odekake
posted:2013.7.9 from:青森県弘前市 genre:旅行
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
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まるごと青森
「おいしいもの好き」「旅行好き」「健康にいいもの好き」。りんごとねぶたと十和田湖と雪ぐらいしかイメージが湧かないなどといわれる(こともある)青森で、そんな「△△好き」の方々のココロに届く情報を青森側から案内するために、2005年3月にスタートしたブログ。取材と執筆を担当するのは、若干ヘンな部分も、ストレートに素晴らしい部分も含めて、青森を愛する匿名のメンバーたち。「凄い素材」をみつけるたびに、青森のポテンシャルを日々実感中。
http://marugoto.exblog.jp/
弘前市の「緑屋」は、35年続くラーメンの専門店。
いわゆる「百年食堂」系のお店のように、
食堂でカレーやそばなどと一緒にラーメンを提供してきたお店が、
弘前市には少なくありませんが、この店は煮干し系ラーメンだけを出す専門店。
30年以上通い続けているというお客さんも少なくない、草分け的なお店です。
創業時の店主である阿部春雄さんのご実家は、
田舎館村の川部駅前で旅館と食堂を営んでいたそうで、
幼少の頃から美味しいラーメンに囲まれながら育ったとのこと。
自ら「こだわり性」を自負していた阿部さんは、
かつて弘前の散髪業界ではカリスマ的な存在だったそう。
それでも、ラーメンに対する熱い思いが冷めることはなく、
ラーメンの専門店を創業しました。
現在は、春雄さんは隠居し、娘の智子さんがその味を継承して、
娘さんと手を携えてお店を切り盛りしています。
スープは、煮干しをベースに豚骨と鶏ガラ、
そして昆布などでじっくりと出汁をとります。
煮干しは臭みが出ないよう1本1本内臓を取り除き、
豚骨や鶏ガラを奇麗に洗うなど、下処理にはもっとも時間をかけるのだとか。
早朝4時前に始まるスープづくりは、6時間以上の時間をかけて完成。
奇麗に透き通ったそのスープは、
煮干しの上品な風味とそれぞれの素材からしみ出たうま味のバランスが絶妙で、
まさに素材の黄金比!
当然ながら、麺にも相当なこだわりが。
麺に使う小麦粉は、春雄さんから受け継ぎ、
他のラーメン店では使用しない特殊なもの。
繊細なスープの味を邪魔しないよう、
ラーメンの麺にとって欠かせないかん水は通常の3分の1程度しか入れません。
細く伸ばされた麺は、
1玉1玉を手で揉んで弘前地域独特のちぢれ麺へと仕上げていきます。
1日に作る手打ち麺は40玉くらいが限界とのこと。
麺の茹で時間は約30秒とかなり短かめ。
デリケートな麺なので、強い弾力やコシはそれほどありません。
しかし、しっかりちぢれた麺はこだわりすぎたスープと絡み、
啜った瞬間にスープと麺のそれぞれの香りが均等に行き渡り、
やめられないし、止まらない。これぞ「緑屋」の真骨頂なのかもしれません。
しかもこれでは終わらない。極上チャーシューも凄いのです!
豚のロースで作るそれは、
食感を味わって欲しいという理由から、あえて2日間も熟成させます。
味がしっかりと染み込み、なおかつしっとり。
舌に乗せた瞬間の存在感も味も香りも食感も、すべてが贅沢。
春雄さんの教えは、
「儲けを考えるな。できる分だけの手打ち麺をつくれ。妥協はぜったいするな」
父の教えをしっかり受け継ぎながら、
素材にこだわった健康ラーメンづくりに励んでいる緑屋さんに心からありがとう!
最後に、ラーメン通のあなたへおすすめするメニューは、手打ち麺の塩ラーメン!
夜明け前から煮込んで仕上げたダシを、塩だけで味付けした極みのスープ。
超シンプルな究極の塩ラーメンですが、これもまたこの店でしか味わえない妙味なのです。
ちなみに、緑屋ファンの中には、
手打ちチャーシュー麺と手打ち塩ラーメンを時間差で注文する御仁もしばしば…。
麺がなくなり次第閉店なので、ぜひお早めに!
緑屋
住所 青森県弘前市豊田1-1-2
TEL 0172-27-0411
営業時間 11:00 〜 16:00
水曜休
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