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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
海があって、
山があって、
自然のそばに暮らしがある、離島。
今日はそんな島にあるすてきなお店を
たくさん載せた本をご紹介します。
著者は、沖縄に住む編集者・ライターのセソコマサユキさん。
2013年に「あたらしい沖縄旅行」という本を出版し、人気を博しました。
「あたらしい離島旅行」は、その第二弾です。
本に登場するのは、すべてセソコさん自らが足を運び、
取材・撮影まで行った八重山、宮古、瀬戸内、奄美、五島にある
32のカフェやパン屋さん、工房、宿など。
お店にたどり着くまでの道のりや
素朴で気さくなお店の方々とのふれあい、
島の暮らしにフォーカスをあてた紹介文もすてきです。
その中で紹介されているお店のひとつ、
瀬戸内海の大島にあるベーカリーカフェ「paysan」は、
当時東京に住んでいたセソコさんの目を
ローカルな暮らしに向かせてくれた、思い出深い店なのだそう。
「paysan」を訪れたのは、もう7年も前のこと。
煙突から煙を上げる店を訪れ、
オーナーの求光章さん・ゆう子さん夫妻の人柄や
焼きたての天然酵母パンのおいしさ、
何もかも手づくりの生活に感動し、
素朴な暮らしの中にある、新しい豊かさに気づきはじめたのだとか。
ページトップ写真:「ソトノマ」(五島列島 福江島)撮影 セソコマサユキ
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「島で暮らすということは、
経済的な面でも、人間関係の面でも
大変なことはたくさんあるだろう。
それでもぼくの目から見たpaysanは、この島に
しっかりと根付いた暮らしを営んでいるように見えた。
だからパンをつくることは暮らしそのもので、
それは彼らにとって家を造り、
家族とともにいることと同じことなんだと思う。
まるで、暮らしと仕事が溶け合っているような。」
「光章さんのパンは、ただただ生きることに真っすぐで、
正直で、生きる力にあふれている。」
「あたらしい離島旅行」Paysan 暮らしと、パンと、自分たちの手でつくるもの—より
「paysan」を訪れて以来、
徐々に「自分らしい仕事と暮らしのバランスを見つけたい」と
思いはじめたセソコさんは、2012年に東京から沖縄へ移住。
それから、「あたらしい沖縄旅行」と「あたらしい離島旅行」を
書くための旅がはじまりました。
「あたらしい離島旅行」には、
コロカルの「小豆島日記」でもおなじみの「HOMEMAKERS」をはじめ、
島へ移住し、土地に根ざした暮らしを実現している方たちがたくさん登場します。
移住のことを知る本としても、おすすめできる一冊です。
「あたらしい離島旅行」を読んでいると、
自分たちの力でこんなにすてきな
暮らしを営んでいる人たちがいるんだ、とびっくりさせられます。
この本は、新しい暮らしのガイド本でもあるのかもしれません。
旅が好きという方も、島に住んでみたいという方も、ぜひお手にとってみてください。
「あたらしい離島旅行」
著者 セソコマサユキ
発行年 2015年5月
定価 1,500円+税
出版社 WAVE出版
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