五島産の原料で、ここでしか生まれない味を作る。
福江島で唯一の焼酎醸造所である五島列島酒造は、
遣唐使船の最後の寄港地として知られる三井楽町にあります。
2009年に創業した新しい醸造所ですが、平成24年福岡国税局管内酒類鑑評会で、
麦焼酎「五島麦」が出品143銘柄のうち1位に相当する大賞を受賞。
いまや島を代表する特産品となっています。
福江島は五島列島のほかの島々と比べて平坦で、田畑が多いところ。
せっかく島内で米も麦もサツマイモも作っているのだから、焼酎を造らない手はない、
ということで焼酎造りが始まったそうです。
社長であり、杜氏でもある谷川友和さんが、
蔵を案内しながら焼酎の醸造工程を説明してくれました。


杜氏の谷川友和さん。
まず、蒸した麦や米に麹菌を加えて麹を作ります。
最初に行うこの麹作りは、できあがりの味を左右する最も重要な工程のひとつ。
原料自体のできも毎年微妙に異なるので、
それを踏まえたうえで一定の味の焼酎を醸造できるかどうかが、
杜氏の腕の見せどころなのだと谷川さんは言います。
次に酵母を増殖させる一次しこみ、
そこでできたもろみに芋と麦を混ぜ合わせて加え、二次しこみを経て蒸留。
もろみを蒸留器で沸騰させて、発生する水蒸気を冷やしたものが、焼酎の原酒になります。
蔵の奥にどっしりと鎮座している蒸留器は、ウイスキーのポットスチルと同じように、
タンクの上部から突き出たパイプが、途中で折れ曲がっている独特の構造をしています。
このパイプの形状が、味と香りのバランスの決め手となるのだそう。
さらに原酒をろ過して2年間熟成させることで、ようやく商品として出荷されます。
「麹は生き物と一緒なので、毎日の温度管理が大切。
麹作りの時期に台風が来て停電して、機械が動かなくなってしまったため温度管理ができず、
麦の麹を泣く泣く全部捨てたこともあります」と谷川さん。
そんな苦労を経て昨年大賞を受賞できたことは、さぞかし励みになったはず。
もともとレストラン関係の仕事をしていた谷川さんは、
熊本で酒造りの修業をして、その面白さと奥深さにどっぷりのめり込んでしまったそう。
以前は飲まなかった焼酎も、
今では大好きどころか、お酒の話をするだけで自然と頬が緩んでしまいます。
「居酒屋なんかで、自分が造った焼酎をおいしそうに飲んでいる人を見かけると、
本当にうれしいですね」
五島列島酒造の焼酎は、五島で育てられた大麦を100%使用した麦焼酎「五島麦」と、
五島の特産「かんころ餅」の原料となる高系14号という品種のサツマイモを
100%使用した芋焼酎「五島芋」の2種類。
どちらも五島産の原料のみで造っています。
通常のサイズは720mlですが、島内限定商品として
900mlのボトルを同じ値段で買うこともできます。(メイン写真は900ml)

美しいボトルの芋焼酎「五島芋」は1470円、麦焼酎「五島麦」は1298円。ともに720ml。
information
五島列島酒造
住所 長崎県五島市三井楽町濱ノ畔3158
TEL 0959-84-3300
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
蔵見学は要予約
http://www.gotoretto.jp
