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滋賀の観音様が
上野〈びわ湖長浜KANNON HOUSE〉
におでまし!

コロカルニュース

posted:2016.3.26   from:滋賀県長浜市  genre:アート・デザイン・建築

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〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

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supported by 長浜市

上野のシンボル、不忍池にある弁天島(中之島)は、
寛永寺の開祖・天海が江戸時代に、
琵琶湖に浮かぶ竹生島になぞらえて築かせたとのいわれがあります。
そんな縁から、竹生島にある宝厳寺の〈聖観音立像〉が
不忍池のほとりにおでましになられました。

竹生島の160段以上ある階段の上にある宝厳寺からゆっくりと降りてこられた〈聖観音立像〉。

会場となっているのは〈びわ湖長浜KANNON HOUSE〉。
滋賀県長浜市が東京都内で情報発信拠点としてつくった施設です。
実は長浜市には、130体を超える観音像があり、
その観音像を2か月に1体ずつ、〈びわ湖長浜KANNON HOUSE〉にお招きするのです。

まずお招きしたのは、上記の〈聖観音立像〉。
平安時代後期のもので、67cmの小柄な木造。
左手には壬生蓮華(みぶれんげ)、右手でその花びらをつまむようなしぐさをしています。
比叡山延暦寺横川中堂のご本尊を模したもので、天台宗の影響があると考えられています。

小さな観音様にふさわしく、ミニマルな場所。観音様に対すると、背筋が伸びます。

今回の聖観音立像は、宝厳寺の住職によってお守りされています。
実は長浜の観音像の多くは、古くは奈良・平安時代から千数百年、
地域の人たちの手によって守られてきているのです。

「昔からお堂や仏様の維持管理は、地域の住民が当番制などで行ってきました。
集落ごとに自治会が行ったり、保存会を立ち上げたり。
たった数軒の家だけで管理している地域もあります」と
〈高月観音の里歴史民俗資料館〉学芸員である秀平文忠さんが教えてくれました。

地域の人たちの手によって守られてきた観音像のある小さなお堂。

オープニングイベントで流された映像では、
宝厳寺の住職が「観音様が遠くに行ってしまうのはさみしい」と話していました。
その感覚はもちろん地域住民にもあります。

「観音様が移動される際は、数珠を持ってお見送りされたりして、
生活の一部となっていることを感じます」

この〈びわ湖長浜KANNON HOUSE〉には、観音様は一体ずつしかお見えになりません。
観音像を見てもらうだけではない、大きな目的もあるからです。

オープニングイベントの冒頭で挨拶した藤井勇治長浜市長は言います。
「長浜は、歴史の重みと文化の香りは日本一です。
観音様を通して、市民が営々と守り通してきた営みを感じてほしい」

「長浜には文化財指定を受けている観音像もたくさんありますし、
観音像自体のつくりの技術や美しさも、奈良や京都に負けていないと思います。
そうした貴重なものを、地域住民だけで守ってきたという
“祈りの文化”を知ってもらいたいのです。
みんなで協力して守らないといけないもの。
それができて初めてコミュニティの一員として認めてもらえます。
この行為が、結びつきを強くしています。
観音様は、文化財や工芸品的価値だけでなく、
コミュニティのハブ機能も果たしているのです」と秀平さん。

〈聖観音立像〉が宝厳寺から運ばれてきた映像を見ながら話す〈高月観音の里歴史民俗資料館〉学芸員の秀平文忠さん。

市民は、暮らしのなかで、どう観音様と接しているのでしょう?
観音像が守られてきた文化的な背景を知ると、長浜に行ってみたくなるはず。
まずは不忍池の風が心地いい〈びわ湖長浜KANNON HOUSE〉に足を運んでみてください。

厨子に見立てた囲いは長浜産のヒノキでつくられています。美しい直線が観音像にふさわしい。

オープニングイベントでは、台東区長も駆けつけ、テープカットが行われました。

information

map

びわ湖長浜KANNON HOUSE

住所:東京都台東区上野2-14-27 上野の森ファーストビル1F

TEL:03-6806-0103

営業時間:10:00〜18:00

定休日:毎週月曜日(月曜祝日の場合はその翌日)

入場料:無料

http://www.nagahama-kannon-house.jp/

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