初めて行った鳥取は、学生時代のことでした。
当時鳥取と言えば砂丘ぐらいしか知らなくて、
その日は大雨が降っていて風が強くて砂がばさばさと舞い上がり、
砂丘に5分といられなくて、そそくさと帰った記憶があります。
鳥取に、あまり良い印象はありませんでした。
そしてもっと大人になってから、再び鳥取を訪ねる機会がありました。
器屋を営む友人に誘ってもらい、買い付けにくっついて行ったのです。
その旅では毎日お天気がよく、山や畑の緑がきれいで、
真っ白な砂丘の向こうには、
どこまでも青い海がきらきらと広がっていました。
友人と一緒に訪ねた窯元には素晴らしい器がたくさんあり、
みんな親切で温かく、見えなくなるまでずっと手を振ってくれました。
海の幸、山の幸が豊富でどこへ行っても新鮮でおいしく、
(鳥取に来てから、日本酒が好きになりました。)
温泉に入って肌はしっとり、ぽかぽか温まりました。
以前行った鳥取は、一体なんだったんだろう、というくらい、
楽しいことが多過ぎて、印象ががらりと変わりました。
それ以来、鳥取への興味がぐんと増し、
いつしか本を作るまでになっていました。

鳥取って、県のマークも鳥のかたちをしています。
因幡の白うさぎ伝説のうさぎが祭られています。
きのこを専門に研究している機関があります。
白バラという名前の牛乳があります。
(ゲゲゲの鬼太郎の)妖怪も住んでいるけれど、
絵本の世界のような風景が、たくさん残っています。
どこか愛らしくて、ほのぼのとした県だなぁ、と感じています。
私は鳥取出身の人間ではないけれど、
心がほっとする故郷のような場所に出会えたことを嬉しく思っています。
これからもゆっくり長くお付き合いしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
