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posted:2016.2.1 from:岡山県瀬戸内市 genre:活性化と創生
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
岡山県瀬戸内市にある、
かつて東洋一といわれた大規模な〈錦海塩田〉。
現在は〈錦海塩田跡地〉と呼ばれるこの地の面積は約500ヘクタール、
東京ディズニーランド約10個分の広さにも相当する区域です。
1956年に干拓され、1962年より製塩事業が行われたのですが、
1971年に国の“第4次塩業整理”により、全国の塩田が廃止。
以降は製塩工場や産業廃棄物最終処分場として使用されてきました。
しかし、産廃最終処分事業が破産のため廃業に。
排水ポンプなど、周辺への影響を考え、
2010年に瀬戸内市がこの地を取得。
いまは2019年春の稼働を目指し、太陽光発電所を建設する
〈メガソーラープロジェクト〉が行われています。
このたび、この〈メガソーラープロジェクト〉の一環として、
塩田跡地に環境デザインのプロジェクト〈錦海ハビタット〉が完成しました。
一見自然のように見えますが、希少な猛禽類の保護を目的に、
猛禽類の餌となる鳥やネズミが増えるような環境デザインが施されています。
塩田廃業から40年以上。ここには既に、雨水と海水の混じり合う
塩性湿地やヨシ原、水路、クリーク(小川)、ヤナギ林などが
混在する環境が形成されてきました。
〈錦海ハビタット〉では、
木を増やすためには、もともと現地で生育していた樹木を苗木から育て、
在来種を主体とした植栽を行っています。
小鳥が隠れやすいように細く曲がりくねらせたクリークには、
水深に変化をつけて水生植物の多様化を促したり、
ネズミ類の隠れ家となるように、樹木を積み上げた場所を作ったり。
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〈錦海ハビタット〉は、環境をデザインする
“エコロジカル・ランドスケープ”のプロジェクト。
エコロジカル・ランドスケープとは、地域環境の潜在能力を活用して、
その地域でなければ成し得ない環境を保全・創出し、
人を含めた生き物にとって健全な生態系を維持するデザイン手法のこと。
下記3原則のもと、人と地球にやさしい環境づくりを行っていくんです。
■エコロジカル・ランドスケープの3原則
1. 地域環境の潜在能力を見極める。
2. 人が手を付けてよいところといけないところを正しく認識する。
3. 人が1/2をつくり、残りの1/2を自然環境に作ってもらう。
〈瀬戸内Kirei太陽光発電所〉が稼働する2019年春、
いったいここにはどんな自然環境が出来るのでしょう。
information
錦海塩田跡地
Webサイト:錦海塩田跡地
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