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被爆70年のヒロシマから
表現を考える展覧会
『ライフ=ワーク』開催中

コロカルニュース

posted:2015.8.6   from:広島県広島市  genre:アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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Ichico Enomoto

榎本市子

えのもと・いちこ●エディター/ライター。東京都国分寺市出身。テレビ誌編集を経て、映画、美術、カルチャーを中心に編集・執筆。出張や旅行ではその土地のおいしいものを食べるのが何よりも楽しみ。

石内都《ひろしま #99》資料寄贈者:Hagimoto Tomiko 2014年 作家蔵 ©Ishiuchi Miyako

戦後70年。戦争について考える機会も多いこの夏ですが、
広島市現代美術館では「被爆70周年 ヒロシマを見つめる三部作」の第1弾として、
『ライフ=ワーク』という展覧会が開催中です。

この展覧会では、広島の被爆者たちがその体験をもとに描いた
《原爆の絵》を出発点に、自身の人生と表現、
つまり生きることと作品が強く結びついた13の作家たちの作品を紹介するもの。

凄惨な状況を生々しく描き出した《原爆の絵》からは、
戦後も消えることのない被爆者の苦悩が伝わってきます。

小野木明《原爆の絵(柱の下敷になった母親とその助けを呼ぶ少女)》1974年頃 広島平和記念資料館蔵 ©The Estate of Onogi Akira

シベリアで抑留され、その体験を『シベリヤ・シリーズ』の連作に描き続けた香月泰男、
爆心地で二次被爆し、両親も原爆で亡くした殿敷侃などの作品のほか、
被爆者の衣服などを撮影した『ひろしま』シリーズを継続的に制作している石内都など、
現代の作家の作品も展示されています。

香月泰男《運ぶ人》1960年 山口県立美術館蔵 ©The Estate of Kazuki Yasuo

殿敷侃《釋寛量信士(鉄かぶと)》1977年 個人蔵 ©The Estate of Tonoshiki Tadashi Courtesy of Shimonoseki City Art Museum

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原爆を描いた絵画の公開修復も

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また若手作家の後藤靖香が、大叔父や祖父の戦争体験の話をもとに
巨大キャンバスに墨で描いた作品や、映像作家の大木裕之による
ドローイングとさまざまなものを組み合わせた新作インスタレーションなど、
多様な表現が紹介されています。

後藤靖香《芋洗》2008年 作家蔵 ©Goto Yasuka

そして同時開催のプログラムとして、丸木位里・俊夫妻によって描かれた
《原爆ーひろしまの図》の公開修復が行なわれています。
広島市現代美術館に収蔵されるまで、
広島平和記念資料館に長く展示されていたこの作品は、
制作から40年余りが経ち、一部修復が必要な箇所が見られます。
美術館の重要な役割のひとつである保存・修復の作業が見られる貴重な機会です。

丸木位里・俊《原爆-ひろしまの図》1973年 広島市現代美術館蔵

世界で原子爆弾により被爆したことのある地はただ2か所。
そのひとつである広島から生と表現を見つめる、注目の展覧会です。

ライフ=ワーク

■《原爆ーひろしまの図》公開修復

会期:2015年7月18日(土)~9月27日(日)

会場:広島市現代美術館

休館日:月曜日(9月21日は開館、9月24日は休館)

※会期中、作品は常時展示していますが、修復作業は不定期に行います。

スケジュールはこちらからご確認ください。

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