈茶席では季節の和菓子や、夏はかき氷、冬は善哉などを楽しむこともできます。
お抹茶コース(800円)は香煎茶、季節の主菓子と干菓子、薄茶、柚子じゅうすと
茜庵の魅力がたっぷり味わえます。
ここで出される主菓子は、この呈茶席のために職人さんが特別に仕立てたもの。
立春間近に伺ったこの日は“春遠からじ”という銘の、
春の息吹を感じる美しい きんとんのお菓子をいただきました。
「和菓子を、五感で楽しんでいただけたら、とてもうれしく思います。
お茶席で四季折々の庭の風景をゆったりとご覧いただきながら
豊かな素材に恵まれた徳島のお菓子を気軽にお楽しみいただけたら」
美しい所作で薄茶をさし出しながら、そう話してくれたのは若女将の西川亮子さん。
洗練されたあたたかいおもてなしで、
すっと背筋の伸びる心地良いひとときを過ごすことができる
誰かに教えたいけど、秘密にもしておきたい、そんな素敵なお店です。
information
菓游 茜庵
住所 徳島県徳島市徳島町3-44 (専用駐車場有)
TEL 088-625-8866
営業時間 9:00〜19:00(呈茶席は10:00〜17:00まで)/
元日のみ休
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