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posted:2022.12.30 from:山梨県富士吉田市 genre:ものづくり
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writer profile
Saori Nozaki
野崎さおり
のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。
2022年11月、山梨県富士吉田市に
〈FabCafe Fuji(ファブカフェフジ)〉がオープンしました。
富士山麓に位置する山梨県富士吉田市。
緑豊かな景観と富士山から流れ落ちる清涼な水の恵みによって、
古くから織物のまちとして栄えてきました。
平安時代の書物に甲斐国(山梨県)の布についての記述が見られるなど
その歴史が1000年以上続くハタオリのまちです。
近年はテキスタイルデザイナーなど、織物に関わる若い世代が移り住むようになり、
さらにはクリエイターやアーティストとのコラボレーションで、
新たな織物の価値創造に挑んだ機屋展示・アート展の開催など、
伝統を繋ぎ革新を続けるまちとしても注目を集めています。
〈FabCafe〉は“Fabrication”(ものづくり)をテーマとし、
世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティです。
2012年東京・渋谷に最初の拠点がオープンし、
ヨーロッパや南米、アジア各国にも広がり、
これまで世界に13の拠点が誕生しました。
〈FabCafe Fuji〉は世界で14番目、日本では5番目の拠点となりました。
目指すのは伝統的な織物産業とクリエイターとの共創です。
カフェやコワーキングスペースとして人が集うことはもちろん、
織物の産地、富士吉田市に古くからテキスタイルに関わる技術や人を中心に、
多ジャンルのクリエイティブコミュニティを産みだすことを目指しています。
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古い建物をリノベーションした〈FabCafe Fuji〉の店内は広々。
アートや建築、テキスタイルなどの書籍がたくさん並ぶ図書コーナーがあり、
リソグラフなどのデジタルものづくりマシンも設置。コワーキングスペースも兼ねています。
世界の〈FabCafe〉は、人が集うカフェという場所に、
3Dプリンターやレーザーカッターなどデジタルものづくりマシンを
設置していることが大きな特徴です。
〈FabCafe Fuji〉で設置しているリソグラフは、孔版印刷ができるデジタル機器です。
印刷インクの発色が美しく、
同じ原理であるシルクスクリーン印刷よりもスピーディーな
印刷が可能という特徴を持っています。
日本では長く事務機器のひとつとして使われてきましたが
海外を中心にアートプリントのほか、ZINEやポスター、
チラシなどクリエイティブな表現に向いていると
注目を集めるようになりました。
〈FabCafe Fuji〉では訪れる人が気軽に楽しくリソグラフを使うことで、
地元の産業であるハタオリと融合し、新しいものづくりが始まり、
クリエイティブコミュニティが育っていくことを目指しています。
もちろんカフェとして、食にもこだわりがこもっています。
スペシャルティコーヒーは、山梨県甲府市の〈AKITO COFFEE〉からコーヒー豆を仕入れ、
自家製ソーセージを使用したメニューを中心に、スパイスカレーやラザニアなどを用意。
食材は近郊で取れたものを中心とし、発酵食、ベジタリアンメニューにも対応。
自然にやさしいエシカルを意識したメニューが揃います。
〈FabCafe Fuji〉は富士山を望む通り沿いに位置しています。
オープンが朝8時からと早いのは、
朝の時間帯にこそ美しい富士山を仰いでから
朝食を食べて欲しいという気持ちからなのだとか。
〈FabCafe Fuji〉のある富士吉田へは、都内からは高速バスで2時間ほど。
テキスタイル、こだわりの食、アートが織りなす
新しいコミュニティとクリエイティブを生み出す場所として、
地域の人や国内外から訪れる人を迎え入れる場所になっていきそうです。
information
FabCafe Fuji
*価格はすべて税込です。
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