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posted:2022.10.7 from:東京都渋谷区 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Kiyoko Hayashi
林貴代子
はやし・きよこ●宮崎県出身。旅・食・酒の分野を得意とするライター・イラストレーター。旅行会社でWebディレクターを担当後、フリーランスに転身。お酒好きが高じて、唎酒師の資格を取得。最近は野草・薬草にも興味あり。
2022年10月11日(火)~16日(日)の期間、
東京都渋谷区の〈代官山ヒルサイドフォーラム〉にて
「旅と手しごと」をテーマに、全国各地の表現者の手しごと品が一堂に会する
合同展示会&マーケット〈TRACING THE ROOTS〉が開催されます。
その名の通り、企画立案者である〈株式会社マザーディクショナリー〉の代表・尾見紀佐子さんが各地を旅するなかで、
手しごとを通じて何らかの思いを共有しようとする人々と出会い、
そのような表現者に声をかけ、スタートしたイベント。
2016年に始まり、今年で8回目の開催となります。
当初はバイヤーに向けた展示が中心のイベントでしたが、
自然に寄り添いながら丁寧なものづくりを行う人や、
新しい表現に挑戦する人の、作品とその視点をもっと幅広く届けたいと、
2018年から誰でも入場可能なイベントになりました。
今年は新規出展者が10組増え、出展者数はのべ30組と過去最多に。
新規で参画する北海道の〈Snow Crystal Records〉は、
雪の結晶の“記録”を通じて、自然が秘めている美しさを見つめ、
共有していくためのプロジェクト。
十勝岳や大雪山旭岳で採取された本物の雪の結晶を
「雪のレプリカ法」によって保存した、
ガラスのアクセサリーと雪の標本シリーズの作品展示を行います。
また、今年も出展が予定されている兵庫県神戸市の〈つくも窯〉。
イギリスをはじめ、世界各地で古くから伝わる「スリップウェア」などの
陶器の制作を行っています。
スリップ(泥状の化粧土)で描く、ダイナミックかつ、
どこかプリミティブさを感じさせる器に虜になるファンも多々。
海外でも個展を行い、高い評価を得る〈つくも窯〉の作品を手にとるチャンス。
福岡県大木町からは、天然染料を使用する染工場〈宝島染工〉が参画。
藍・墨・草木などの天然染料を用い、
「防染」と呼ばれる技法での染色加工を得意とする工房です。
本展では、従来の技法のみを使用した「宝島染工」の服と、
手染めの技法を転用しつつ、化学染料と化学繊維のみを使用した新ライン「-thus-」の、
テキスタイルにフォーカスした2ラインを展示予定です。
ほかにも、浜辺に打ち上げられた流木、珊瑚、貝、動物の骨などの漂流物と
真鍮を組み合わせたオブジェを制作する
沖縄県国頭郡の〈O’ Tru no Trus(オートゥルノトゥルス)〉、
森の中のアトリエで自ら自然香料を抽出し、調香する
長野県軽井沢町のフレグランスブランド〈かほりとともに、〉なども参画。
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さらに本展では、ユニークな企画展示「ブリコラージュ展」を同時開催します。
文化人類学研究者・山口吉彦さんが所有する、
アマゾンを中心とした少数民族の工芸品、鳥・蝶などの羽、鉱物などのコレクションから、
壊れてしまったり活用できなくなったパーツを8人のアーティストが譲り受け、
新たな作品として生まれ変わらせたブリコラージュ(注)作品を展示。
自らを森の一部と認識し、自然の恩恵と、受け継がれてきた知恵をもって、
生活に必要な道具をつくり続けてきたアマゾンの先住民。
その精神性を宿すモノたちに、新たな息吹が加わった作品とは?
ぜひ会場でお楽しみください。
(注)ブリコラージュとは、「寄せ集めて自分でつくる」「ものを自分で修繕する」などを意味します。
展示作品はいずれも購入可能。
自然の営み、ぬくもりを感じるプロダクト、
各土地の文化や風土などが凝縮された手しごと品など、
あなたの心に響く作品との出合いが、きっとあるはずです。
information
TRACING THE ROOTS ~旅と手しごと~
日時:2022年10月11日(火)〜10月16日(日)
時間:11:00〜18:00 ※10月14日(金)のみ13:00~
入場:無料(※事前登録制です。事前申し込みの上、ご来場ください)
会場:代官山ヒルサイドフォーラム
住所:東京都渋谷区猿楽町18‐8
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