「ウニを食べて海を守ろう!」 再生型水産業で 世界の海を豊かにする 〈北三陸ファクトリー〉
ウニにより海藻がなくなってしまう、海の砂漠化
近年、漁業者の方々が口にするようになった「海藻が生えない」という言葉。
これは「磯焼け」と呼ばれ、海が砂漠化していることを指します。
日本国内では30年前と比較し藻場が急激に減少。
中でも悪化が加速する地域では80%減にもおよび
海外においてはオーストラリア・タスマニア島のジャイアントケルプの森を囲う海では
95%も減少していると言われています。

磯焼けの様子
世界的に成⻑産業とも言われる水産業ですが、日本では衰退産業と揶揄され、
漁村地域はかつてない危機的状況となっています。
海藻があってはじめて、それを食べて育つウニやアワビの漁獲量と品質が保たれます。
また藻場がなくなれば、魚が卵を生んだり稚魚が育ったりする場が失われてしまいます。
加えて海藻は海中のCO2を吸収する役目があり、藻場がなくなることは地球にとって、
私たちにとって大きな打撃となり得るのです。
持続可能な漁業「うに牧場(R)」を手がける岩手県洋野町

岩手県の沿岸最北端、北三陸・洋野町では
約50年前から持続可能なモデルで漁業を行ってきました。
広大な岩盤地帯に約17.5キロメートルに渡り溝を掘り、
天然の昆布が豊富に存在する漁場をつくり、
その中でウニが豊富に昆布を食べて育つことにより、
高品質なウニを持続的に生産することを可能としています。
〈北三陸ファクトリー〉ではその漁場を〈うに牧場(R)〉と名づけ
地域ブランドとして国内外に発信。
本州水揚げNo.1を誇ってきました。

〈うに牧場(R)〉の様子。
もともと洋野町の浜は遠浅で、干潮時には岩盤に張り付いた海藻類たちが
干上がってしまうため、海産物の高い品質を維持できない問題がありました。
漁業にとって不利な環境下を克服しようと、当時の漁業者たちは海藻を守り、
自らの生業をつくり出すため溝を掘削。
そのおかげで、干潮時に水が引いても溝には海水が残り、
ウニが安心して暮らせるようになりました。
また、満潮時には海水が流れ込み、昆布やわかめの種を溝に残し、
豊富な海藻が生える場所となっています。
最近では3106.5トンものCO2の認証が認められ(2022年11月)、
ブルーカーボンの町としても国内トップクラスです。
ウニ再生養殖を日本だけでなくオーストラリアでも展開

とはいえ、いま国内外で起こる磯焼け問題は水産業における目下の課題です。
こうした背景を汲み、北三陸ファクトリーは2023年4月12日、
〈KSF Australia Pty Ltd〉を設立。
ウニによる磯焼け問題を世界の課題として捉え、海の限りある資源を守り、
未来に向けて豊かにしていくため、ウニ再生養殖を
日本だけでなくオーストラリアでも展開することとしました。
具体的には、海藻減少によって実入りが悪くなったウニの再生、
藻場再生による海中の海藻育成、価値あるウニを食文化として楽しむ、
という3つのアクションを掲げています。
これらが循環することで再生型水産業が成立。
漁業者、水産関係者、生活者がともに課題解決意識を持って限りある海の資源を守り、
豊かにしていく行動を興すことが不可欠です。

2023年5月30日まで実施しているクラウドファンディングで集めた寄付金は、
海の問題を共有しアクションを起こす場、〈UNI SUMMIT&UNI Fes2024〉の
運営資金や、藻場の再生活動、次世代の海の担い手を創る、海洋教育プログラムの運営、
オーストラリアでのウニ再生養殖の活動資金に使われます。

クラウドファンディングのリターンには、フレッシュな〈洋野うに牧場の四年うに〉や
〈UNI&岩手産バターSPREAD〉〈うにフラン〉〈北三陸産天然自生わかめ〉など
北三陸ファクトリーがつくるウニ製品や海産物加工品なども揃います。
おいしくウニを食べて、海を守る取り組み。
私たち消費者にできることもありそうです。
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北三陸ファクトリー
