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posted:2016.8.23 from:長崎県長崎市 genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築
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writer profile
Yuki Hashimoto
橋本ゆうき
はしもと・ゆうき●長崎県出身。これからの社会や暮らしについて考えるフリーペーパーの発行や、地元タウン誌の編集長などを経て、2016年よりフリーで活動。現在は長崎県西海市に移住し、より地域に密着しながら、豊かな暮らしのあり方を模索中。
ユネスコの世界遺産暫定リストにも登録され
注目を浴びている〈長崎の教会群とキリスト教関連遺産〉。
修学旅行などで、一度は国宝〈大浦天主堂〉を訪れたことがある! という方も、
少なくないのではないでしょうか?
ヨーロッパと日本の建築技術が出会い、生まれた、独特の建築様式。
ステンドグラスや細部の装飾に宿る荘厳な美しさは、訪れる人の胸を打ちます。
でも、長崎の教会やキリスト教関連遺産の素晴らしさは、
「目に見える」建築物としての美しさだけではありません。
キリスト教の伝来と繁栄、弾圧と潜伏、そして奇跡の復活という、
世界でも類を見ない歴史を生み出した、
「信じることをあきらめない人々の想い」の物語こそ、
本当に知ってほしい、感じてほしいことなのです。
そんな長崎の教会や関連遺産にまつわる“想い”の物語を伝える動画
『Nagasaki Harmony2』が、YouTubeにて公開されています。
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そもそも、長崎にキリスト教が伝来したのは1550年のこと。
かの有名なフランシスコ・ザビエルが、平戸に上陸したことに始まります。
その後、外国との貿易といったメリットもあり、
長崎は“日本の小ローマ”と呼ばれるほど、キリスト教が盛んになったそうです。
ところが、豊臣秀吉が1587年に
“伴天連(バテレン)追放令”を出すと、事態は一変。
徳川の時代も含め、長崎では激しい迫害や弾圧が続き、
キリスト教信者は苦難の歴史をたどります。
しかし、それでも信仰の想いは消えず、
信者たちは、教会はおろか神父さえもいない状況のなかで、
迫害や貧困を乗り越えながら、約250年もの間、信仰を守り継いだのです。
動画では、長崎県内の各所にたたずむ教会や、
熊本県天草市の﨑津教会などの前でシスターや子どもたちが歌をつなぎ、
長崎におけるキリスト教の歴史を紐解いていきます。
そして物語は“信徒発見”の奇跡へ。
鎖国が解かれた後、長崎に居留するようになった
外国人が建てた〈大浦天主堂〉で、
250年に及ぶ禁教の苦難を乗り越えてきた信者たちと神父が、
ついにめぐりあったのです。
動画では最後に、こんなメッセージが。
「ぜひ一度、長崎を訪れてみてください。
そこであなたが目にするのは、
人々が何百年も受け継いできた、希望の光です。」
背後の物語を知れば、教会を訪れた際の感動もひとしお。
すぐには旅に出られない方も、ぜひこの動画で、長崎の教会群や
キリスト教関連遺産の魅力にふれてみてくださいね。
information
Nagasaki Harmony2
Web:公式サイト
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