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小中高生が斬新な発想で
雑煮のレシピを開発!
オリジナル雑煮コンテスト
「第2回Z-1グランプリ」開催

コロカルニュース

posted:2024.5.17   from:全国  genre:食・グルメ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Saori Nozaki

野崎さおり

のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。

応募総数1107作品。郷土食の代表、お雑煮を若い世代に親しんでほしいと開催したコンテスト

お雑煮は土地ごとに特徴を持つ郷土色豊かな食べ物。
そのお雑煮を小中高生が自由な発想でレシピを考案した
オリジナル雑煮コンテスト「第2回Z-1グランプリ」が開催されています。
2024年4月27日(土)に5つのレシピを調理、実食した三次審査が行われ、
6月1日(土)に行われるグランプリ大会(最終審査)に進む
ふたつの雑煮が選ばれました。

「Z-1グランプリ」ロゴマーク

「Z-1グランプリ」は雑煮と主催者の全国調理師養成施設協会の頭文字から名付けられています。

「第2回Z-1グランプリ」を主催しているのは、全国調理師養成施設協会。
食文化継承の役割を担う調理師を養成する調理師学校の教育振興を目的とした団体です。
若い世代にも、日本の食文化を代表する郷土食、
雑煮に親しんでもらうきっかけ作りにしたいと始まったイベントです。

参加対象は全国の小・中学生、高校生。
第2回となった今回は、全国から昨年開催された第1回を上回る1,107作品もの応募がありました。

テーマは「いつでも食べたい、地元食材で私のオリジナル雑煮!」。
雑煮を、餅を入れた汁物と定義した上で、応募には3つの条件が加えられました。

1. 餅米から加工された餅を入れること(餅の形や調理法は問わない)

2. 地元食材を1種類以上入れること

3. 1杯分の材料費が500円以内であること

4. SDGs(地産地消、食品ロス)を意識すること

全国から応募があったレシピは、地域にある調理師学校での1次審査、Z-1事務局での2次審査を経て5作品にまで絞られました。
実食審査となる3次審査が行われたのは4月27日(土)。
会場は東京都小金井市にある辻調理師専門学校 東京です。

地元の食材を取り入れた自由な発想のある5つの雑煮

今回3次審査に進んだ5作品はいずれも高校生が考案しました。

広島県の高校2年生による「広島満載担々雑煮」

広島県の高校2年生による「広島満載担々雑煮」

ひとつ目の「広島満載担々雑煮」は広島県在住高校2年生が考案。
広島では汁なし坦々麺など辛い麺類が人気。
この雑煮にも担々麺をイメージしたゴマと豆乳入りのスープに、
地元食材の牡蠣、レモンが加えられています。途中でラー油を入れて味変も可能です。

鹿児島県の高校2年生による「かごんま特製雑煮」

鹿児島県の高校2年生による「かごんま特製雑煮」

ふたつ目の作品は鹿児島県在住の高校2年生が考えた「かごんま特製雑煮」。
「かごんま」とは、鹿児島県の方言で「かごしま」の意味。
鹿児島県の雑煮は海老が入っているのが特徴です。
その地元らしい味わいの雑煮に地鶏の黒さつま鶏など、鹿児島県の食材を加えています。

岐阜県の高校2年生による「信長雑煮」

岐阜県の高校2年生による「信長雑煮」

3つ目は岐阜県に住む高校2年生の作品「信長雑煮」。
「岐阜県にあるお城の城主を務めた織田信長が好物だったとされる
干し柿、酒をメインとした雑煮です」
というコメントの通り、お雑煮に干し柿が入っているという斬新さ。
餅は黒豆入り、汁には酒粕を使用。
金箔をトッピングして、城主・織田信長のイメージをお椀の中で膨らませています。

