旅館とは、その地域を伝えるためのショールーム
新潟県の玄関口、越後湯沢駅西口目の前にある〈HATAGO井仙〉。
古民家風の風情ある扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのは
魚沼のおいしいものを厳選してお届けするお土産処〈んまや〉です。
塩沢地区で江戸時代に創業した〈鶴齢〉の蔵元〈青木酒造〉との
コラボレーションによって生まれた限定酒〈仙七〉、
雪の中で寝かせて熟成させた〈豪雪ワイン〉など、
ここでしか買えないものも並ぶ〈んまや〉は、
地元の人にも愛されるローカルショップです。

新潟の「んまい(うまい)」ものを集めた〈んまや〉。ネットショップも展開しています。
この〈んまや〉の右奥には、喫茶室〈水屋〉が併設。
ここでは専属のパティシエがつくる、
魚沼産コシヒカリの米粉を使用して焼き上げたロールケーキ〈湯澤るうろ〉や
〈水出し温泉珈琲〉などの定番メニューはじめ、
地元の特産を生かしたさまざまなスイーツが楽しめます。

魚沼産コシヒカリの米粉を使用して焼き上げている〈湯澤るうろ〉1切340円は、お店の看板メニュー。持ち帰り用の一本タイプも人気。越後湯沢の新たな名物スイーツとして注目を集めています。

地鶏の卵と〈HATAGO井仙〉が引いている源泉で蒸した〈温泉プリン〉320円。
「旅館とは、地域を疑似体験してもらうためのショールームである」
〈HATAGO井仙〉4代目社長・井口智裕さんの言葉が染みる〈んまや〉と
〈水屋〉を堪能したあとは、宿泊部屋へ。
冬はスキーやスノーボード、春は山菜採り、
夏から秋にかけてはトレッキングなど……。
旅の目的に応じて、過ごしたい時間に合わせて宿泊部屋を選べるよう、
8タイプ16の部屋がある〈HATAGO井仙〉には、
四季を通して国内外から多くの人が宿泊します。

露天風呂の間〈雅 MIYABI〉。窓1枚で隔てた露天風呂は24時間、源泉かけ流しの温泉が楽しめます。2名1室22,500円〜。
「東京のお宿は金額も高く、お部屋のサイズも小さい。
であれば東京から新幹線で約1時間30分と、
さほど遠さを感じない〈HATAGO井仙〉で、
おいしい地酒と食と源泉かけ流しの温泉を堪能したい。
そう思って宿泊してくださる海外のお客様もよくいらっしゃいます」

和室露天の間〈駿SHUN〉。冬になると丸いこたつが置かれます。2名1室19200円〜
〈HATAGO井仙〉ホールマネージャーの梅澤美香さんの話を聞きながら、
宿泊部屋を巡ると、海外からの宿泊客が多いことに納得。
まず、ひとつひとつの宿泊部屋はもちろん、廊下もすべて畳敷き。
つまりスリッパを使わずにすむ館内は、
まるで館内がひとつのお部屋のように暖かく、素足でほっと寛げるのです。
このさりげない和のしつらえに深く心癒されるのは、
日本人だけでなく海外の宿泊客も一緒。
また、さりげないおもてなしと言えば、魚沼の水も欠かせません。

「魚沼産コシヒカリは全国的にも有名ですが、
新潟で食べるコシヒカリはなお美味しいんですよ。
それはなぜか。お米を炊く水に理由があるんです。
お水がおいしいからお米もいっそうおいしく炊けるんです。
例えばお客様にお水をお出ししますよね。
そうすると、とてもおいしく感じられるようで
これはミネラルウォーターですか? とよく聞かれるんですが、
実際は普通の水道水。どうやら地元の人間が普通に使っているものが、
当たり前ではないことがあって、なかでも水に関しては特にお客様に驚かれます」

無色無臭のさっぱりとしたアルカリ性単純泉。