news
posted:2022.4.11 from:全国 genre:活性化と創生
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Mayo Hayashi
林 真世
はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。
“地域にいるデザイナーって、どんな活動をしているの?”
そんな素朴な疑問を紐解くことができる、
興味深い1冊の本が出版されました。
2022年3月に学芸出版社から発行された、
『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる -地域×デザインの実践』。
日本各地で活躍する21名のデザイナーの活動に焦点を当て、
彼らがデザイナーになったきっかけや
地域と関わるようになった理由など、
それぞれ異なる視点からデザイナー自身の言葉で書かれています。
そんな地域とデザイナーの“今”が見える、「おもデザ本」。
少しだけ中身を覗きながら、ご紹介します!
「おもデザ本」は、
新山直広さんと坂本大祐さんが編著者を務めます。
新山さんは2009年に福井県鯖江市に移住し、
鯖江市を拠点に活動するデザインスタジオ〈TSUGI〉を設立。
地域特化型のインタウンデザイナーとして、
地域や地場産業のブランディングを行います。
坂本さんは2006年に奈良県東吉野村に移住後、
〈合同会社オフィスキャンプ〉、
〈一般社団法人ローカルコワークアソシエーション〉を設立、
全国のコワーキング施設の開業サポートなどを行なっています。
それぞれの地域で活躍するおふたり。
「未来を考えるインタウンデザイナーのものづくり」など
地域とデザインをテーマに発信しています。
新山さんは、
「『デザイン』という言葉から、広告やパッケージをはじめとした
魅力的なグラフィックの領域をイメージするかもしれないが、
ここでいうデザイナーは、従来のデザインの枠を超え、
人、歴史、産品、土地、自然といった地域の資源を
複合させて新たな価値を生み出す人々である」と本書に綴っています。
まさに、働き方も多様化し東京一極の流れから
地方へ分散してきているご時世。
その土地の魅力的な資源をフルに活用した
地域の新しい価値創造が、着実に動き出しています。
本書の一文を紹介しましょう。
「移住して数年後、
河和田でお世話になった職人たちに『デザイナーになる』と
伝えた時のことは今でも忘れられない。
彼らは『デザイナーは詐欺師だ』と言ったのだ。
(中略)地域の課題を見つけ、
どのような手段で解決していくのか。
そのプロセスを考え実現するところまで求められるのが、
地域のデザイナーだと痛感し、
『売るところまで責任をもつデザイナーになる』と心に決めた」
(新山直広さんまえがきより)
なぜその地域でデザイナーになることを決心したのか。
なぜ多くのデザイナーが分野外の範疇まで
取り組みながらも地域の課題に挑戦するのか。
そんなリアルで実践的なエピソードが綴られているのが
「おもデザ本」の魅力です。
Page 2
『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる -地域×デザインの実践』は、
地域に拠点を構えるデザイナー(デザイン事務所)が、
それぞれに自身の言葉で自分たちを語った珍しい本と言えます。
本書では、デザインが意匠的な意味合いだけではなく、
社会課題を捉え、私たちの生活を前向きにするヒントを
与えてくれるものだと教えてくれます。
「地域は、都市ほどに均質化が進んでおらず、
まだその土地の『匂い』とも呼べるような固有の文化が残っている。
その土地に根ざした活動が、それぞれに可視化され、
本書に収録されているから、
このような多様なあり方になるのだ。
(中略)じわじわと湧き上がるような決意から、
地域のデザインの現場は、はじまるのかもしれない」
(坂本大祐さんあとがきより)
色とりどりに芽吹き始めた、地域×デザインのかたち。
「おもデザ本」の購入方法や、
各地で開催予定の関連トークイベントが気になる方は
こちらのウェブマガジン〈まち座〉を要チェック!
イベントなどの最新情報は学芸出版社のTwitterをご覧ください。
information
おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる -地域×デザインの実践
Web:ウェブマガジン〈まち座〉
SNS:学芸出版社公式Twitter
Feature 特集記事&おすすめ記事