兵庫県の高校2年生による「多幸と明石特産品が詰まった雑煮」

兵庫県の高校2年生による「多幸と明石特産品が詰まった雑煮」

4つ目の「多幸と明石特産品が詰まった雑煮」はタコが有名な
兵庫県に住む高校2年生の作品です。
レシピを考案した高校生はネーミングも工夫。
「タコとたくさんの幸がつまっているという意味をかけて“多幸”にしました」とのこと。
自宅で明石焼きを作ると余ることがあるので雑煮に入れたというSDGsを意識した作品です。
澄まし汁にゆずの皮が添えられて上品な味わいです。

福岡県の高校1年生による「洋風明太子ZONI」

福岡県の高校1年生による「洋風明太子ZONI」

5つ目の作品は「洋風明太子ZONI」。明太子が名物の福岡県に住む高校1年生の作品です。
「栄養面と食品ロスを考え、野菜の芯や皮も使ったお雑煮にしてみました」と
こちらもSDGsを意識。
明太子のトッピングが福岡らしく、焼いた赤い丸餅、
大根やにんじんなど野菜もたくさん。
豆乳も使用したヘルシーなお雑煮です。

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食のプロ4名が、見て食べて審査

左から審査会場校理事長の辻芳樹さん、全国調理師養成施設協会会長の服部幸應さん、料理研究家で食プロデューサーの浜内千波さん、有限会社貴重 ごちそうプロデューサー®の広里貴子さん

左から審査会場校理事長の辻芳樹さん、全国調理師養成施設協会会長の服部幸應さん、料理研究家で食プロデューサーの浜内千波さん、有限会社貴重 ごちそうプロデューサー®の広里貴子さん

審査員を務めたのは、大会を主催する全国調理師養成施設協会会長の服部幸應さん、
審査会場校理事長の辻芳樹さん、料理研究家で食プロデューサーの浜内千波さん、
〈有限会社貴重〉ごちそうプロデューサーの広里貴子さんの4名。

資料と見比べながら、慎重にお雑煮を食べる審査員のみなさん

資料と見比べながら、慎重にお雑煮を食べる審査員のみなさん

高校生のアイデアが詰まった雑煮の審査基準は、以下の4つ。

1. タイトルを含め、独創性や斬新さはあるか

2. SDGs(地産地消、食品ロス等)を意識しているか

3. おいしいか(味付け、素材など)

4. 彩り・見栄えが良いか

高校生が考えた雑煮を調理したのは、会場となった辻調理師専門学校 東京の先生たち

高校生が考えた雑煮を調理したのは、会場となった辻調理師専門学校 東京の先生たち

審査員の厳正なる審査の結果、グランプリ大会に進むことになったのは
鹿児島県在住の高校2年生が考えた「かごんま特製雑煮」と
岐阜県に住む高校2年生の作品「信長雑煮」のふたつです。

審査員のみなさんからの講評からは、どの作品もレベルが高く、
審査が難しかったことが伺えました。

服部幸應さんは「『かごんま特製雑煮』は鹿児島の伝統、
エビを使った出汁の味が生かされている点を評価した」とコメント。
浜内さんは「『信長雑煮』はネーミングを始め、ひとつひとつの特徴がおもしろかった」と
実食審査をとても楽しんでいたようです。

最終審査は2024年6月1日(土)、2日(日)に大阪南港 ATCホールで行われる
〈第19回食育推進全国大会〉会場内の全国調理師養成施設協会ブースで行われます。
1日(土)に2作品が500セットで調理販売され、
実食した来場者が作品のコンセプトや味を評価して投票することになっています。
2日(日)には投票結果に基づいたグランプリが発表されます。
「かごんま特製雑煮」と「信長雑煮」、味も個性も十分な2作品のうち、
グランプリを勝ち取るのはどちらでしょうか。

information

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「第2回Z-1グランプリ」最終審査

日程:実食投票 2024年6月1日(土)/グランプリ発表 2日(日)

会場:第19回食育推進全国大会会場 大阪南港 ATCホール 大阪府大阪市住之江区南港北2丁目1−10 ATC O’s棟 南館

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