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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
おいしいものを詰めるとき、
蓋を開けるとき、わくわくしてしまうお弁当。
携帯食は世界中にあるけれど、
お弁当箱が発達しているのは、日本がダントツなのだとか。
今日は、そんなお弁当を家でも楽しむために生まれた、
美濃焼のお弁当箱〈ieben(イエベン)〉をご紹介します。
手がけたのは、お弁当を愛する料理家、野上優佳子さんと
岐阜県の窯元〈芳泉窯(ほうせんがま)〉の北邑(きたむら)宜丈さん、
プロダクトデザイナーの島村卓実さん。
3人のお子さんを育てながら料理家として
忙しい日々を送っている野上さんは、
家で夜ごはんを食べれないとき、
「すぐに食べられて、片付けも楽で、
そして蓋を開けるときの楽しさによって
少しでも寂しさが軽くなれば……」という思いから
家族のためにお弁当を用意して出かけるといいます。
「残り物をただ皿に乗せてラップをすれば
残り物でしかないけれど、それらをひとつの弁当箱に詰めると、
その集合体は“お弁当”という食事に変身します。
ふたを開けるだけ。食べ終わったら洗い物は、お弁当箱ひとつだけ。
弁当の、その清々しさが好きです」と、野上さん。
そんな野上さんの思いと芳泉窯の技術、
島村さんのデザインから開発されたのが、ieben。
丈夫ながらも、重さは軽い方がいい。
そんなリクエストを受けて芳泉窯の北邑さんが試行錯誤を重ね、
ほど良い厚みと重さのお弁当箱ができました。
電子レンジや食洗機、オーブンにも使用できます。
また、一箇所だけ丸みのない角になっているところからは、
スープなどの汁物を飲みやすく。
いたるところに、細かい工夫が施されています。
重ねられるから、冷蔵庫のなかで場所をとらないのもいいのだとか。
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岐阜県、東濃地域で生産されるやきもの「美濃焼」。
芳泉窯は、その地で1947年に創業した窯元です。
現代表の北邑さんがこだわっているのは、陶器の原料である粘土。
3年の月日を費やし、主に東濃地域で採れる粘土に
天然鉱石を加えたオリジナルの粘土を開発しました。
そんな土へのこだわりから生まれたのが
石のようなマチエールのセラミックブランド〈likestone〉。
iebenは、このシリーズのひとつです。
割れてしまった陶器を粉砕して粘土に混ぜたり
発色の異なる粘土を混ぜ合わせることで
有機的な風合いのうつわに仕上がったのだそう。
石のようなフラワーベースは、ほんものの石みたい!
マットな質感が何とも素敵です。
デザインとブランドディレクションを手がけた島村卓実さんは、
食品から車、バス、建築、家具などのデザインを手がけるプロダクトデザイナー。
間伐材をデザインしたプロダクトシリーズ〈monacca〉は
MoMA(ニューヨーク近代美術館)でも販売されたのだとか。
食卓にオーガニックな風を運んでくれる、likestoneシリーズ。
ぜひ使ってみたいですね!
information
likestone〈ieben〉
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