odekake
posted:2018.8.3 from:新潟県長岡市 genre:旅行
PR 新潟県
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
writer profile
Kiyoko Hayashi
林貴代子
はやし・きよこ●宮崎県出身。旅・食・酒の分野を得意とするライター・イラストレーター。旅行会社でwebディレクターを担当後、フリーランスに転身。お酒好きが高じて、唎酒師の資格を取得。最近は野草・薬草にも興味あり。
credit
撮影:水野昭子
長岡駅から車を走らせること約10分。
山寄りの静かなエリアに、ロッジ風のおしゃれなショップが。
「ここにしかない価値」をテーマに、自然派の食材と、
ライフスタイルを提案するセレクトショップ〈LIS(リス)〉。
もともとは老舗旅館だった建物をリノベーションし、2017年4月にオープン。
子育て世代を中心に、幅広い年代のファンが訪れます。
実はこのお店、〈FARM8〉、〈たつまき堂〉、〈ブックスはせがわ〉の
3社のオーナーの共同経営。
〈FARM8〉の樺沢敦さんは、長岡の食材を用いた、自社開発の加工食品を。
〈たつまき堂〉の猪俣雄大さんは、国内外のオーガニックや
マクロビオティック食品、着心地のよい服を専門に。
〈ブックスはせがわ〉の長谷川敏明さんは、特定の世代にかたよらず、
子どもから年配にまで「読んでみたい!」と思わせる本、
雑誌、絵本、雑貨をとり揃えています。
1階は、3人のオーナーが選りすぐった品々が並ぶマーケットスペース、
奥の階段から2階に上がれば、広々としたギャラリースペースが展開しています。
これまでに、長岡で活動する陶芸家、版画家、写真家、
服飾作家、ガラス職人といったアーティストの作品展示を行ってきたそう。
ときにはリース教室や、アコースティックライブを開催したり、
トークセッションイベントの会場としても使っているのだとか。
「〈LIS〉は、Local Identity Storeの略。
長岡には、いまはまだ広く知られていないけれど、
おもしろいことをしている人が結構いるんです。
地域に住んでいる人の個性、自分たちでつくった何かとか、
そういうものを表現できる店にしようと思ってオープンしました」(樺沢さん)
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3人のオーナーは、それぞれにまったく違った事業を展開しています。
それも、ちょっと風変わりで新しい、アイデアに満ちた事業形態。
FARM8の樺沢さんは、長岡の地域資源を活用した、
加工品の開発やプロデュースを行っています。
新潟は国内でも有数の酒どころ。
日本酒を絞る際に出る酒かすは、栄養価が高いことは知られるものの、
ほとんどは産業廃棄物として処分されています。
その酒かすを用いて、さまざまな商品を開発してきたFARM8。
例えば、まるでフローズンヨーグルトのような、
なめらかな味わいの「酒かすジェラート」、
お湯を注ぐだけでおいしく飲める「酒かすドリンク」、
さまざまな料理に活用できる「酒かすパウダー」など。
暮らしに気軽に発酵食品がとり入れられるとあって、じわじわ人気を集めています。
ほかにも、新潟県産コシヒカリを焙煎した〈玄米コーヒー〉や、
“日本酒版サングリア”として楽しめる〈ぽんしゅグリア〉、
醸造のまち・摂田屋の、複数の醸造蔵の商品をひとつにまとめた「発酵セット」など、
そんなアイデアがあったか! と、発見と驚きのある商品がずらり。
たつまき堂の猪俣さんは、もともとはインポートの服や
雑貨をメインに扱うお店を展開していたそう。
「この仕事はもう18年くらい。畳2枚分のスペースから始めたお店なんです。
でも7年前に子どもが生まれてから、ガラッと変わって。
子どもも安心して食べられる『一番イケてるもの!』と思うものを集めていったら、
マクロビオティックや、オーガニックに行き着いたという感じですね」(猪俣さん)
LIS以外にも、自然派食品やMade in Japanの服と、
立ち飲み喫茶を併設した店舗を持つ猪俣さん。
さらには地元の豆腐店の棚を借りて、オーガニック食品を販売するなど、
型にはまらない事業形態をとっています。
ブックスはせがわの長谷川さんは、もともと書店経営だったのを
突如、お店を持たないスタイルに転向。
さまざまなイベントに出店しながら、美容室、ギャラリー、
服屋といった、店舗に置く本の提案やセレクト、
ときにはショップと本のコラボレーション企画などを行っているそう。
現在もLISを拠点にしながら、“移動本屋”として活動中。
長谷川さんの本のチョイスには定評があり、
樺沢さんが「ファンのつく本のセレクト」というのも納得のラインナップ。
LISでは、食関連、地域づくり関連といったテーマで
頻繁に本の陳列を変えているのだとか。
また活動範囲の広さから、写真家、陶芸家といったアーティストとのつながりも深く、
長谷川さん経由で、2階で行われる展示が開催されることもしばしば。
長岡生まれの3人は、互いのことは知っていたものの、
昔から接点があったわけではなかったそう。
ですが、樺沢さんがふたりをスカウトし、共同運営を始めて1年半。
地域のさまざまなネットワークを持つ長谷川さんや猪俣さんを介し、
それについてきてくれるお客さんなど、良質なつながりが生まれ
相乗効果をもたらしているといいます。
「私たちも知らなかった、長岡のまだ見えていない“底”に出合えますよ。
2階のギャラリーも、地域に眠っている個性派アーティストの出口や媒体として
使ってもらえるとうれしいですね」(樺沢さん)
長岡という地域に眠る、まだまだ知られざる可能性に出合える場所として、
着々とファンを増やすLIS。
ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか?
『新潟のつかいかた』でも〈FARM8〉と樺沢敦さんの活動について
詳しく紹介しています。記事はこちらから↓
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LIS
*現在は営業形態を変え、移転しています。
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