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posted:2015.7.20 from:石川県輪島市 genre:ものづくり
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writer profile
Kanako Tsukahara
塚原加奈子
つかはら・かなこ●エディター/ライター。茨城県鹿嶋市、北浦のほとりでのんびり育つ。幼少のころ嗜んだ「鹿島かるた」はメダル級の強さです。
毎週月曜日にBS朝日で放送中のTV番組『アーツ&クラフツ商会』は、
長い時間をかけて受け継がれてきた、
日本各地の伝統工芸に毎回フォーカスしています。
今回番組で取り上げられたのが、輪島塗。
これは、石川県の輪島半島でつくられる漆器のことで、
その高い技術は漆芸で唯一、国の重要無形文化財にも指定されています。
日本人と漆器の歴史は古く、
漆の樹液を塗料として使い始めたのは、なんと縄文時代。
その後、江戸時代には日本各地でつくられるようになりました。
さて、そんな歴史深い漆器にまつわるユニークな展覧会が
輪島塗のお膝元、石川県輪島漆芸美術館で現在開催中です。
その名も『漆とおばけの世界〜まっくらやみからうるわしや〜』
妖怪と漆器の関係って?
まったく接点がないように見えますが、
漆器が妖怪として古い時代の絵画に描かれていることが多いのだそう。
例えば、
長い年月を経て道具が妖怪化した〈付喪神(つくもがみ)〉。
長く使いこむほどに艶もでてくる漆器だからか、
コミカルな付喪神になって、描かれたりしています。
高貴なイメージの漆器も、絵で見るとなんだかチャーミングです。
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ほかにも、『百鬼夜行絵巻』や河童が描かれた漆器など、
漆芸技法を駆使した漆器や絵画作品が、
前期と後期、合わせて計約70点が展示される予定です。
こちらのおかまの妖怪も、漆独特の色つやが理由か、
愛らしくも妖艶な雰囲気を放っています。
昔からたくさんの人に愛されてきた漆器と妖怪というわけですね。
さまざまな日本文化に影響を与えながら、
時代を越えて受け継がれてきた漆器の文化。
番組では、髹漆(きゅうしつ。漆塗りのこと)の人間国宝・小森邦衛さんの熟練の技に迫ります。
「技術というのは、一度途絶えると復元するのは難しい。
…守らなければならないものはきちんと、伝えていきたい」と小森さん。
洗練された輪島塗の職人技術は、ぜひ映像でご覧いただきたい。
■『セキスイハイム presents アーツ&クラフツ商会』
放送局:BS朝日
放送時間:毎週月曜日夜11:00〜11:30
出演:渡辺いっけい
企画・監修:小山薫堂(放送作家、脚本家)
提供:セキスイハイム
NO.18「輪島塗」
2015年7月6日(月)、7月20日(月)放送
前期:2015年7月4日(土)〜8月5日(水)
後期:2015年8月6日(木)〜9月6日(日)
場所 石川県輪島漆芸美術館
住所 石川県輪島市水守町四十苅11
電話 0768-22-9788
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)※会期中無休
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