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posted:2016.8.16 from:愛知県名古屋市 genre:活性化と創生 / アート・デザイン・建築
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writer profile
Takatoshi Takebe
武部敬俊
たけべ・たかとし●岐阜出身。名古屋在住。出版/編集職に従事した後、ひとりで制作・出版する雑誌“THISIS(NOT)MAGAZINE”を手がける。現在は多数のイベントを企画制作しつつ、ウェブマガジン“LIVERARY”を日々更新/精進しています。押忍!
http://liverary-mag.com/
国内外のさまざまな地域から、
多様なジャンルのアーティストが100組以上集結!
3度目となる国際芸術祭〈あいちトリエンナーレ〉が、
愛知県内各エリア(名古屋市、岡崎市、豊橋市)でスタート。
8月11日より10月23日の74日間にわたり、開催されます。
芸術監督に、写真家、映像人類学者として活躍する港千尋さんを迎えた今回。
「〈虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅〉というテーマのもと、
美術・映像・音楽・パフォーマンスなど、現代行われている芸術活動を
できる限り、複合的に扱い、芸術がもともと原初的に持っていたであろう、
自然界との連続性を再発見する」といったコンセプトを掲げています。
なんと、38の国と地域から119組のアーティストが集結。
これまでと同様に、まちなかにアートを散りばめ、
その出会いをも楽しませる演出は今年もそのまま引き継がれています。
豊橋市は今回追加された新エリア。
路面電車が走る風景が残る中心市街地の駅前周辺のほか、
オフィスや飲食店などが入居するビルなどで展示が行われます。
今回、特徴的なのは、ほかの芸術祭では
これまで取り上げられてこなかった、
中近東や中南米といった国々で活躍する、
コアなアーティストの作品が集められている点でしょう。
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それでは、会場のひとつである、愛知芸術文化センターの作品をご紹介。
センター内の愛知県美術館の最初を飾る作品は、
〈あいちトリエンナーレ2016〉公式ポスターの
メインビジュアルにも起用されているアメリカのアーティスト、
ジェリー・グレッツィンガー。
彼は、これまで50年以上も架空のまちの地図を
ひたすら個人的に描き続けてきた人物ですが、港芸術監督の目にとまり、
今回初めて、日本で紹介されることになりました。
壁と床を使い、溢れんばかりに展示されたカラフルで緻密な架空の地図は、
足を止めて、じっくりと眺めていたくなる吸引力を持った作品です。
そして、大巻伸嗣による『Echoes Infinity -- 永遠と一瞬』は、
日本絵画の顔料の粉で描かれた花模様。
一辺15mの以上のホワイトキューブを埋め尽くす、圧巻の作品です。
ほか、大巻伸嗣は、〈損保ジャパン日本興亜名古屋ビル〉にて、
暗闇の中にじんわりと空気の流れが浮かび上がる、
インスタレーション作品『Liminal Air -- 黒の深度』を展示。
同じ作家でも、場ごとに作風ががらりと違う作品を
展開しているのもこのトリエンナーレの特筆すべき点でしょう。
また愛知県美術館には、
2006年から世界各地で滞在制作を発表してきた、
アーティスト・三田村光土里によるインスタレーション作品も。
そのほか、総勢35組以上に及ぶ国内外アーティストの作品が、
愛知県芸術文化センター及び愛知県美術館に展開されています。
展示だけでなく、パフォーミングアーツの公演も多く開催されます。
オープニング企画として、会期初日の8月11日から約1週間、
愛知県芸術劇場と穂の国とよはし芸術劇場PLATで上演されるのは、
リオデジャネイロを拠点に活動するダンサー兼振付家のダニ・リマ主宰、
『Little collection of everything』です。
彼女のカンパニーによる公演は、日本初上陸。
この舞台では、カラフルでビビットな日用品を使って、
4人のダンサーが不思議な世界観を舞台上に描いていきます。
一貫してポップに描かれたこの作品の世界観は、
もともと子ども向けにつくられたものなので、
大人〜子どもまで楽しめる内容になっていますが、
その裏に、緻密な計算のもと構築された仕掛けがあり、
時に見る者をはっとさせる演出も。
当たり前のモノや概念が違った視点から見えてくる、
そんな現代美術ならではの醍醐味がこの作品の中に
収められていると言えるでしょう。
愛知県の3つのエリアで、往く先々に待ち受ける、
アートとの新たな出会いを楽しんでみてはいかがでしょう。
あなたはどんな旅路を描きますか?
Information
あいちトリエンナーレ2016
住所:名古屋市、岡崎市、豊橋市各所
Web:公式サイト
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