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posted:2022.6.16 from:福井県 genre:旅行
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writer profile
Saori Nozaki
野崎 さおり
のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。
福井県永平寺で長くつくられている日本酒ブランド〈黒龍〉。
酒蔵の創業は1804年に遡るという歴史ある日本酒です。
その〈黒龍〉の親会社にあたる〈石田屋二左衞門〉が
6月17日に酒蔵観光施設〈ESHIKOTO〉をオープン。
創業から220年となる2024年は、
北陸新幹線が福井県敦賀まで延長されることを見据えてのことです。
施設の名前である〈ESHIKOTO〉はとこしえ(永久)の逆さ読み。
さらにさらに“えし”とは、古い言葉で良いという意味があり、良いことを指しています。
ESHIKOTOは、お酒の魅力はもちろん、
さまざまな福井の“いいこと”を発掘、提案する場所と位置づけられています。
〈石田屋二左衞門〉の代表で、8代目蔵人でもある水野直人さんは、
日本酒と同じ醸造酒として世界中で愛されるワインにも興味を持ち、
フランスやアメリカのワイン銘醸地を訪れてきました。
その中には世界中から人々が訪れる田舎町もあり、
水野さんは「永平寺よりももっと田舎なのに!」と思ったとのこと。
そんなワインの銘醸地を訪れて、
黒龍の地元、福井・永平寺への貢献を考え始めた水野さん。
福井には、越前漆器や和紙のような伝統工芸、
繊維やメガネといった上質なものづくりがありながら
地元の人にさえ十分知られていないものも多いのでは?と
生まれたのが、ESHIKOTOプロジェクトです。
プロジェクトの構想から約10年。
目の前に九頭竜川が流れる場所に3万坪の敷地を確保。
ESHIKOTOプロジェクトのうち、2022年6月の開業第1弾として
臥龍棟(がりゅうとう)と酒楽棟(しゅらくとう)、
そしてアーチ型の地下蔵がオープンします。
残りの敷地には、蒸留所、醸造ラボ、オーベルジュなどが計画されています。
臥龍棟はイギリスの建築家サイモン・コンドル氏に設計を依頼。
天井の高さが約11メートルもあり、まるで大聖堂のよう。
広々とした臥龍棟はイベントなどで利用される計画です。
臥龍棟内には、大きな杉の木でつくったカウンターが2か所にあります。
樹齢200年といわれる地元の杉を切り出したもので、
水野さんが自ら山に足を運んで、杉の木を選んだのだとか。
臥龍棟内部には、瓶内2次発酵のスパークリング日本酒約8000本を眠らせられる
貯蔵セラー臥龍房もあります。
古民家の古材や福井で採石される希少な笏谷石(シャクダニイシ)も使用され、
雰囲気満点。一般には公開されませんが、
会員としてセラー内のお酒のオーナーになると内部に入る機会も設けられる予定です。
さらに、臥龍棟の裏手には地下貯蔵施設がつくられました。
10万本の酒が貯蔵可能という大きな貯蔵施設です。
入り口のドアにはかつて酒蔵で使われていた木材が使われています。
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酒楽棟にはレストラン〈acoya〉と酒ショップ〈石田屋〉があります。
レストランのacoyaでは、入り口そばには手前にはパティスリーがあり、
黒龍酒造の酒粕や梅酒の梅を使ったパウンドケーキやチーズケーキなど
焼き菓子が販売されます。
奥にはアペロが楽しめるカウンターが準備され、
お酒に合うおつまみなどが提供されます。
さらにモーニングやランチとして永平寺の精進料理にちなんで
越前焼きや越前漆器を用いたお膳のスタイルの食事も提供。
福井県出身で、フランス料理のシェフが、福井の伝統食であるへしこや
名産のひとつ蕎麦粉など近隣の食材をアレンジしています。
酒ショップ石田屋では、ESHIKOTOでしか買えない貴重なお酒を
常時15種前後展示販売。購入前に試飲も可能となっています。
石田屋の店内には、大きな越前箪笥が2棹置かれ、越前焼もディスプレイ。
伝統工芸とスタイリッシュなデザインが組み合わされた空間です。
酒楽棟のテラスからは、目の前を流れる九頭竜川を含めた景色が一望できます。
春には桜、冬には雪景色と、季節ごとの美しさを眺められる場所です。
ESHIKOTOはお酒が飲める年齢の人だけが利用可能。
日本酒や食に留まらず、福井のいいものをたっぷり知って、感じられる
大人だけの場所になりそうです。
information
ESHIKOTO(エシコト)
information
acoya(あこや)
住所:福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17 酒楽棟2F-B
Tel:0776-97-9396
営業時間:8:00~18:00
定休日:水曜
※営業時間は変更の可能性あり
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