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posted:2022.6.13 from:長崎県東彼杵郡波佐見町 genre:買い物・お取り寄せ
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writer profile
Satoko Shikada
鹿田 吏子
しかだ・さとこ●長崎県出身、福岡県在住。情報誌編集部を経て、フリーランスに。雑誌や企業広報誌などで編集、取材、執筆などを行う。時間ができると国内外の旅に出かけ、存分に楽しんだのち、日常に戻る瞬間が好き。
日本屈指のやきもののまち・波佐見。
ここで1972年に創業した〈西海園芸〉は、2022年、創業50年目を迎えました。
その節目のプロジェクトとして、庭師の山口陽介さんが考えたのが、
自社で運営する花屋の店舗を改装し、会社のシンボルスポットとして蘇らせること。
そして構想から約2年、何度も試行錯誤を繰り返しながら、
波佐見の風土やくらしに根付いた工法を取り入れた
「茅葺き屋根」の花屋〈花 西海〉が誕生しました。
このプロジェクトを進めるにあたり、山口さんが声を掛けたのが、
神戸出身の茅葺き職人・相良育弥さんと、東京出身の左官・都倉達弥さん。
2016年に日本在住の米国人フォトジャーナリスト、エバレット・ブラウン氏が
「日本の面影」と題した湿板写真展を開催した際、
その被写体に選ばれたことがきっかけで出会った3人。
共に80年代生まれの職人という共通点もあり、すぐに意気投合、
以来、親交を深めてきました。
そんな3人の技を随所に生かした、茅葺き屋根の建物。
茅葺きには、小麦の収穫後に残る小麦藁を使用。
採集は、地域の方々の協力にも支えられました。
「作業しながら、大先輩たちが『昔の波佐見を思い出す』と、
さまざまな話を聞かせてくれたのも、いい思い出です」と山口さん。
さらに岩や土、植物も全て地元で調達。
外壁には波佐見の土、店内の壁にはやきものを作る際に使う石膏を配合し、
「地元の素材で作り、地元に還す」「循環させていく」
というテーマをかたちにすることができました。
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オープン後は、花屋〈花 西海〉として、日常の花から、ハレの日の花までを幅広く紹介。
一角には、波佐見焼きと草花を合わせた提案も行います。
椅子でのんびりくつろいだり、庭を散策したり。
買い物+αの楽しみ方ができるのも魅力です。
「海外からの方にも楽しんでいただける場所に」と山口さん。
茅葺き屋根、塗り壁や床、季節を写す庭に、
日本の、そして波佐見の美しさを集結させた場所。
「今後は日本各地で、その土地に合った場づくりを手がけてみたい」。
職人としての手応えを感じられたという今回のプロジェクトを経て、
3人の思いもさらに高まっているようです。
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有限会社西海園芸〈花 西海〉
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