被爆70年のヒロシマから 表現を考える展覧会 『ライフ=ワーク』開催中

石内都《ひろしま #99》資料寄贈者:Hagimoto Tomiko 2014年 作家蔵 ©Ishiuchi Miyako

戦後70年。戦争について考える機会も多いこの夏ですが、
広島市現代美術館では「被爆70周年 ヒロシマを見つめる三部作」の第1弾として、
『ライフ=ワーク』という展覧会が開催中です。

この展覧会では、広島の被爆者たちがその体験をもとに描いた
《原爆の絵》を出発点に、自身の人生と表現、
つまり生きることと作品が強く結びついた13の作家たちの作品を紹介するもの。

凄惨な状況を生々しく描き出した《原爆の絵》からは、
戦後も消えることのない被爆者の苦悩が伝わってきます。

小野木明《原爆の絵(柱の下敷になった母親とその助けを呼ぶ少女)》1974年頃 広島平和記念資料館蔵 ©The Estate of Onogi Akira

シベリアで抑留され、その体験を『シベリヤ・シリーズ』の連作に描き続けた香月泰男、
爆心地で二次被爆し、両親も原爆で亡くした殿敷侃などの作品のほか、
被爆者の衣服などを撮影した『ひろしま』シリーズを継続的に制作している石内都など、
現代の作家の作品も展示されています。

香月泰男《運ぶ人》1960年 山口県立美術館蔵 ©The Estate of Kazuki Yasuo

殿敷侃《釋寛量信士(鉄かぶと)》1977年 個人蔵 ©The Estate of Tonoshiki Tadashi Courtesy of Shimonoseki City Art Museum

また若手作家の後藤靖香が、大叔父や祖父の戦争体験の話をもとに
巨大キャンバスに墨で描いた作品や、映像作家の大木裕之による
ドローイングとさまざまなものを組み合わせた新作インスタレーションなど、
多様な表現が紹介されています。

後藤靖香《芋洗》2008年 作家蔵 ©Goto Yasuka

そして同時開催のプログラムとして、丸木位里・俊夫妻によって描かれた
《原爆ーひろしまの図》の公開修復が行なわれています。
広島市現代美術館に収蔵されるまで、
広島平和記念資料館に長く展示されていたこの作品は、
制作から40年余りが経ち、一部修復が必要な箇所が見られます。
美術館の重要な役割のひとつである保存・修復の作業が見られる貴重な機会です。

丸木位里・俊《原爆-ひろしまの図》1973年 広島市現代美術館蔵

世界で原子爆弾により被爆したことのある地はただ2か所。
そのひとつである広島から生と表現を見つめる、注目の展覧会です。

ライフ=ワーク

■《原爆ーひろしまの図》公開修復

会期:2015年7月18日(土)~9月27日(日)

会場:広島市現代美術館

休館日:月曜日(9月21日は開館、9月24日は休館)

※会期中、作品は常時展示していますが、修復作業は不定期に行います。

スケジュールはこちらからご確認ください。

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