美容室の階上に隠れた サロン空間「salon as salon」

カフェオープンのきっかけは、 社交場的ヘアサロン「群青」

蔵造りの建物が軒を連ねる松本市の中町通りで、20年以上も続く美容室「群青」。
落ち着いた雰囲気ながら、先駆的な音楽や映画のイベント、
気鋭のアーティストによる絵画や写真の展示など魅力的な企画が行われ、
同じ感性を持つ人々が自然と集まる、社交場としての一面も。
ヘアサロンとしての意味合いを越えた、
松本の「今」を感じることができる「サロン(社交場)」と言える空間なのです。

美容室の常連同士でスタート。 内装はほとんどを自らの手で。

そんな「群青」の奥に伸びる階段の先に広がるのが、2階のカフェ「サロン・アズ・サロン」。
常連さんから「サロサロ」と愛称されるこの店は、隠れ家のような雰囲気がなんとも魅力的です。
店に立つ小林由紀子さんと鈴木木実子さんのおふたりは、
もともと「群青」の常連で、そこで働く共通の友人を介して知り合い、
2003年に自然な流れで2階の和室空間をカフェに改装することに。

内装はおふたりと、「群青」の店主・宮澤勇さんとでほとんどを手がけ、
杉綾に組まれた床板も一枚一枚自分たちで貼ったのだとか。
「とにかく大変でした」と笑う小林さんですが、
自分たちの手で時間をかけ、丁寧につくり込んだ空間だからこそ、
店に立つふたりがしっくりと馴染んで見える仕上がりになっています。
店構えは隠れ家のようで一見マニアックな趣ながら、
通りに面した大きな窓からは中町を見渡せ、実は開放的な雰囲気です。

週末のみの営業から、 徐々に広がっていった輪。

開店当初は週末だけの営業で、「群青」でのヘアカット帰りに寄るお客さんがお茶を飲んだり、
布作家でもある鈴木さんがつくるバッグを友だちに見てもらったりするような空間でしたが、
徐々に顔なじみも増え、今の営業スタイルへと移行したのだそう。
ふたつの店は持ちつ持たれつ、そっと寄り添いながらも互いに主張せず、
上質な雰囲気を保っているのです。

松本カルチャーが行き交う場所。 国内外のゲストを招いたイベントも。

さらに、「群青」や「サロサロ」を会場にして、
国内外のアーティストを招いて開催される不定期の音楽イベント「nami to kami」は、
長野県ではあまり馴染みのない音楽や、地元でおもしろい音を追求する人たちを積極的に紹介し、
毎回多彩でクールなゲストが登場しています。
主催者のひとり、犬飼厚仁さんもまた「群青」の常連客。
現在は県外で暮らしながらも松本に通い続けているのだとか。
すべては、この松本カルチャーが行き交う「群青」や、
「サロサロ」という空間に惹かれた人々が集まり、はじまったこと。
カフェは文化をつくるのだとつくづく実感する場所なのです。

ちなみに「nami to kami」は、「群青」を会場にして、
県内ではあまり馴染みのない音楽を積極的に紹介する不定期の音楽イベントのこと。
「サロサロ」で行われる場合は、
nami to kami番外編「window of a cloudy day」となります。
例えば、韓国のソウルで注目されている若手ミュージシャンが来日し、
松本に韓国インディー・シーンの新風を吹き込んだ、なんて具合です。