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posted:2015.11.21 from:京都府京都市 genre:エンタメ・お楽しみ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
11月25日(水)、京都に新しい本屋「誠光社」がオープンします。
店長は京都市左京区の「恵文社一乗寺店」を海外にも知られる人気店へと
成長させた、堀部篤史さん。
新たに店がオープンするのは、京都河原町丸太町。
そのまちの、少しひっそりとした路地に誠光社はオープンします。
京都市左京区のご出身で、京都のことをよく知る堀部さんが
この場所を選んだのは、静かな立地で
わざわざ来てくださるお客さんを相手に商売をしたからだったとか。
今、まちから姿を消しつつある個人経営の本屋さん。
堀部さんは、これまでとは一線を画する経営方法で
新しい本屋のあり方を提案していきたいといいます。
その経営方法とは、できるだけ出版社さんから直接本を仕入れ、
双方の利幅を確保すること。
店主が選書から店番、取引先とのやりとりまで行うこと。
土地に根ざし、お客さまに影響されて店主自身も勉強しながら
変化し続けていくこと……などなど。
堀部さんいわく、本屋さんはまちの光。
そんな本屋さんが全国に百店できれば、
薄暗くなりつつあるまちも少しは明るくなるはず、と語ります。
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数々の本の執筆者・編集者としても活動している堀部さんは、
オリジナルの出版物にも力を入れていきます。
「コテージのビッグ・ウェンズデー」は、
堀部さんが2014年から2015年にかけて、京都と松山で毎月開催してきたイベント
「ビッグ・ウェンズデー」を書籍にまとめたもの。
イベントのコンセプトは、出演者自身が一冊の雑誌となり、
お客さんに特集号を届ける「体験型雑誌」というものだったそう。
この本にはレギュラーゲスト、ミズモトアキラさんと共演した
「タモリ」「伊丹十三」「村上春樹」の3本に加筆修正し、収録。
ページをめくると、堀部さんが恩恵を受けてきた作家や文化への熱い思いがあふれます。
「個人が持つ本や音楽ソフト、映像コレクションや町歩きで見つけた風景に、
当事者たちから聞いた話を編集し、ワンテーマを多角的な切り口で紹介する。
雑誌や本というピッチャーから容れ物へと知識や情報が注がれ、
それをまた別の容れ物に注ぎ込む。
このようにして知的好奇心を持った人々の間で熱量の交換がなされる限り、
どのような形になっても雑誌というものは不滅である。」
(「コテージのビッグ・ウェンズデー」まえがきより)
まえがきや目次を見ただけでもおもしろそう……!
堀部さんの言葉にふれると、本当に知的好奇心を刺激されてしまいます。
「Bookworm House & Other Assorted Book Illustrations」は、
イラストレーターの赤井稚佳さんによる作品集。
これは、ポール・オースターの「ムーン・パレス」に影響されたという、
本好きの集まるマンションを舞台にしたお話なのだとか。
本好きの心をくすぐります。
箔押しの表紙やペーパーバック風のデザインも素敵!
さらに、お店がオープンする11月25日(水)から12月15日(火)にかけて、
イラストレーターの落合恵さんによる作品展を開催。
会場には作品のほか、落合さんが主催する「HIGASHI ALPS」の雑貨や
徳島のロースター「aalto coffee」による「HIGASHI ALPSブレンド」も並びます。
堀部さんのブログには、この他にもイベントや
本の情報がアップされていますので、そちらもぜひチェックしてみてください。
最後に、堀部さんから読者の皆さんへメッセージをいただきました。
「本屋は消費だけの場ではありません。
足を運ぶことによって、情報の位置関係や同時代感覚が身につくメディアです。
探し物をしにくるのであればウェブで十分。
ぜひ、知らないモノに触れに来てください」(堀部さん)
誠光社の隣には「アイタルガボン」という素晴らしいカフェもあるのだとか。
ぜひ一度訪れてみたいですね!
誠光社
住所 京都市上京区中町通丸太町上ル俵屋町437
営業時間 10:00〜20:00
定休日 無休(12月31日〜1月3日までは休み)
電話 075-708-8340
・誠光社
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