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〈うなぎの寝床〉がはじめる、
「地域文化って何だろう?研究会」
とは? 〈ららぽーと福岡店〉で
企画展がスタート!

コロカルニュース

posted:2022.4.27   from:福岡県  genre:活性化と創生

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Mayo Hayashi

林 真世

はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。

地域文化について​​一緒に考え学ぶ場を

福岡県八女市に拠点を置く、〈地域文化商社 うなぎの寝床〉。

久留米絣の〈MONPE〉など、福岡や九州を中心とした商品を扱ううなぎの寝床が、
創業10年の節目に新たな企画を立ち上げました。

それは「地域文化って何だろう?研究会」。

4月25日にオープンした
〈うなぎの寝床 ららぽーと福岡店〉と、
〈うなぎの寝床 旧寺崎邸〉でこれから1年を通して
「地域文化って何だろう?研究会」が始まります。

第1回目は、「九州ってどんなところ?」と題したプロローグを。以降「木」「土」「石」「竹」「ゴム」「わた」「染」「織」「紙」「鋳」「茶」「食」をテーマに展開する。

第1回目は、「九州ってどんなところ?」と題したプロローグを。以降「木」「土」「石」「竹」「ゴム」「わた」「染」「織」「紙」「鋳」「茶」「食」をテーマに展開する。

私たちが「地域文化」と聞いて思い浮かべるもの。

それは、歴史ある街並みであったり
自然豊かな風景、郷土料理、地域の季節のお祭り、
伝統工芸や地域独自のコミュニケーション、方言など、
思い浮かぶものは百人百様ではないでしょうか。

これまで地域の伝統産業と深く関わり、
つくりてやものを通してその文化や魅力を発信し続けてきた、うなぎの寝床。

大きな研究テーマを「地域文化って何だろう?」として、
毎月考える視点や切り口を変えて、12回の催しが行われます。

今回立ち上がった研究会と、
ららぽーと福岡にオープンした新店舗について、
うなぎの寝床の代表・白水高広さんにお話しを伺いました。

白水高広さん。八女市にある〈うなぎの寝床 旧寺崎邸〉の前で。

白水高広さん。八女市にある〈うなぎの寝床 旧寺崎邸〉の前で。

地域文化をあらためて考え学んでいく企画展、
「地域文化って何だろう?研究会」を始めるきっかけとは?

「うなぎの寝床は2012年に八女で創業して、
これまで筑後のものづくりの先に、地域資源やつくりての背景、
地域文化をどう伝えるか? を仕事と思い、
『地域文化商社』という名称でやってきました。

昨年から今年にかけて、新しいスタッフが例年よりも多く加わったので
より社内で勉強していかないといけません。

200社近くの取り扱い商品があり、素材、種類、つくり手もいろいろ。

工業製品もあれば手仕事のものもあり製造工程もさまざまです。

地域文化という曖昧性のあるものを、
まず、自分たちがちゃんと学んでいくことを含めて、
地域文化を考える『研究会』という名前がいいんじゃないかと決めました」

地域文化というものを、
明確に「これだ!」と定義することは難しいもの。

その土地に住んでいながらも、身の回りの地域や文化について
「実はよく知らない」という人は少なくないのではないでしょうか?

あらためて「地域文化って何だろう?」と、興味が湧いてきますね。

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ららぽーとは、“都市の入り口”になる

都市生活拠点店舗〈うなぎの寝床 ららぽーと福岡店〉

都市生活拠点店舗〈うなぎの寝床 ららぽーと福岡店〉

4月25日にオープンした〈ららぽーと福岡〉は
福岡市博多区に立地し、県外や福岡市周辺からのアクセスが良好。

「福岡空港が近いことも利点」だと話す白水さん。

これまでは八女まで足を運べないという
お客さんも少なからずいたといいます。

「僕らにとって、『都市の入り口』が必要だろうと。

都市においては地域文化への入り口から奥行きまでを
どうつくれるかがポイントかなって思っています。」

店内中央に設置された展示スペース。地図で九州地域の地形を確認しつつ、直に自然素材にふれられるような展示になっている。

店内中央に設置された展示スペース。地図で九州地域の地形を確認しつつ、直に自然素材にふれられるような展示になっている。

ららぽーと福岡店では、
4月25日(月)〜5月9日(月)まで、
第1回目プロローグ:「九州ってどんなところ?展」を開催中。

九州、それぞれの地域で育まれる固有の文化を
それぞれが考えていくうえで、自然のなかやその土地にある素材そのものに触れてもらい、
つくりての商品を見て、関連する書籍などで
さらに関心を深めていける企画展になっています。

「今後、企画展をしていくなかで、
『あ、紙ってこうやってできていたんだ』とか
『ムーンスターの靴は、ブリヂストンや久留米のゴム産業と結びついている』とか。
そういう学ぶ機会を増やしたいんです」

ららぽーと周辺に住んでいる方たちも一緒に勉強しながら、
学ぶきっかけをつくれたらいいなと、白水さんはうれしそうな表情で話します。

九州に関連する書籍も多数紹介され、九州、筑後のものづくりに直に触れることができる。

九州に関連する書籍も多数紹介され、九州、筑後のものづくりに直に触れることができる。

八女という地で独立系カルチャーとして歩んできたうなぎの寝床。
なかには商業施設に入ることを不思議に感じる人もいたのだそう。

「今、つくりての売り場というのが百貨店や
観光地に絞られてしまい、見る機会が減っています。

伝統工芸や地域のものづくりは、
都会や人通りの多いところでちゃんと人目に触れながら、
その生活に合わせてちゃんと変わっていかないといけない。

芯はぶらさない方がいいけれど、
現代の生活、経済にちゃんとフィットしていかないと
どちらにしろ続かない話だと思っています」

地域文化について「もの」や「こと」を通して、
一緒に見て・考えて・触れながら
研究していける場にしていきたいという試み。

ワクワクすることを「一緒にやろうよ」と
呼びかけてくれるようなうなぎの寝床に、
またひとつ新しい場所ができました。

information

地域文化って何だろう?研究会 第1回目
プロローグ:九州ってどんなところ?展

会期:4月25日(月)~5月9日(月)

開催地:うなぎの寝床 ららぽーと福岡店(福岡県福岡市博多区那珂6-23-1 1階)

営業時間:10:00~21:00

定休日:施設休業日に準ずる

 

会期:5月14日(土)~5月30日(月)

開催地:うなぎの寝床 旧寺崎邸(福岡県八女市本町327)

営業時間:11:00〜17:00

定休日:火曜・水曜(祝日は営業)

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