news
posted:2022.6.9 from:岩手県盛岡市 genre:活性化と創生
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Haruna Sato
佐藤春菜
さとう・はるな●北海道出身。国内外の旅行ガイドブックを編集する都内出版社での勤務を経て、2017年より夫の仕事で拠点を東北に移し、フリーランスに。編集・執筆・アテンドなどを行なう。暮らしを豊かにしてくれる、旅やものづくりについて勉強の日々です。
岩手県盛岡市名須川町。
「岩手」の名前の由来になった伝説の残る〈三ツ石神社〉のそばに、
戦後から女性だけでホームスパン製品をつくり続けてきた
〈みちのくあかね会〉の社屋があります。
木造平屋の建物は、築80年以上の病院施設だった建物。
第二次世界大戦で未亡人となった女性の自立支援のため、
当時の市会議員横田チエ(岩手県初の女性議員)などが中心となり発足した
「婦人共同作業所」を前身に、
同所が製造するホームスパン製品を販売する会社として
〈みちのくあかね会〉は設立されました。
以来60年にわたって、ホームスパン製品をつくり続けています。
「家で紡ぐ」を意味するホームスパンは、羊毛を手で紡ぎ、
手織りして生み出す製品のこと。
明治期に軍服や公務員の制服などへの需要から国策として国が生産を奨励し、
岩手県では約100年に渡り、その技術が受け継がれてきました。
Page 2
設立からの技法を実直に守り、当時からの道具や機械を利用してマフラーや小物製品など、
冬の暮らしを彩るものづくりを行ってきた〈みちのくあかね会〉。
歴史あるこの場所で続けていくことを模索していましたが、
建物の老朽化のため、移転を余儀なくされることになりました。
しかも、急遽決まったという移転への残された時間は少なく、
リミットは2022年6月中旬。
移転先は見つかったものの、数ある道具の輸送や改装に資金を必要としています。
工房には、60年の歴史の中でつくられてきた製品や、
織りの設計書、原毛や染料、昭和から使われてきた大型の織り機や整経台など、
受け継いでいきたい数々のものがあります。
寒い岩手の地で、家族や大切な人を温めるために女性たちだけで紡ぎ、
織り上げられてきた〈みちのくあかね会〉のホームスパン。
この歴史を引き継ぎ、守り、伝えていきたい。
そんな思いで挑戦するクラウドファンディング。
リターンには手紡ぎ糸や、マフラーなどホームスパン製品、
工房での機織り体験などが用意されています。
少しでも喜んでもらいたいと、リターンのリクエストも募集中。
支援の締め切りは6月30日(木)までです。
information
Reborn みちのくあかね会(クラウドファンディング)
Feature 特集記事&おすすめ記事
Tags この記事のタグ